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洗濯機の排水口の掃除方法とは?汚れの原因や予防策についても解説

洗濯機の排水口の掃除方法とは?汚れの原因や予防策についても解説

洗濯機の排水口には汚水が流れるので、長時間経過するとだんだん汚れが堆積していきます。放っておくと排水が逆流したり、悪臭が発生したりとさまざまなトラブルの原因となるので、定期的にお手入れすることをおすすめします。

排水口の掃除は必要な道具を揃えれば自宅で手軽に行えるので、ぜひ習慣にしてみましょう。
本記事では洗濯機の排水口の仕組みや、汚れてしまう原因、汚れを放置するリスク、具体的な掃除方法について解説します。

排水口トラブルを防ぐための予防策も紹介しているのでぜひ参考にしてください。

この記事の概要
  • 排水口は糸くずや綿ぼこり、泥汚れ、皮脂汚れ、毛髪、洗剤カスなどによって汚れる
  • 排水口を清掃するときは、各パーツがどこにどのように付けられていたかきちんと覚えておく
  • 排水口は1~2カ月に1回のペースで掃除するのがおすすめ
書いてあること

洗濯機の排水口の仕組みとは?

洗濯機は、洗濯あるいはすすぎが終わった後、排水弁を開いて槽内の水を排出します。排出された水は排水ホースを通って排水口に流れていきますが、排水口のすぐ下にある排水トラップには一定量の水が溜め込まれる仕組みになっています。これは、臭いや虫の侵入を防ぐためです。

ただ、排水トラップはその性質上、S字型やお椀型になっているものが多いため、水だけでなく汚れも溜まりやすい傾向にあります。特に排水トラップは通常、目に付かないところにあるため、現状を把握しにくく、汚れを見過ごされがちです。

汚れが一定以上蓄積されると、詰まりが発生してさまざまなトラブルを起こす原因となるので、洗濯機の排水口は定期的にメンテナンスする必要があります。

洗濯機の排水口が汚れてしまう原因とは?

洗濯機の排水口が汚れる主な原因には以下のようなものがあります。

  1. 糸くず、綿ぼこり
  2. 泥汚れ
  3. 皮脂汚れ
  4. 毛髪
  5. 洗剤カス

なお、これらの汚れは同時に発生するケースが多く、複数の汚れが重なると短期間で排水口に汚れが溜まることもあります。

「洗濯機を買ったばかりだから」「大掃除で清掃したから」などと油断していると、詰まりや悪臭などのトラブルが起こりやすくなるのでこまめなメンテナンスを心掛けましょう。

糸くず、綿ぼこり

糸くずはm衣類やタオルなどから出てくる汚れで、衣類に付着していた綿ぼこりや、生地の繊維がほつれてできた糸くずなどが水と一緒に排水されると、排水口を汚す原因となります。ホコリや糸くずは小さなものですが、水に溶けないぶん、堆積すると大きな塊となって排水口を詰まらせることもあります。

泥汚れ

泥汚れは、衣類に付着した泥による汚れです。泥汚れは水にも油にも溶けない不溶性の汚れなので、一度排水口に付着すると簡単に落とすことができません。特に洗濯機で靴を洗う習慣がある場合は排水口に泥汚れが溜まりやすいので注意が必要です。

皮脂汚れ

皮脂汚れは、人の皮膚から分泌された皮脂が酸化することによって発生する汚れのことです。皮脂汚れはぬめりを帯びているため、放っておくと排水口や排水ホースの内部がどろどろになってしまうおそれがあります。

皮脂汚れ自体が排水口を汚す原因になるのはもちろん、その他の汚れ(糸くずや髪の毛など)を巻き込む性質があるため、詰まりを増長させる原因にもなります。

毛髪

毛髪は、簡単に切れたり溶けたりしないことから、排水口の詰まりの原因になりやすい汚れです。
特に長い髪の毛はお互い絡まり合って大きな汚れになりやすく、排水口を塞ぐ要因になることもあります。

洗剤カス

カスは、洗剤に含まれる石けん分と、水の中に含まれる金属イオンが反応することによってできるカスのことです。洗剤を入れすぎたり、すすぎが不十分だったりすると石けん成分が溶けきれずに残り、洗剤カスとして排水口に流れる原因となります。

洗剤カスは皮脂や毛髪と結合しやすく、ぬめりを帯びた汚れになって排水口を詰まらせることもあるので要注意です。

洗濯機の排水口の汚れを放置すると何が起こる?

