庭の散水栓は移設できる？工事内容と注意点、使いやすくするコツを紹介

散水栓は庭の手入れに欠かせない設備のひとつですが、設置状況によっては使いにくいと感じることもあります。既設の散水栓が使いにくく、移設しようと考えている方もいるのではないでしょうか。

散水栓の移設は可能ですが、いくつか注意しておきたいポイントがあります。また、使いやすくするために意識したいこともあるため、工事を依頼する前にチェックしておくとよいでしょう。事前に確認しておくことで、工事してから後悔することを防げます。

散散水栓を移設する主なタイミング

散水栓の移設を検討する際は、使いやすさだけでなく、庭全体のデザインや将来的な使用シーンも考慮するとよいでしょう。

庭の散水栓を移設する主なタイミングは2つです。ひとつ目は庭をリフォームする際で、植栽の配置を変更したり、新たな花壇を作ったりするときに、水やりの利便性を考えて散水栓の位置を見直せます。

もうひとつのタイミングは、現在の散水栓が使いにくいと感じたときです。例えば、散水栓が低すぎて腰を曲げなければならず、ガーデニングの際に負担を感じる場合などが挙げられます。散水栓が破損したなどの理由で修理する場合も、移設のグッドタイミングです。

散水栓を移設する工事の流れ

散水栓の移設工事には、既設の散水栓の撤去や配管の処理、新しい水栓の設置、そして掘削箇所の埋め戻しなどのさまざまな工程が含まれます。以下では、それぞれの工程における具体的な工事内容を解説します。各段階での作業内容や注意点を理解することで、移設工事がどのように進むのか理解しやすくなるでしょう。

既設の散水栓を掘り起こす

散水栓を移設する場合は、既設の散水栓を掘り起こして配管を切断する作業が必要です。地面にカッターで切り込みを入れ、コンクリートを削りながら掘削します。

散水ボックスは、この段階で撤去が必要です。移設工事の所要時間は数時間程度ですが、現場の状況によって変動することがあります。具体的な作業内容や作業時間が気になる方は、見積もりを取る段階で業者に相談しましょう。

配管を移設先まで延長・短縮する

新しく散水栓を設置する位置まで、配管を延長・短縮します。延長が必要な場合は新しい配管の接続が、短縮する場合は余分な配管の切断が必要です。

この過程では、水漏れを防ぐため、接続部分を適切に処理しなければなりません。作業中は水道を使用できないため、事前に必要な準備を済ませておきましょう。

新しい水栓を設置して接続する

配管の敷設が完了したら、新しい水栓を設置します。移設先の地面を整えて新しい水栓を固定し、敷設した配管と接続するのが基本の流れです。接続部分は適切に締め付け、水が漏れないようにします。

散水栓を立水栓に変更する場合は、高さや角度にも注意を払いましょう。使いやすさを考慮し、腰をかがめずに使える高さに調整するのがポイントです。

設置が完了したら、水圧や水の出方をチェックし、異常がないか確認します。問題がなければ移設作業は完了です。

掘削した箇所を埋め戻す

新しい水栓の設置と動作確認が完了したら、配管の敷設や水栓の設置で掘削した箇所を埋め戻します。この作業は、庭の景観を元通りにする重要な仕上げ工程です。

まずは配管や水栓の周りに砂を敷き詰めて保護し、掘り出した土を少しずつ戻しながら徐々に固めます。埋め戻しが完了したら、コンクリートを打設して表面を仕上げます。最後に、周囲の地面と同じ高さになるよう調整し、必要に応じて芝生や砂利を敷いて自然な外観に整えれば完成です。

散水栓を移設するときに考えたいこと

散水栓を移設する際には、いくつかの重要な点を考慮する必要があります。ここでは、散水栓移設で検討しておきたい主要な事項を詳しく見ていきましょう。

より使いやすい形に仕上げるためにも、工事を依頼する前にチェックしておくとよいでしょう。立水栓への交換や新設する水栓のデザイン、排水設備の設置について、それぞれの利点や注意点を解説します。

立水栓への交換

地面に埋め込むタイプの散水栓が使いにくいと感じているのであれば、移設の機会に立水栓に交換するとよいでしょう。

立水栓は地面から立ち上がった柱状の水栓で、散水栓よりも使い勝手がよい設備です。立ったままホースの接続や水栓の操作ができるため、使用時の負担が軽減されます。デザインも豊富で、和風や洋風・モダンなど、庭の雰囲気に合わせて選べるのも魅力です。

さらに、地面から離れているため、虫が湧きにくく衛生面でも優れています。立水栓への交換は、庭の使い勝手を大きく向上させるおすすめの選択肢といえるでしょう。

新設する水栓のデザイン

新設する水栓のデザインは、庭の雰囲気を大きく左右する重要な要素です。外構にこだわりを持つ方なら、水栓を単なる機能的なアイテムではなく、庭の装飾として考えるとよいでしょう。

例えば、和風の庭には竹や石をモチーフにしたデザイン、モダンな庭にはシンプルでスタイリッシュな金属製の水栓が調和します。色彩も重要で、周囲の植栽や建物の外壁と合わせるのがおすすめです。

また、蛇口の形状や水受けの素材など、細部にまでこだわることで、より洗練された印象に仕上がります。水栓のデザインは、庭全体の魅力を高める要素のひとつです。

排水設備の設置

既存の排水設備がない場合、散水栓の移設に合わせて新設しましょう。なぜなら、適切な排水設備がないと、使用後の水がたまり、雑草の繁茂や虫の発生、悪臭の原因になる可能性があるためです。

