トイレのお役立ち情報

トイレの水漏れの原因と自分でできる解消策を解説!簡単な予防法も紹介

トイレからの水漏れ

トイレの水漏れは、水まわりトラブルのなかでも特に注意したい症状の一つです。

スタッフ

水漏れを放っておくと水道費が高くなったり、家を傷めたりする原因になるので、原因を突き止めて早急に対処しましょう。

本記事の要約
  • トイレ水漏れの原因となるパッキンの寿命はおよそ15年程度
  • 部品交換は自力でも可能だが、場所によっては難しいので業者依頼がベストなケースも多い
  • 給排水トラブルや便器・タンクの故障は業者への依頼が必要
書いてあること

トイレが水漏れした時にまずやるべきこと

トイレが水漏れしたときは、迅速に対処することが重要です。以下の手順に従って、適切な対策を講じましょう。

止水栓を閉める

トイレの止水栓

まず最初に行うべきことは、トイレの止水栓を閉めることです。止水栓はトイレタンクの横または後ろにあり、時計回りに回すことで水の供給を停止できます。

止水栓をドライバーで緩めます

これにより、さらなる水漏れを防ぐことができます。

タオルやバケツで水を受け止める

次に、漏れている水をタオルやバケツで受け止めましょう。

タオルやバケツで水を受け止める

床が濡れると水害が拡大する恐れがあるため、迅速に対応することが大切です。また、タオルを敷くことで滑りやすくなる床を防ぎ、安全性を確保できます。

トイレの床に水漏れ発見した場合の対処法はこちら

水漏れの原因を特定する

止水栓を閉めて一時的に水漏れを止めた後、水漏れの原因を特定しましょう。

スタッフ

タンク、配管、便器など、どの部分から水が漏れているのかを確認します。

タンク内のパーツ、パッキン、配管接続部、便器のひび割れなど、考えられる原因を一つずつチェックします。

応急処置を施す

原因が特定できたら、応急処置を施します。例えば、パッキンが劣化している場合は一時的にテープで補強したり、ひび割れがある場合はパテで補修したりします。ただし、これはあくまで一時的な対策であり、根本的な解決には新しい部品への交換や専門業者による修理が必要です。

専門業者に連絡する

応急処置を施しても水漏れが止まらない場合や、原因が特定できない場合は、専門業者に連絡しましょう。

スタッフ

特に、配管の接続不良や便器のひび割れなど、自力での修理が難しいトラブルに対しては、プロの技術が必要です。

早めに業者に依頼することで、被害の拡大を防ぐことができます。

トイレの水漏れは迅速な対応が求められます。止水栓を閉めて水を止め、原因を特定して応急処置を施し、必要に応じて専門業者に依頼することで、被害を最小限に抑えましょう。

トイレ水漏れの主な原因

トイレから水が漏れる原因は大きく分けて4つあります。

  1. タンクの問題
  2. パッキンの劣化
  3. 配管の接続不良
  4. 便器のひび割れ

タンクの問題

トイレタンクの問題

トイレのタンクには便器を洗浄するための水が溜まっているため、タンクにひび割れが発生していたり、各種パーツが劣化・破損していたりすると、水が漏れてくる原因となります。

劣化・破損しやすいタンク内のパーツには以下のようなものがあります。

  • ボールタップ(浮き球の浮力で水栓を開閉する装置)
  • 浮き球
  • ゴムフロート(便器に注ぐ水の量をコントロールする装置)
  • オーバーフロー管(タンク内の水が標準水位を超えないよう調整する管)

これらのパーツは水栓の開閉や水量のコントロールなどに使われるため、劣化・破損すると水漏れの要因になります。また、劣化や破損の他にも、給水管の接続部にあるナットの緩みが水漏れの原因となることもあります。

パッキンの劣化

ゴムパッキンの問題

トイレタンクと止水栓をつないでいる給水管から水漏れが発生している場合、パッキンの劣化が原因かもしれません。タンクと止水栓のつなぎ目にはゴム製のパッキンが付いており、隙間から水が漏れないよう密封する役割を担っています。

