給湯器・ポンプのお役立ち情報

給湯器が水漏れする原因は?対処法や修理・交換が必要な状況と予防策

集合住宅のガス給湯器を目視点検し、チェックシートに現況を書き込む作業員

突然、お湯が出なくなったり、給湯器の周りがぬれていたりしたことはないでしょうか。こういった場合、給湯器は修理や交換が必要な水漏れを起こしているかもしれません。給湯器の水漏れは、日常生活に支障をきたすだけでなく、家屋への深刻な被害や安全上の問題を引き起こす可能性があります。

スタッフ

給湯器は水抜き栓からポタポタと漏水することもあります。この場合は基本的に修理不要ですが、正常な動作の範囲内を超えていれば点検・修理が必要です。

この記事では、給湯器の水漏れの原因から対処法、修理や交換の判断基準まで、詳しく解説します。ガス給湯器とエコキュートの水漏れの原因・症状の違いや、水漏れを起こさないための予防策も知っておきましょう。

この記事の概要
  • 給湯器は水抜き栓からポタポタと漏水することもあるが、正常な動作の範囲内を超えていれば点検・修理が必要
  • 給湯器の本体や配管の故障・破損による水漏れの場合、安全確保や情報収集を行い、速やかに専門業者へ相談することが大切
  • 修理が不要な水漏れでも、また修理を行っても、水漏れを予防するための点検・メンテナンスは必須
書いてあること

ガス給湯器の水漏れの原因は?危険性を知ろう

マンションに取り付けられたガス給湯器の配管が外された模様

ガス給湯器は経年劣化や凍結、設置時の工事ミスなどにより、本体や配管から水漏れを起こす場合があります。

水抜き栓からの漏水は本体内部の圧力をコントロールするために起こるため、通常は過敏に反応する必要はありません。ただし、繰り返し水漏れを放置すると、深刻な事態を招く恐れがあります。

【原因】経年劣化や凍結による水漏れ

ガス給湯器の水漏れの主な原因は、経年劣化や凍結です。長年の使用で、配管の接続部分や継ぎ手部分のゴム製パッキンが硬化・変形し、すき間から水が漏れることがあります。また、冬場は配管内の水が凍結して膨張し、配管に亀裂や破損が生じることもあります。凍結時は水が凍っているため水漏れは起こりませんが、気温上昇で解けると水漏れが発生します。

水漏れを放置すると、水道代の無駄だけでなく、給湯器のさび付きや基盤故障の原因にもなります。さらに、経年劣化が進むと、設定温度と異なるお湯が出ることによるやけどの危険性や、機器本体の異常着火(爆発)のリスクも高まります。

給湯器の耐用年数は約10年とされており、それ以上経過している場合は、修理よりも交換を検討することをおすすめします。

スタッフ

給湯器の本体や配管の故障・破損による水漏れの場合、安全確保や情報収集を行い、速やかに専門業者へ相談しましょう。

【原因】設置時の工事ミスや水抜き栓からの水漏れ

ガス給湯器の水漏れは、設置時の工事ミスが原因となることもあります。新築や給湯器交換直後に水漏れが発生した場合、施工不良の可能性が高いでしょう。このような場合、施工業者に連絡すれば、無償で修理対応してもらえる可能性があります。

一方、長期間使用していなかった給湯器で水漏れが起きる場合、水抜き栓(過圧防止安全装置)からの漏水が考えられます。これは、給湯器内部の圧力低下が原因で、多くの場合一時的な現象です。お湯を使用するにつれて水漏れが止まれば問題ありませんが、頻繁に発生したり、水が止まらなかったりする場合は専門家に相談しましょう。

給湯器の水漏れを放置するリスク

ガス給湯器の水漏れを放置すると、深刻な事態に発展する恐れがあります。まず、一酸化炭素中毒のリスクが挙げられます。水漏れにより給湯器内部が湿気ると、ガスの不完全燃焼が起こり、無色無臭の猛毒ガスである一酸化炭素が発生する可能性があります。

次に、階下への漏水被害があります。マンションやアパートでは、水漏れが階下の部屋に及ぶことで、高額な修繕費用が発生する可能性があります。さらに、電気系統のショートも危険です。水が電気配線に触れると、火災の原因となることもあります。