洗濯機の排水口を汚れたまま放置すると、以下のようなトラブルが起こるリスクが高くなります。

排水が逆流する

洗濯槽内から排出された水は、排水トラップを経由して下水に流れる仕組みになっています。ところが、汚れによって排水口や排水ホースに詰まりが生じると、スムーズに水が排出されなくなります。

詰まりの度合いがひどい場合は、排出されなかった水が逆流し洗濯機の下にある防水パンが水浸しになりかねません。場合によっては防水パンから水が溢れ出し、床や家財などにダメージを与えてしまうこともあります。

排水エラーが発生する

家庭用洗濯機は、洗濯槽内の水がうまく排出されなかった場合、排水エラーを出す仕組みになっています。排水エラーが出ると稼働がストップしてしまうため、洗濯を正常に終わらせることができません。

すぐにエラーに気付いて対処できればよいですが、例えばタイマーをセットしたまま外出してしまった場合、帰宅するまで洗濯物が水に浸かりっぱなしの状態になってしまいます。

衣類の素材によっては、長時間水にさらすことで生地が傷んでしまう可能性がある他、雑菌が繁殖して生乾き臭が残る原因にもなります。

悪臭が発生する

排水口に溜まった汚れは雑菌のエサとなり、分解される過程で嫌な臭いを発するようになります。通常はトラップに溜まった水がフタの役割を果たし、室内に悪臭が漏れるのを防いでくれますが、汚れが溜まって詰まりが発生するとトラップの水が不足し、臭いが充満する原因となります。

洗濯機の排水口の掃除方法

洗濯機の排水口は、必要な道具と手順を押さえておけば自宅でお手入れできます。

ここでは洗濯機の排水口を掃除する手順を説明します。

掃除道具を用意する

洗濯機の排水口を掃除するときは、以下の道具を準備します。

  • 雑巾
  • 使い古しの歯ブラシ
  • スポンジ
  • ゴム手袋
  • 洗浄剤
  • 風呂用洗剤または台所用中性洗剤

洗浄剤は、手が届かない排水口の奥の汚れや詰まりを解消するために使用します。排水口のパーツはスポンジや使い古しの歯ブラシ、雑巾などを使って水洗いします。

水だけで取れない場合は風呂用洗剤または台所用の中性洗剤を使って落としましょう。

洗濯機の電源を切って蛇口を閉める

排水口を掃除するには、洗濯機から排水ホースを抜いて作業する必要があります。清掃中に誤って洗濯機を稼働させてしまった場合、周囲が水浸しになってしまうおそれがあるので、必ず掃除前に洗濯機の電源を切りましょう。

電源を切っておけば、濡れ手で作業しても感電する危険性がないため、安全に清掃できます。
また、念のために洗濯機の蛇口もしっかり閉めておくと漏水のリスクを防げます。

排水口の各パーツを取り外す

まず洗濯機の排水ホースに付いているホースクリップをつまみながら、ホースを取り外します。ネジ巻き式の場合はドライバーでネジを回すか、あるいは蝶ネジを手で回すと外すことができます。

スナップ式の場合は噛み合わせの部分を横にずらすことでホースを外すことが可能です。

排水ホースを外したら、以下のパーツを素手で取り外していきます。

  • エルボ(排水ホースを防水パンに差し込むためのパーツ)
  • 目皿(網状になったフタ)
  • トラップ筒(排水管からの臭いを抑えるためのパーツ)
  • 泡防止パイプ(排水途中で洗剤が泡立つのを防ぐパーツ)
  • 防臭椀(虫や臭いを防ぐためのパーツ)

排水口の種類によっては上記の他にも外せるパーツがあります。自宅でお手入れできるパーツは素手で外せる仕様になっているので、取り外しが可能なパーツはすべて分解しておきましょう。

なお、清掃後はパーツを元どおりにする必要があるので、どのパーツがどこに、どのように取り付けられていたかきちんと覚えておきます。

排水口に洗浄剤を使用する

パーツを外したら、排水口に専用の洗浄剤を入れます。洗浄剤には粉末タイプや液体タイプなどいろいろな種類がありますが、いずれも排水口に直接投入する点は共通しています。

ただ、薬剤の入れ方や量は製品によって異なるので、事前に用法・用量をよく確認してから正しい方法で使用しましょう。洗浄剤は一定時間が経過した後に水ですすぐ必要があるため、待機している間に外したパーツを清掃します。

各パーツの清掃

取り外した各パーツを、雑巾やスポンジ、使い古しの歯ブラシなどを使って清掃します。なお、ゴミや毛髪などが付着している場合は、あらかじめざっと取り除いておきましょう。大抵の汚れは水洗いで落とせますが、頑固な汚れが付着している場合は洗剤を適量付けて擦り洗いすると効果的です。

汚れを落としたらパーツを水ですすぎ洗いします。

排水口内のすすぎ

洗浄剤の規定時間が経過したら、排水口に水を注いで内部をすすぎ洗いします。すすぎの水の量はバケツ2杯程度が目安とされていますが、一度に大量に注ぎ込むと水が溢れるおそれがあるので、ペットボトルなどを使って少しずつ注ぎ入れるのがおすすめです。

