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トイレの排水管の問題と対処法を解説
トイレの排水管は、汚水を公共下水道に流す役割を果たす重要な設備です。しかし、排水管は消耗品なので、長年使用していると詰まりや破損などのトラブルが起こる可能性があります。
排水管にトラブルが発生すると悪臭や漏れなどの原因となるので、何らかの問題が生じたら早急に対処する必要があるでしょう。
本記事ではトイレの排水管に起こりやすい主な問題と、詰まりや破損、漏れに対処する方法、排水管の劣化を防ぐ方法などについて解説します。
- 排水管の詰まりは軽度なら自力で解決することが可能
- 排水管の補修や交換は自力では難しいため、プロの業者への依頼がおすすめ
- 業者を選ぶときは相場のチェックや正式な見積もりを忘れずに
トイレの排水管の主な問題
トイレの排水管に生じる主な問題は3つあります。
排水管の詰まり
家庭の配管システムには、給水管と排水管の2種類があります。給水管は水を蛇口まで送るために常に圧力がかかっているので、詰まることはほとんどありません。
一方、排水管は水圧を利用せず、配管の傾斜を利用して水を排出するため、汚水の流れが滞ると水圧で解決できず、詰まりやすくなります。
排水管には独特の構造があり、これが詰まりの原因になることがあります。逆流や悪臭、虫の侵入を防ぐために曲がりくねっていて、さらにトラップという水をためる部分があるので、水が一気に流れにくくなっています。
このような構造が、排水管の詰まりを引き起こしやすくしているのです。排水管が詰まってしまうと、汚水が逆流して室内が水浸しになったり、悪臭が発生したりと、日常生活に様々な支障をきたす可能性があります。
排水管の破損や漏れ
排水管には様々な素材が使われています。鉄管や鉛管などの金属製のものから、近年主流になっている硬質ポリ塩化ビニル製のものまでさまざまです。
硬質ポリ塩化ビニル製の排水管は、水の流れがよく腐食にも強いという特徴があります。しかし、地震などで強い衝撃を受けると、亀裂が入ったり破損したりする可能性も否めません。
また、水に溶けない異物が排水管に入り込むと、破損の原因になることがあります。異物が詰まった状態で汚水が流れると、排水管に衝撃が加わります。この衝撃が蓄積されると、ヒビが入ってしまうかもしれません。
排水管に大きな亀裂や破損が生じると、そこから汚水が漏れ出す可能性があります。漏れた汚水によって床材が腐食したり、室内に悪臭が充満したりするなど、深刻な問題につながることがあります。
排水管の劣化
排水管は丈夫な素材で作られていますが、長年使っているとだんだん劣化し、破損や詰まりなどのトラブルが生じやすくなります。排水管の寿命は素材や使用環境などによって異なりますが、おおむね20~40年程度とされています。
排水管が劣化した場合は新しいものとの交換が必要になるため、業者に依頼することになるでしょう。
トイレの排水管の詰まりを解消する方法
トイレの排水管が詰まった場合の対処法を3つご紹介します。
ラバーカップの使用
持ち手にお椀型のゴムパーツが付いているラバーカップを使用する方法です。ラバーカップを使用すると、排水管に詰まった水や異物を強力に吸い上げることができます。
具体的な手順は以下のとおりです。
- 便器周辺をビニールなどで養生し、ゴム手袋を着用する
- カップ部分が浸かるくらいまで便器内の水を調節する
- カップを排水口に当て、ゆっくりと押し込んでいく
- 限界まで押し込んだら、勢いよく引っ張る
2では、便器内の水が足りなかったら継ぎ足し、水が多い場合は給水ポンプなどを使って汲み出しましょう。一度で詰まりが取れない場合は、3~4の作業を何度か繰り返します。
ただし、この方法が有効なのは水に溶けるものが詰まった場合だけです。水に溶けない異物が詰まっている場合は効果がないので注意しましょう。
排水管クリーナーの利用
排水管の掃除専用のクリーナーを使用する方法です。詰まりの原因となっているものの種類に応じて適切なクリーナーを使用すれば、異物を効率的に溶かすことができます。
例えば、尿石が原因なら酸性のクリーナー、トイレットペーパーや排泄物が原因ならバイオ型のクリーナー、嘔吐物や残飯が原因ならアルカリ性のクリーナーがそれぞれ有効です。
クリーナーを使用する手順は以下のとおりです。
- 便器内の水を給油ポンプなどで抜く
- 適量のクリーナーを排水口に注ぐ
- 適量のお湯(40~50度)を注ぐ
- 規定の時間だけ放置し、バケツなどで水を注いで詰まりが解消されたか確認する
クリーナーの使い方は製品によって異なる場合があるので、パッケージなどに記載されている用法・用量をよく確認してから、適切な手順で使用しましょう。