これらの危険性を考えると、給湯器の水漏れを軽視してはいけません。早期発見・早期対応が重要で、異常を感じたら直ちに使用を中止し、専門家に相談することをおすすめします。

ガス給湯器の水漏れ発見時の対処手順

ガス給湯器の給水バルブのハンドルをひねる手元のアップ

ガス給湯器の水漏れトラブルに直面したら、まず水道メーターやリモコンのエラーコードを確認し、給湯器本体を運転停止させます。当面の安全を確保し、水漏れ箇所を特定できたら、止水栓・ガス栓を閉止しましょう。収集した情報を速やかに専門業者へ連絡し、作業員の到着までは応急処置でしのぎます。

ステップ1:水道メーターやエラーコードの確認と給湯器の運転停止

ガス給湯器からの水漏れが疑われる場合、まず落ち着いて状況を確認しましょう。水道メーターを見て、水を使用していないのに針が回っていれば、どこかで水漏れを起こしていると判断できます。

次に、給湯器のリモコンにエラーコードが表示されていないか確認します。水漏れを示す代表的なエラーコードは「173」ですが、「111」が表示された場合は点火不良の可能性があり、水漏れが原因なら一酸化炭素中毒の危険性があります。

安全のため、給湯器の運転を即座に停止させましょう。運転スイッチをオフにし、電源プラグを抜くか、ブレーカーを落とします。これらの初期対応を確実に行うことで、二次被害を防ぎ、安全に対処することができます。

ステップ2:水漏れ箇所の特定や止水栓・ガス栓の閉止

ガス給湯器の運転を停止して当面の安全を確保したら、水漏れの箇所を特定し、適切に対処することが重要です。まず、給湯器本体や周辺の配管を注意深く観察しましょう。水抜き栓からの水漏れは通常問題ありませんが、大量の水が出続ける場合は異常です。

配管の接続部や本体からの漏水を発見したら、直ちに本体近くの止水栓か、給水元栓を閉めます。元栓は一戸建ての場合、敷地内の水道メーターボックスにあります。マンションでは玄関付近のパイプスペースにあることが一般的です。元栓を時計回りにゆっくり回して閉めましょう。同時に、ガス漏れの危険性も考慮し、ガス栓も閉めておきます。これらの作業で水とガスの供給を遮断し、被害の拡大を防ぎます。

ステップ3:水漏れの状況を専門業者へ連絡してから応急処置

ガス給湯器の水漏れを発見したら、専門業者への連絡が不可欠です。まず、メーカーのサポートセンターや、信頼できる水道修理業者に連絡しましょう。その際、給湯器の型番や水漏れの状況を具体的に伝えると、適切なアドバイスを得られます。業者が到着するまでの応急処置として、水漏れ箇所にバスタオルを当てて水を吸収させたり、バケツで受け止めたりすることで、被害の拡大を防げます。

また、電気系統への影響を避けるため、給湯器周辺の電化製品は安全な場所に移動させましょう。賃貸住宅の場合は、大家さんや管理会社にも速やかに連絡することが重要です。水漏れの程度によっては、近隣住民への影響も考えられるため、状況に応じて周囲への連絡も忘れずに行いましょう。専門家の到着を待つ間、冷静に対応することが大切です。

エコキュートの水漏れの原因は?症状や修理の必要性

エコキュート本体下のカバーを取り外し、工具で配管を撤去している模様

お住まいの給湯器がエコキュートの場合、ガス給湯器とは仕組みが異なるため、水漏れの症状や原因が異なります。正常な動作で漏水が見られることもあり、専門業者による点検や修理が必要な状況かどうかを見極めることが大切です。

エコキュートの水漏れが故障ではない場合

エコキュートの水漏れが必ずしも故障を意味するわけではありません。例えば、貯湯ユニットの排水口からの水漏れは、お湯を沸かす「沸き上げ」中に起こる正常な現象です。これは、タンク内の水が膨張して排出されるためです。ただし、沸き上げ中以外に排水口からお湯が出ている場合は、安全弁である「逃し弁」の点検が必要です。

