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トイレの尿石を掃除する方法とは?厄介な黄ばみの取り方と予防策をご紹介
トイレを長期間使っていると、便器や排水管、トイレ周辺に尿石が付着します。尿石を放っておくと悪臭や詰まり、黄ばみなどの原因となるので、定期的にメンテナンスを行うことが大切です。
尿石はセルフメンテナンスで除去できますが、尿石ができた場所によっては自力で掃除するのが難しいので、業者に依頼も検討しましょう。
本記事では、尿石ができる主な原因や、尿石の取り方、日頃からできる予防策、尿石に関するよくある質問をまとめました。
- 尿石は尿や水に含まれる成分が雑菌の作用で変質したもの
- 尿石はアルカリ性の汚れなので酸性のクエン酸水や尿石除去剤を使えば取り除ける
- 頑固なものや排水管に付着したものは業者に依頼するのがおすすめ
尿石ができる原因
トイレの悪臭や黄ばみなどの原因となる尿石ができる原因を、3つのポイントに分けて解説します。
尿の成分が原因
尿石とは、人の尿に含まれている尿素やたんぱく質が細菌によって変質したものです。具体的なメカニズムとしては、尿素などの成分に対して雑菌が作用し、酵素が発生するというものです。
酵素のはたらきによって尿素がアンモニアに変化すると、pHがアルカリ性に偏り、尿や便器内の水に含まれるカルシウムイオンがリン酸カルシウムなどに変化します。リン酸カルシウムは水や酸などに溶けにくい難溶解性化合物であるため、放っておくとだんだん石のように硬い尿石が形成されます。
尿石は尿が掛かる部分ならどこにでも形成されるため、便器だけでなく排水管やトイレの壁、床などにも付着してしまいかねません。
清掃の頻度とトイレの使い方
尿石は難溶解性化合物が堆積することによって発生するので、こまめに清掃していれば尿石の形成を防ぐことができます。
トイレ掃除の頻度はトイレの使用回数によって異なりますが、一人暮らしなら週に1回、2人暮らしなら週に2回、3人以上の世帯なら2日に1回程度を目安にするのがおすすめです。
仕事や育児、介護などで忙しく、こまめに掃除できないという場合でも、月に1回は念入りにトイレを清掃しましょう。尿石は時間が経過するほど大きく、硬くなる傾向にあり、清掃の間隔が空きすぎると除去が難しくなる場合もあるので要注意です。
また、日頃のトイレの使い方にも気を配る必要があります。尿をあちこちに飛ばしてしまうと、至るところに尿石が発生する原因となるので、トイレをなるべくきれいに使うことを心掛けましょう。
トイレ掃除の方法やトイレの正しい使い方については後述します。
水質が尿石に与える影響
尿石は、尿や水分に含まれるカルシウムイオンが変質したものなので、トイレの水に含まれるカルシウム成分の値が高いほど尿石も付着しやすいと考えられています。
また、地域による水の硬度の違いも尿石に影響を与える要因の一つです。日本の生活用水のほとんどは軟水であるため、カルシウムを含むミネラルの含有量は硬質よりも低い傾向にありますが、地下水を利用している地域では表流水を利用している地域より硬度が高くなりやすい傾向にあります。
水の硬度はカルシウムやマグネシウムの含有量と比例関係にあるため、水の硬度の高い地域は尿石ができやすい環境にあるとされています。
尿石の取り方
尿石が便器に付着した場合、以下の簡易的な方法で取り除くことができます。
酸性の洗剤を尿石に直接かける
酸性洗剤を使用することで、尿石を効果的に除去できます。
酸性洗剤は尿石のアルカリ性を中和し、分解します。
市販の酸性洗剤を用意します。
- 便器内の尿石が付着した部分に酸性洗剤を直接掛ける
- 数分から数時間放置し(製品の指示に従います)、その後トイレブラシでこすり洗い
- 最後に、水を流して尿石が取れているか確認
頑固すぎる尿石の取り方
家庭用の掃除方法では取りきれない頑固な尿石には、以下の方法を試してみてください。
クエン酸+重曹を使用する方法
尿石はアルカリ性の汚れなので、酸性のクエン酸と重曹を使うと効果的に落とせます。
- スプレーボトルに200mlの水を入れ、小さじ1/2のクエン酸を加える。
- クエン酸水を尿石が付着した部分にスプレーする
- クエン酸水スプレーの上に粉末の重曹をまぶします。(重曹とクエン酸が反応して泡が発生)
- 30分ほど放置し、その後ブラシでこする
- 最後に水を流して尿石が取れているか確認
尿石専用洗剤を使用する方法
市販の尿石専用洗剤は、特に頑固な尿石を効果的に除去します。
- 便器の水をできるだけ少なくする
- 尿石が付着した部分に尿石専用洗剤を掛ける
- 数分から数時間放置します(製品の指示に従いましょう)
- トイレブラシでこすり洗う
- 水を流して洗浄剤を洗い流す
尿石専用洗剤を使用する際は、必ずゴム手袋とマスクを着用し、換気を行ってください。
尿石を防ぐための予防策
尿石は日頃の生活に一手間加えるだけで発生を予防することが可能です。尿石をできるだけ作らないようにするためにも、以下のポイントを意識してみましょう。
- 定期的にトイレを掃除する
- 尿石防止剤の使用
- トイレを正しく使う
定期的にトイレを掃除する
尿石は尿が付着してすぐに生成されるわけではなく、雑菌の作用によって酵素が発生し、リン酸カルシウムに変化することによって生成されます。そのため、尿が付着してすぐに掃除すれば、尿石の生成を抑えることが可能です。
前述したトイレの清掃頻度の目安を参考に、こまめにトイレを清掃して尿石が生成されにくい環境を整えましょう。なお、尿石は便器だけでなく、尿が飛び散りやすいフタやタンク、床や壁などにも生成されるので、トイレ周辺をしっかり掃除することが大切です。