しかし、パッキンに使われているゴムは酸化や温度変化の影響を受けると徐々に劣化し、弾力性が失われてひび割れが入ることがあります。ゴムに亀裂が入ると密閉性が低下し、隙間から水が漏れてくる原因となります。

タンクと止水栓の継ぎ目にあるナットを締めても水が漏れてくる場合はパッキンの劣化が疑われるので、新しいものとの交換が必要です。パッキンの寿命は使用状況や環境によって異なりますが、おおむね15年程度といわれています。

配管の接続不良

配管の接続不良

トイレには、タンクに水を供給する給水管と、使用後の水を流すための排水管があります。どちらもナットやボルトを使ってトイレとしっかり接続されていますが、経年劣化による摩耗や地震などの影響でナットやボルトが緩むと、接続不良を引き起こして水漏れが発生することがあります。

スタッフ

ナット・ボルトの緩みは工具を使って締めれば解消されますが、排水管は床下に埋め込まれているため、自力で対処するのは困難です。

また、接続不良の原因が給水管や排水管のゆがみにあった場合、新品と交換が必要になるため、業者に修理・交換を依頼することになります。なお、配管まわりのトラブルを無理に対処しようとすると、水漏れが悪化したり故障がひどくなったりする原因になるので要注意です。

便器のひび割れ

トイレの床が水浸しになるような水漏れが発生している場合、便器自体に亀裂が入っている可能性を疑ってみましょう。便器の素材は陶器または樹脂が用いられていますが、樹脂製便器は陶器製よりも耐久性がやや低いため、長年利用していると人の重みによって亀裂が生じることがあります。

一方、陶器は耐久性に優れているものの、衝撃には弱く、硬いものを落としたりするとひびが入ってしまうことがあります。陶器製の便器については、軽度のひびであれば陶器用の接着剤を使うことで補修可能ですが、ひび割れが大きい場合は、修繕しても再び亀裂が入ってしまう場合は新しいものへの交換が必要です。

また、樹脂製の便器は自力で補修するのは難しいため、こちらも新品交換が基本となります。

トイレ水漏れの解消方法

トイレの水漏れを解消する方法は原因によって異なります。まずは水漏れの原因を突き止め、適切な対処方法を行うようにしましょう。

タンク内の部品交換

トイレタンク内の部品交換

トイレタンクから水が漏れている場合は、ボールタップや浮き球、ゴムフロート、オーバーフロー管といったタンク内のパーツが劣化・破損しているおそれがあります。

まずチェックしたいのはボールタップと浮き球の不具合です。どちらに問題があるのかは、止水栓を閉めてタンク内の水を一度抜いた後、浮き球を持ち上げるだけで確認することが可能です。もし浮き球を持ち上げるだけで水漏れが解消されるのなら、ボールタップに不具合が起こっている証拠となります。

ボールタップを新品に交換するには、タンクの水を抜いた後、手洗い管や補助水管を取り外します。

ボールタップや浮き球

その後、ナットを緩めて給水管とボールタップを外したら、浮き球のネジを緩めてピストンバルブを取り出し、新しいものに付け替えましょう。交換したら、逆の手順でボールタップや給水管、手洗い管や補助水管を取り付け、止水栓を開けて動作確認を行います。

一方、浮き球自体が破損している場合は、ボールタップと浮き球をつないでいるナットを緩めて、
新品と交換します。取り付け終えたら、浮き球のアームを動かして正常に動作するかどうか確認しておきましょう。

以上がボールタップと浮き球の交換手順ですが、ゴムフロートやオーバーフロー管に原因がある場合は、そちらを新品と交換する必要があります。

それぞれの交換手順ですが、タンク内の水を抜いた後、レバーに接続されているチェーンを外します。この段階でオーバーフロー管を取り外せるので、管に原因がある場合は新しいものと交換しましょう。

ゴムフロートが原因の場合はオーバーフロー管を取り外した後、古いゴムフロートを取り外し、新品と交換します。最後に、レバーに接続されたチェーンを調整したら作業完了です。

なお、上記のパーツはホームセンターやインターネット通販などで購入することができます。また、作業にはマイナスドライバーやモンキーレンチ、ラジオペンチなどの工具が必要になります。