また、ヒートポンプユニット(室外機)からの水漏れも、多くの場合は正常な動作です。エコキュートは空気中の熱を利用してお湯を沸かすため、運転中に室外機背面のフィンに結露が発生します。この水がドレン口から排出されるのです。冬場には、結露が凍って霜となり、霜取り運転時に溶けた水が排水されることもあります。

水漏れが気になる場合は、設置業者に相談し、ホースを接続して排水口に水を導く工事も可能です。ただし、寒冷地では凍結の恐れがあるため、この方法は適していません。

エコキュートの水漏れが故障の場合

エコキュートの水漏れが故障の場合、その原因は主に貯湯タンクや配管の劣化、凍結による破損などが考えられます。症状としては、お湯が出ない、水温が安定しない、電気代が急増するなどが挙げられます。

エコキュートは10~15年程度で寿命を迎えるため、経年劣化により水漏れのリスクが高まります。また、長期間使用しないと、水抜き栓からの水漏れが発生することがあります。これは通常問題ありませんが、大量の水が出続ける場合は要注意です。

寒冷地では、配管の凍結による破裂も水漏れの原因となります。凍結防止のため、保温材や遮光テープの使用が効果的です。定期的なメンテナンス、特に貯湯タンクの排水は水漏れ予防に重要です。水漏れが疑われる場合は、エコキュート本体や各種配管を点検し、専門業者による修理が必要です。

給湯器の水漏れ修理・交換の判断基準

給湯器の水漏れが正常な動作の範囲内で起こったものではない場合、本体や配管の修理または交換が必要です。

ガス給湯器の配管接続部分をレンチで締め直す作業員の手元のアップ

基本的に、配管の問題であれば施工した販売店もしくは配管業者に点検・修理を依頼し、給湯器本体の故障が疑われる場合はメーカーの修理受付窓口に連絡します。ただし本体の交換は高額です。判断に迷ったら、信頼できる専門業者に点検・修理を依頼しましょう。

給湯器の修理で対応可能な水漏れ

給湯器の水漏れは、適切な対処で修理可能な場合があります。例えば、配管の経年劣化やパッキンの劣化による水漏れは、部品交換で解決できることが多いでしょう。特に使用年数が10年未満の給湯器であれば、修理で対応できる可能性が高くなります。

また、給湯器外部の配管凍結による破損も、配管交換で対処可能です。ただし、内部配管の破損は本体交換を検討する必要があるかもしれません。

修理か交換の判断に迷う場合は、まず信頼できる業者に相談し、見積もりを取ることをおすすめします。業者選びのポイントは、給湯器修理の資格保有確認、見積もりの明瞭さ、丁寧な説明などです。これらの状況を把握することで、適切な対応方法を選択できるでしょう。

給湯器の交換が必要となる水漏れ

給湯器の交換が必要となる水漏れの状態は、修理では対応できない深刻な症状を伴います。例えば、給湯器本体からの大規模な水漏れや、内部配管の腐食による複数箇所からの漏水は、交換を検討すべき状況です。また、使用年数が15年を超えている場合、部品の供給が終了している可能性が高く、交換が推奨されます。

さらに、頻繁な故障や修理を繰り返している場合も、交換を考慮する時期かもしれません。給湯器の効率が著しく低下し、ガス代や電気代が急激に上昇している場合も、交換のサインです。これらの症状が見られる場合、専門業者に相談し、交換の必要性を判断することが賢明です。交換により、安全性の向上と光熱費の削減が期待できます。

水漏れ修理の費用と作業時間の目安

給湯器の水漏れ修理にかかる費用と作業時間は、症状や修理業者によって異なります。一般的な水漏れ修理の費用相場は、配管修理で8,000円から3万円程度、給湯器本体の修理で1万2,000円から3万5,000円程度です。作業時間は、簡単な修理で30分から1時間、複雑な修理で2時間から3時間ほどかかることが多いです。

ただし、これらの費用や時間は目安であり、実際の状況によって変動します。修理費用を抑えるコツとしては、給湯器専門業者に依頼することや、複数の業者から見積もりを取ることが効果的です。また、定期的なメンテナンスを行うことで、大規模な修理を未然に防ぐことができます。水漏れの早期発見と迅速な対応が、修理費用の削減につながります。