クリーナーの選び方や使用手順を誤らなければ、より手軽に、かつ効率的に詰まりを取り除くことができますが、クリーナーに溶けない、あるいは柔らかくならない異物(おむつや生理用ナプキン、スマートフォンなど)が詰まっている場合は対処できないので要注意です。
ワイヤー式クリーナーの使用
ワイヤーの先端にブラシが付いているクリーナーを使用する方法です。トイレの排水管は曲がりくねっているので普通のブラシでは奥まで届きませんが、柔軟性があるワイヤーを使ったクリーナーなら奥の方まで手入れすることができます。
ワイヤー式クリーナーの使用手順は以下のとおりです。
- トイレの周辺にビニールや新聞紙を敷いて養生する
- ワイヤー式クリーナーの先端を排水口に差し込み、ゆっくりと奥に進める
- 途中で動きが止まったら、クリーナーを回したり、上下に動かしたりしてさらに奥に進める
- 限界まで進めたら、クリーナーをゆっくり引き出し、バケツなどで水を注いで問題なく流れるかどうか確認する
なお、家庭用のワイヤー付きクリーナーを選ぶときは、排水管に差し込める太さかどうか、十分な長さがあるか、などをチェックするのがポイントです。長さについては、できるだけ長めのものを選ぶと排水管の奥まで差し込めるため、広範囲の詰まりを解消できます。
トイレの排水管の破損や漏れを修理する方法
トイレの排水管が破損していて、漏れが発生している場合は、パイプシーラントを使用するか、あるいは破損部分を交換することになります。
ここではそれぞれの方法を詳しく解説します。
パイプシーラントを使った解決
パイプシーラントとは、配管の亀裂や隙間を埋めるために用いる補修材のことです。シーラントにはテープとパテの2種類があり、それぞれ使用方法が異なります。
- 亀裂・破損した箇所の周辺を清掃する
- 適当な長さにカットしたテープを破損箇所に巻き付ける
破損箇所の周辺を掃除するのは、汚れが付着しているとテープの粘着力が低下するためです。錆などが浮いていたらクリーナーなどを使用し、テープを巻き付ける場所はできるだけきれいな状態に保ちましょう。
また、テープを巻き付けるときはシワや隙間ができないよう、ぴったりと密着させるのがポイントです。巻き方が甘いと隙間から汚水が漏れてしまう可能性があるので、慎重に作業しましょう。
テープタイプのシーラントは手軽に扱えるところが特徴ですが、後述するパテに比べると耐久性が低いため、亀裂や破損が大きくて勢いよく水が出ている場合には不向きです。より強度を高めたい場合は、パテを使った補修を行います。
- 亀裂・破損した箇所の周辺を掃除する
- 必要量のパテを練り込む
- パテを破損箇所に塗り、十分に乾燥させる
パテはムラなく、適度な厚みで塗るのがポイントですが、時間の経過とともに凝固してしまうため、手早く作業する必要があります。途中で乾燥してしまい、パテにムラができてしまった場合、十分な防水効果を発揮できないこともあるので注意しましょう。
なお、パテで補修した後、上からテープを貼って補修する方法もあります。ただし、トイレの排水管は床下に埋め込まれているので、パイプシーラントを使って補修するには便器を外さなければなりません。
かなり大がかりな作業になる上、手順ややり方を誤るとトイレを壊したり、排水管の被害が拡大したりする原因となるので、シーラントを使った補修は業者に任せた方が無難です。
破損部分の交換
排水管の亀裂や破損が大きい場合は補修ではなく管ごと交換する必要があります。トイレの排水管を交換するには、トイレ本体を取り外すだけでなく、床を剥がしたり、土間を破壊したりして古い排水管を撤去する作業が必要になります。
さらに、配管する際は排水管の勾配を正確に計ったり、周辺を砂利やモルタルで埋めて配管をしっかり固定したりする作業も不可欠です。
また、排水管の作業を行うには下水道排水設備工事責任技術者の資格が必要になります。無資格で交換作業を行った場合、罰則や罰金の対象になる可能性がある他、施工不良で不具合が発生する原因にもなるので、排水管の交換が必要な場合は業者に依頼しましょう。
トイレの排水管の劣化を予防する方法
トイレの排水管の劣化を完全に食い止めることはできませんが、以下の方法を実践すれば劣化のスピードを抑えられます。
定期的な点検と清掃
トイレの点検や清掃を怠ると、尿石や汚れが排水管に溜まり、劣化を早める原因となります。そのため、トイレの点検や清掃は定期的に行い、常にきれいな状態を保つようにしましょう。
トイレの清掃頻度は世帯人数によって異なりますが、便器の清掃は毎日(最低でも週1回)、タンクやノズルは1カ月に1回(最低でも3カ月に1回)の頻度でお手入れするのがおすすめです。
また、詰まりなどの症状がなくても、専用のクリーナーを利用してメンテナンスしておくと、汚れや詰まりを未然に防ぐことができます。