パッキンの交換

パッキンは給水管、レバーハンドル、タンクと便器の接続部、止水栓、分岐金具、便器と床の接続部などに取り付けられています。まずはどの部分から水漏れしているのかを確認し、該当部分のパッキンを交換しましょう。

なお、タンクと便器の接続部および便器と床の接続部に取り付けられているパッキンは、タンクや便器を取り外す必要があるため、ご自分で交換するのは困難です。それぞれの接続部から水漏れしている場合は、無理をせず業者に修理を依頼しましょう。

水漏れしている部位ごとのパッキンの交換手順は以下のとおりです。いずれのケースも前提として、止水栓を閉めてタンク内の水を抜いておきます(止水栓のパッキン交換時は元栓を閉める)。

レバーハンドル
  1. レバーハンドルにつながっている鎖を外す
  2. ナットを緩めてハンドルを外す
  3. ハンドル内のパッキンを新品に交換する
止水栓
  1. ウォーターポンププライヤーを使ってナットを外す
  2. 三角パッキンとスピンドルを外し、内部のコマパッキンを新品に交換する(三角パッキンも劣化している場合は同時に交換する)
給水管
  1. タンクと給水栓の間にあるナットを緩める
  2. 接続部に取り付けてある古いパッキンを新品に交換する
分岐水栓
  1. 給水管と分岐水栓の間をつないでいるナットを外す
  2. 古いパッキンを新しいものに交換する

以上が水漏れ箇所ごとのパッキンの交換方法です。パッキンはホームセンターなどで手軽に購入できますが、サイズが複数あるので、必ず事前に交換部のパッキンのサイズを確認してから購入しましょう。

また、パッキン交換自体はそれほど難しくありませんが、作業にはモンキーレンチやマイナスドライバーなどの工具が必要です。特に止水栓の水漏れには、水道管工事などに用いられるウォーターポンププライヤーと呼ばれる工具が必要になるので注意しましょう。

配管の修理と再接続

給水管などの配管から水漏れが起こっている場合、パッキンの劣化かナットの緩みが原因である可能性があります。前述した方法でパッキンを交換するか、各接続部のナットの状態を確認し、緩みがあればレンチで締め直しましょう。

ただ、配管自体にひびが入っている場合は管自体を交換する必要があります。給水管を交換する手順は以下のとおりです。

給水管を交換する流れ
  1. 濡れ防止のために給水管の下にバケツを置く
  2. 止水栓を止め、給水管のナットを上側→下側の順に緩める
  3. 給水管を取り外し、新しいパッキンと給水管に取り替える

なお、排水管は床下に埋まっているので、ご自分で取り替えることはできません。排水管から水が漏れている場合は業者に修理を依頼しましょう。

便器の交換または修理

便器の交換または修理

便器に入った亀裂が原因で水漏れしている場合、軽度なひびならパテで埋めるという方法があります。手順としては、便器内の水をバケツなどで汲み出した後、亀裂の部分に防水パテを埋め込み、乾かします。修理箇所に水が掛かっているとパテが乾燥しないので、亀裂が入っている部分までしっかり水を汲み取っておきましょう。

ただ、この方法はあくまで応急処置であり、パテが剥がれてしまったら再び水漏れが発生する可能性があります。そのため、便器にひびが入ってしまったらなるべく早めに新しいものと交換しましょう。

なお、便器交換には手間と時間が掛かる他、特殊な工具も必要になります。また、手順自体も複雑で、誤った方法で交換するとトイレが壊れたり、水漏れが発生したりする原因となります。

以上の点から、便器交換はDIYせず、プロの業者に任せた方がよいでしょう。

トイレ水漏れの予防策

トイレの水漏れを予防するために日頃から実践しておきたいことを3つご紹介します。

定期的なチェックとメンテナンス

便器の定期的なメンテナンス

パッキンやパーツの劣化、ナットの緩みなどによる水漏れは、定期的なチェックとメンテナンスによって予防できます。トイレ掃除などのついでに各種パーツやナットの状態を確認し、劣化や破損、緩みなどを見つけたら新品への交換やナットの締め直しなどのメンテナンスを行いましょう。