尿石防止剤の使用
尿石防止剤とは、尿石の発生を防ぐはたらきを持つ成分を配合した薬剤のことです。タンク上の手洗い場、または男性用の小用トイレの便器内などに置いておくだけで効果を発揮するため、手間を掛けずに尿石の発生を予防できます。また、尿石防止剤にはトイレの悪臭を吸収・除去する作用を持つものも多く、臭い防止にも役立つでしょう。
ただ、尿石防止剤は消耗品なので、約1〜3カ月に1回程度のペースで新品に交換する必要があります。また、尿石の発生を100%防げるわけではないため、定期的な掃除やメンテナンスは必須です。
特に節水トイレなど、洗浄水の水量が少ないトイレに関しては、尿石防止剤の溶解速度が遅くなるため、十分な効果が現れないことがあります。
その場合は尿石除去剤を併用するなどして、然るべきメンテナンスを怠らないことが大切です。
トイレを正しく使う
尿石が頻繁に発生するという場合は、日頃のトイレの使い方に問題がある可能性があります。特に男性がいる家庭で多いのが、立ったまま小用を足すことです。尿は高い位置から落下するほど周囲に飛び散りやすくなるため、便器周辺に尿石ができる要因となります。便座に座って用を足せば、立った状態よりも飛び散りは少なくなるので、尿石の生成を抑えることができます。
また、用を足したら毎回流すことも重要なポイントの一つです。世帯によっては節水のために数回トイレを使った後、まとめて流しているケースもあるようですが、便器内に尿が留まっている時間が長くなればなるほど、尿石が生成されるリスクが高くなります。
尿石が排水管などにこびりつくと詰まりの原因となり、場合によっては修理が必要になることもあるので、無用なトラブルを避けるためにも、用を足したら都度水をしっかり流すようにしましょう。
自力で取れない尿石は業者に依頼
尿石はクエン酸水スプレーや尿石除去剤などを使用すれば落とせますが、長時間放置して頑固にこびりついているものや、排水管内に付着しているものは自力で除去するのは困難です。
しかし、「自分で取れないから」といってそのまま放置していると、悪臭や黄ばみはもちろん、詰まりを引き起こす原因になります。特に詰まりは大がかりな工事が必要になるケースも考えられるため、自力で取り除けない尿石がある場合はそのまま放置せず、業者に清掃を依頼しましょう。
プロの業者は業務用の強力な洗剤を使用し、独自のノウハウを活かして効率よく尿石を取り除いてくれるので、セルフメンテナンスよりも効率的に対処できます。
尿石に関するよくある質問
トイレに発生する尿石について、よくある質問を3つご紹介します。
- 尿石ができやすい理由は?
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何度落としても尿石ができるという場合、洗浄後に尿が流れきっていない可能性があります。特にタンク内に物を入れて水をかさ増しするなどの節水を採り入れているケースでは、便器内を流れる水量が少なく、尿をしっかり流せていない場合が多いようです。
便器内に尿が残ってしまうと雑菌が作用して尿石が発生する原因となるので、過剰な節水は行わない方がよいでしょう。
- 自力で除去できない場合の対策
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尿石を自力で除去できない場合の対策方法は2つあります。1つは前述のとおり、プロの業者に清掃を依頼するパターンです。業者なら強力な洗剤や特殊な清掃用具などを使って念入りにメンテナンスしてくれるため、自力で落とせない尿石も除去することができます。
もう1つの方法は、便器そのものを交換するパターンです。便器そのものが古くなり、表面に傷が付いたり、コーティングが剥がれたりすると、尿の成分が留まって尿石が発生しやすくなる場合があります。
何度清掃しても頑固な尿石が付いてしまうという場合は、思い切って便器そのものの交換を検討してもよいでしょう。なお、近年は尿石が付着しにくくなるトイレも販売されているので、メンテナンスの手間を省きたいのなら機能性の高いトイレへの交換も視野に入れてみましょう。
- 尿石を防ぐための効果的な方法は?
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尿石の発生を防ぐ方法には、こまめな清掃や尿石防止剤の使用の他に、便器をコーティングするという方法もあります。フッ素やシリコン樹脂を原料としたコーティング剤を便器に塗布すると、撥水性や防汚性が向上し、尿石ができにくくなります。
コーティングが剥がれない間は効果が持続するので、なるべく手間を掛けずに尿石を防ぎたいという場合はコーティングを検討してみるとよいでしょう。
まとめ
尿や水に含まれる成分が雑菌の作用で変質すると、尿石と呼ばれる物質が便器やトイレ周辺に付着するようになります。尿石は悪臭や黄ばみの他、放っておくと詰まりの原因にもなるため、こまめに清掃して取り除く必要があります。
それほど強力に付着していない尿石なら、クエン酸水スプレーやメラミンスポンジなどを使えば取り除けるので、定期的にお手入れしてきれいな状態をキープしましょう。それでも除去できない頑固な尿石は、市販の尿石除去剤を使えば取り除きやすくなります。
上記の方法でこまめにメンテナンスを行いつつ、日常生活で定期的な清掃や尿石防止剤の使用を心掛けていれば、尿石の発生を予防できます。
ただ、長期間放っておいた頑固な尿石や、排水管にこびりついた尿石は自力で取り除くのは困難です。セルフメンテナンスで除去できない尿石がある場合は、プロの業者に依頼してお手入れしてもらうことをおすすめします。