トイレの排水管は床下に埋もれており、見た目で劣化しているかどうか判断することができません。そのため、早い段階から排水管のメンテナンスを習慣にした方がよいでしょう。
水の質を保つ方法
トイレの排水の質を保つには、排泄物やトイレットペーパー以外の異物を流さないことが重要なポイントになります。水に溶けないものや残飯などを流すと、排出する水の質が悪くなり、汚れや詰まりが起こりやすくなるので要注意です。
また、清掃時にトイレ用以外の洗剤(台所用の中性洗剤は可)を使用するのも控えた方が無難です。
トイレの排水管の問題が発生した場合の対応方法
排水管の軽度な詰まりなら、ラバーカップや排水管クリーナーなどを使用することで対処可能です。しかし、トイレの排水管に破損や亀裂が生じていたり、劣化が進んだりしている場合は、補修や交換が必要になります。
前述のとおり、トイレの排水管は床下に埋まっているため、自力で補修・交換することは困難です。
そのため、トイレの排水管に軽度の詰まり以外のトラブルが起こった場合は、業者に依頼して対処してもらうのが基本となります。
専門業者への依頼のポイント
排水管トラブルの解決を専門業者に依頼する際に押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- 相場をチェックする
- トラブルの状況をきちんと伝える
- 正式な見積もりを作ってもらう
トイレの排水管修理の費用は原因や状況、業者によって異なりますが、相場よりも著しく料金が高い、あるいは安い業者は悪徳業者である可能性があるので、控えた方が無難です。あらかじめ修理費用の相場を知っておけば、悪質な業者に引っかかるリスクを低減することができます。
また、見積もりは電話やメールではなく、正式に書面として作成してもらいましょう。口頭のみの見積もりでは、後から請求額が変わったり、法外な追加料金を請求されたりするおそれがあるので注意が必要です。
なお、見積もりを作成する際は、いつ・どのような症状が発生しているのかなど、トラブルの状況をなるべく正確に伝えることが大切です。
トイレの排水管に関するよくある質問(FAQ)
トイレの排水管について、よくある質問を3つまとめました。
トイレの排水管の詰まりを防ぐ方法は?
トイレの排水管の詰まりは、主に以下の原因によって発生します。
- トイレットペーパーの使いすぎ
- 異物の投棄
- 尿石の堆積
特に多いのはトイレットペーパーの使いすぎで、一度に大量の紙を流すと排水管がつまる原因になります。
また、水に溶けないものを流したり、尿石が溜まったりするのもつまりの原因となるので、トイレに余計なものを持ち込まない、定期的に尿石を除去するなどの工夫を採り入れましょう。
トイレの排水管の劣化を予防するためのメンテナンス方法は?
トイレの排水管の劣化を予防するためには、排水管クリーナーや尿石除去剤などのアイテムを使うと便利です。日頃の清掃を習慣にしつつ、これらのアイテムを定期的に使えば、劣化や詰まりの原因となる汚れ・尿石の発生を予防できます。
特に尿石除去剤は手洗い場や便器などに設置しておけるものもあるので、上手に活用しましょう。
トイレの排水管の修理費用はどれくらいかかりますか?
トイレの排水管の修理費用はトラブル内容によって異なります。
排水管の詰まりなら8,000円~1万5,000円程度が相場です。ただ、高圧洗浄機などの特殊な道具を使った場合は1万5,000円~3万0,000円くらいかかることもあります。
一方、排水管を交換する場合は、最低でも2万円以上、場合によっては10万円以上の料金がかかることもあります。
正確な費用が知りたい場合はトラブルの内容を伝えた上で、見積もりを作成してもらうとよいでしょう。
まとめ
トイレの排水管は、長年使っていると詰まりや破損による漏れ、劣化といったトラブルが起こりやすくなります。放っておくと汚水の漏れや床材の腐食、悪臭などの原因になるので、原因に応じた対処を行いましょう。詰まりならラバーカップや排水管クリーナー、ワイヤー式クリーナーなどを使えば解消できる場合があります。
一方、排水管の破損や劣化に関しては補修や交換が必要になるため、自力で解決することができません。また、詰まりであっても水に溶けない異物が原因の場合はご自分で対処するのは難しいので、業者に依頼して対処してもらいましょう。
業者に依頼する際は修理費用のおおよその相場をチェックした上で、きちんと見積もりを作ってもらうことと、トラブル状況を正確に伝えることが重要なポイントになります。
トイレの排水管のトラブルなら、お急ぎ水道屋にご相談ください。プロのスタッフが水回りの急なトラブルに対して24時間365日いつでも対応いたします。