また、便座や便器の裏なども日頃からこまめに点検し、小さなひびが入っていないかどうか確認することも大切です。ひびが小さいうちならパテで埋めれば、水漏れを未然に防ぐことができます。

耐久性のある部品を選ぶ

トイレのパーツは製品によって耐久性に差が出ます。粗悪なパーツを選んでしまうとすぐに劣化・破損して再び水が漏れる原因になることがあるので、パーツは耐久性の高い良質なものを選びましょう。

また、便器を交換する際は樹脂製のものを選ぶか、陶器製のものを選ぶかも重要なポイントです。
耐久性は陶器製の方が上ですが、外部からの衝撃に弱いので、陶器製を選ぶ場合は日頃の使い方に注意が必要です。

トイレの正しい使い方を守る

トイレの使い方に難があると、トイレに余計な負担が掛かり、劣化や破損の原因となる場合があります。普段何気なく行っていることがトイレのパーツや便器の寿命を縮める要因になっているケースもあるので、今一度トイレの使い方を見直してみましょう。

具体的には、トイレを使うときにフタを強く閉めない、レバーを使う際に力を入れすぎないなど。
また、高いところを掃除するときに便器を踏み台代わりにすると亀裂が入る要因になるので要注意です。

それでも直らない場合は業者へ依頼しよう

トイレのパーツ交換やパッキン交換はご自分で行うことも可能ですが、水漏れの原因が分からない場合や、床下の配管などに原因がある場合はセルフメンテナンスを行うことができません。トイレの水漏れは早急に対処しないと水道費がかさむ他、床が水浸しになるなどの被害も拡大するので、ご自分で対処できないと判断した場合は、なるべく早めに業者へ修理を依頼しましょう。

業者によっては即日修理に対応してくれるところもあるので、水漏れの被害が深刻な場合は対応が早い業者を選ぶことをおすすめします。

トイレ水漏れに対するFAQ

トイレの水漏れでよくある質問をまとめました。

トイレ水漏れの原因を特定する方法

トイレの水漏れの原因を特定するには、現状をよく確認する必要があります。例えば、床が濡れている場合は止水栓や給水管、タンク下などに原因がある場合がほとんどです。

一方、タンクの中から水が漏れている音がする場合は、タンク内のパーツが劣化・破損している可能性が高くなります。このように、水漏れの状況をチェックすれば、原因となっている箇所を効率的に絞り込めます。

自力で修理できないときの見極め方

パーツやパッキンの交換程度なら自力で修理することも可能ですが、給排水にトラブルが発生している場合や、便器やタンクそのものが破損している場合は、大がかりな修理や交換が必要になります。

これらの作業には特殊な工具が必要になる他、手順も複雑で時間と手間が掛かるので、知識のない方が行うのは困難です。手順を誤ると新たなトラブルが発生し、さらに被害が拡大するおそれがあるので、無理をせず業者に修理を依頼しましょう。

また、目に見えるパーツを交換しても水漏れが直らない場合や、自力で原因を特定できない場合も業者の力を借りた方が無難です。

トイレの水漏れ予防として有効な製品や方法は?

トイレの水漏れを予防するには定期的な点検・メンテナンスが必要になるので、モンキーレンチやマイナスドライバーといった基本的な工具を常備しておくと安心です。また、便器の亀裂を応急処置するためのパテも持っておくとよいでしょう。

パテには防水粘土用と金属用の2種類があり、前者は初めての人でも扱いやすく、後者は耐久性・強度が高いところが特徴です。

まとめ

トイレ水漏れの主な原因は、タンクの不具合やパッキンの劣化、配管の接続不良、便器のひび割れなどです。これらを原因とする水漏れは、パーツやパッキンの交換、配管の修理と再接続、便器の修理・交換などで解消できますが、中にはご自分で対処するのが難しいケースもあります。

無理に対処しようとすると被害が拡大したり、新たなトラブルが起こったりする原因となるので、ご自分で対処するのが難しいと思ったら、速やかにプロの業者に依頼しましょう。