給湯器の水漏れを予防する長期的な対策

給湯器は水抜き栓からの正常な漏水も起こりますが、経年劣化や凍結などにより、いつ故障・破損するとも限りません。水漏れを起こさないための予防策を取ることが大切です。実際に水漏れを起こして修理をしても、安心はできません。再発防止のための点検・メンテナンスが必要です。

定期的なメンテナンスによる水漏れ予防法

給湯器の水漏れを予防するには、定期的なメンテナンスが欠かせません。まず、給湯器本体の外観を点検し、破損や腐食がないか確認しましょう。配管の接続部分も注意深くチェックし、水滴や湿りがないかを調べます。また、給湯器内部の清掃も重要です。フィルターや熱交換器に付着した汚れを取り除くことで、効率的な運転を維持できます。

さらに、年に1回は専門業者による点検を受けることをおすすめします。プロの目で細部まで確認してもらうことで、潜在的な問題を早期に発見し、大きなトラブルを防ぐことができます。特に、使用年数が10年を超える給湯器は、部品の劣化が進んでいる可能性が高いため、より慎重な点検が必要です。

これらのメンテナンスを怠ると、突然の水漏れや故障のリスクが高まります。定期的なケアを心がけることで、給湯器の寿命を延ばし、快適な生活を長く維持できるのです。

居住地の地域で受けやすい被害を想定した水漏れ予防法

給湯器の水漏れ対策は、地域によって異なる特徴があります。寒冷地では、冬季の凍結による配管破裂が大きな問題となります。これを防ぐため、保温材で配管を覆ったり、凍結防止ヒーターを設置したりすることが効果的です。一方、温暖地では湿気による腐食が課題となるため、定期的な点検と清掃が重要です。

沿岸部では、塩害による金属部分の劣化に注意が必要です。耐食性の高い機種を選んだり、防錆処理を施したりすることで、長期的な保護が可能になります。また、地震が多い地域では、配管の固定を強化し、揺れによる破損を防ぐことが大切です。

どの地域でも共通して、季節の変わり目には給湯器の点検を行うことをおすすめします。特に、使用頻度が変わる前後は、水漏れのリスクが高まるためです。地域の特性を理解し、適切な対策を講じることで、給湯器の水漏れを効果的に予防できるのです。

給湯器修理後の水漏れの再発予防策

給湯器の水漏れ修理後、再発を防ぐためには長期的な対策が重要です。まず、根本原因の徹底的な調査と適切な対処が不可欠です。水漏れの症状だけでなく、潜在的な問題も見逃さないよう、専門家による詳細な点検を受けましょう。

次に、関連する部品の劣化チェックも忘れずに行います。ひとつの部品が劣化している場合、他の部品も同様の状態にある可能性が高いためです。さらに、定期的なメンテナンスを習慣化することで、給湯器の寿命を延ばし、突然のトラブルを防ぐことができます。

専門業者による年1回の点検を受けることで、目に見えない劣化や不具合を早期に発見し、大きな問題に発展する前に対処できます。こうした対策を講じることで、給湯器を長く安心して使用できるのです。

まとめ

屋内設置型ガス給湯器をバックに、チェックシートを片手にカメラ目線で微笑む女性作業員

給湯器は水抜き栓からポタポタと漏水することもあります。この場合は基本的に修理不要ですが、正常な動作の範囲内を超えていれば点検・修理が必要です。給湯器の本体や配管の故障・破損による水漏れの場合、安全確保や情報収集を行い、速やかに専門業者へ相談しましょう。

修理が不要な水漏れでも、また修理を行っても、水漏れを予防するための点検・メンテナンスは必須です。給湯器の水漏れにお悩みなら、お急ぎ水道屋にご相談ください。プロのスタッフが水回りの急なトラブルに対して24時間365日いつでも対応いたします。

給湯器の水漏れでお悩みなら、お急ぎ水道屋にご相談ください。プロのスタッフが水回りの急なトラブルに対して24時間365日いつでも対応いたします。