立水栓の下に専用の排水桝を設置し、下水道管を接続するのが基本です。配管の勾配などを考え、効率的に排水できるように設計する必要があります。適切に排水設備を設置することは、庭の美観と機能性を維持する上で欠かせません。

散水栓を移設・交換するときの注意点

実際に散水栓の移設・交換する際には、いくつか注意しておきたい重要なポイントがあります。ここでは特に重要なポイントとして、適切な設置場所の選定・法令順守・定期的なメンテナンスの必要性の3つを見ていきましょう。上記の点に注意を払うことで、使い勝手がよい散水設備に仕上げられます。

適切な設置場所を選ぶ

散水栓や立水栓の設置場所は、使い勝手を左右する重要なポイントです。定期的な水やりが必要な植栽の近くに設置すれば、ホースの取り回しが楽になります。また、家の出入り口や通路から近すぎると邪魔になるため、適切な位置に設置することが大切です。

地面の高低差にも注意し、水はけがよい場所を選ぶと水たまりができにくくなります。さらに、冬場の凍結対策として、日当たりが良好な場所や軒下を選ぶのも一案です。

庭のデザインとの調和も考慮しましょう。目立たせたくない場合は、植栽や他の設備で隠せる場所を選びます。デザイン性の高い立水栓なら、庭のアクセントとして目立つ場所に設置してもよいでしょう。

最後に、将来的な庭の変更も視野に入れて位置を決めることをおすすめします。柔軟性を持たせることで、後々の手間を省けるでしょう。

DIYでの交換は条例違反のリスクがある

散水栓を自分で移設すると法律や条例に違反するリスクがあります。水道法に基づいて各自治体で定めた条例では、給水装置の新設・改造・修繕には国家資格が必要で、水道局指定の給水装置工事事業者しか行えないと定められているのが通常です。

条例違反の工事を施工すると、給水停止や5万円以下の過料の対象となる可能性があります。上記のような事態を避けるためにも、散水栓の移設は必ず資格を持った業者に依頼しましょう。費用は多少かかりますが適切な工事に期待でき、工事後の保証も受けられます。

移設・交換後は定期的にメンテナンスする必要がある

散水栓や立水栓の移設・交換後は、定期的なメンテナンスが欠かせません。屋外に設置されているため、風雨や紫外線・温度変化の影響を受けて劣化が進みやすいためです。

特に注意したいのは、パッキンやシールテープの劣化による水漏れです。これらは比較的簡単に自分で交換できますが、放置すると建物に悪影響を及ぼすこともあります。水漏れが発生したときは、止水栓を閉めてからパッキンを交換しましょう。シールテープの劣化による水漏れは、テープの巻き直しで解消できます。

また、配管からの水漏れが発生するケースもあるため注意が必要です。応急処置として水漏れ補修テープを使用できますが、根本的な解決には業者に依頼して修理することが必要です。定期的な点検を心がけ、異常を早期発見することで、大がかりな修理に発展することや建物のトラブルにつながることを防げます。

散水栓を移設する際の費用相場

散水栓の移設にかかる費用は、一般的に2万円～5万円程度が目安といえます。ただし、この金額は現場の状況によって大きく変動するため注意が必要です。例えば、配管を延長する距離が長い場合や、ハイグレードの水栓を設置する場合は高額になりやすいでしょう。

工事費が気になるときは、見積もりを取るときに細かく相談することをおすすめします。また、複数の業者から見積もりを取ることで、より適正な金額で依頼できる可能性が高まります。ただし、業者選びにおいては価格だけでなく、技術や実績・評判も考慮することが重要です。

散水栓の移設工事を依頼する業者を選ぶときのチェックポイント

散水栓の移設工事を成功させるには、信頼できる業者を選ぶことが欠かせません。信頼できる業者に依頼することで、安全かつ正確な工事が実現します。

ここでは、散水栓移設工事の業者を選ぶ際のチェックポイントを詳しく見ていきましょう。これらの基準を参考にして確かな技術と実績を持つ業者を探すことで、満足度の高い移設工事に期待できるでしょう。

指定給水装置工事事業者であるか

散水栓の移設工事を依頼する業者を選ぶ際には、指定給水装置工事事業者であるかどうかを確認しましょう。これは水道法に基づく制度であり、安全な水道工事ができることを担保するものです。

指定を受けるには給水装置工事主任技術者の配置や必要な機械器具の所有など、厳格な基準を満たしている必要があります。そのため、工事を依頼する際は、水道局のWebサイトで依頼したい業者が指定を受けているか確認しましょう。

これまでの実績や経験が十分か

依頼したい業者が十分な実績や経験を有しているかも、忘れずに確認しましょう。なぜなら、豊富な経験は高品質な施工と効率的な作業につながるためです。

業者のWebサイトなどを確認し、過去の施工例や顧客の声を参考にしましょう。対応の丁寧さや説明の分かりやすさも、スムーズな工事進行の鍵です。信頼できる業者は、見積もりの段階から詳細に説明し、疑問に丁寧に答えてくれるでしょう。

上記のポイントを考慮して実績や経験・専門性・対応の質を総合的に判断することで、安心して工事を任せられる業者を見つけられます。

まとめ

散水栓が使いにくいと感じたときは、移設や交換を検討できます。なぜ散水栓を移設したいのかを明確にし、信頼できる業者に依頼することで満足できる仕上がりに期待できるでしょう。

移設方法や手順・費用の目安・業者の選び方を事前に学び、専門業者に相談しながら移設を進めましょう。散水栓の移設を検討していて業者選びで迷っている方は、ぜひ「お急ぎ水道屋」にご相談ください。「お急ぎ水道屋」では、十分な技術を有しているスタッフがハイクオリティな移設工事を実施します。