水を注ぐ量や時間は洗浄剤のパッケージなどに記載されている使用方法に従いましょう。

パーツを元の位置に取り付ける

外したときと逆の手順で、各パーツを元の位置に戻していきます。パーツの取り付け方を誤ると、水が溢れてきたり、防臭の役割を果たせなくなったりする可能性があるので、正しい位置にきちんと取り付けることが大切です。

取り付け方を忘れてしまったら、取扱説明書で確認しながら作業します。最後に排水ホースを取り付けたら清掃は完了です。

洗濯機の排水口トラブルを防ぐための方法と予防策

洗濯機の排水口まわりのトラブルを防ぐために、日頃から実践したい予防策を2つご紹介します。

定期的に排水口を清掃する

排水口に汚れが溜まると、悪臭や詰まり、排水エラーといったトラブルの原因となります。排水口が汚れる原因は複数あり、短期間でも汚れが堆積する可能性があるので、できれば月に1回、最低でも2カ月に1回の頻度で清掃することを心掛けましょう。

汚れが溜まっていなくても、定期的に清掃する習慣を付ければ悪臭や詰まりといったトラブルを未然に防ぐことができます。

定期的に排水ホースを交換する

排水ホースは消耗品であり、長く使用し続けていると劣化が進みます。ホースが老朽化するとゴミが詰まりやすくなったり、亀裂が入って水が漏れたりする原因になるので、2~3年を目安に新しいものと交換しましょう。

排水ホースを交換する際は、前述した方法でホースを外した後、逆の手順で新しいものを取り付ければOKです。

排水ホースはメーカーやホームセンターなどから購入できますが、製品によって直径や長さに違いがあるので、取扱説明書をチェックするか、あるいは古いホースを基に適切な製品を選ぶようにしましょう。

洗濯機の排水口に関するよくある質問(FAQ)

洗濯機の排水口について、よくある疑問や質問を3つご紹介します。

洗濯機の排水口が詰まる原因を特定する方法は?

洗濯機の排水口がなぜ詰まっているか、その原因を特定する方法は2つあります。

1つは、洗濯機に付いている糸くずフィルターを確認する方法です。糸くずフィルターとは、その名のとおり、衣類に付いた糸くずをキャッチするフィルターのことで、排水口にゴミが入るのを防ぐ役割があります。

糸くずだけでなく、綿ぼこりや髪の毛、溶け残った洗剤の塊などもキャッチしてくれるので、フィルターの状態を確かめれば何が汚れの原因になっているのかある程度推測することができます。

特に洗剤カスが多く残っている場合は洗剤を入れすぎているか、すすぎの回数が少ない可能性があるので、使用する洗剤の量や水量を調節してみましょう。

また、糸くずフィルター自体が目詰まりを起こしていると、不純物を除去しきれず、詰まりが起こりやすくなるのでフィルターの定期的な清掃も必要です。

糸くずフィルターを見ても原因が分からない場合は、排水ホースや排水口のパーツを外して内部を確認する必要があります。排水ホースや排水口のパーツを取り外せば、実際に何が詰まっていたのか目視で確認することができます。

ただ、排水管の奥に詰まりの原因がある場合は、目で見て確認することができません。また、排水管の奥の詰まりは自力で解消できないこともあります。その場合は無理に自力で何とかしようとせず、業者に点検や修理を依頼することをおすすめします。

自力で解決できないときの見極め方は?

排水口のお手入れをしても詰まりが改善されない場合は、排水管トラブルを起こしている可能性があります。前述のとおり、排水管のトラブルは自力で解決するのが難しいので、プロの業者に対応してもらいましょう。

排水口の汚れや詰まりを防ぐための有効な方法は?

排水口トラブルを防ぐためには、こまめにお手入れすることと、老朽化したパーツを適切なタイミングで交換することです。
また、洗濯機の糸くずフィルターも定期的にメンテナンスすると、排水口や排水ホースに不純物が詰まりにくくなります。

まとめ

洗濯機の排水口に汚れが溜まると、排水の逆流や排水エラーの発生、悪臭などのトラブルに悩まされる原因となります。排水口が汚れる原因は複数あり、短期間でも汚れが溜まってしまうことがあるので、1~2カ月に1回の頻度で清掃をしましょう。

排水口は手近なもので掃除することができますが、パーツの付け外し方を誤ると水漏れなどのトラブルが起こることがあるので要注意です。また、排水管の奥に汚れや詰まりの原因がある場合、自力でメンテナンスするのは難しいので、プロの業者に任せた方がよいでしょう。