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【エアコンファン カビ】危険性と徹底掃除!自分で?業者?安全な対策法

エアコンをつけたときに、なんだかカビ臭い、送風口を覗いたら黒いツブツブがたくさん見える…そんな経験はありませんか?その黒いツブツブの正体は、ほとんどの場合エアコンのファンにびっしりとこびりついたカビです。エアコンのファン、特にシロッコファンと呼ばれる部分は、カビにとって非常に繁殖しやすい環境。放置しておくと、健康被害やエアコンの性能低下など、様々な問題を引き起こします。

この記事では、エアコンファンにカビが発生する原因から、放置した場合の危険性、自分でできる掃除方法と限界、そしてプロの業者に依頼する場合のメリット・デメリットまで、エアコンファンのカビに関するあらゆる疑問にお答えします。安全かつ効果的にカビを除去し、快適な空気を取り戻すための情報を分かりやすく解説します。

目次

エアコンファンにカビが生える原因とは?

エアコンの内部は、カビにとって非常に好条件が揃っている場所です。特に送風口の奥にあるファン(シロッコファン)は、カビの温床になりやすい場所として知られています。では、なぜエアコンファンはこれほどまでにカビだらけになってしまうのでしょうか。

なぜエアコンファン(シロッコファン)はカビだらけになるのか

エアコンは、室内の空気を吸い込み、熱交換器(フィン)を通して温度や湿度を調整し、ファンを使って室内に送り出す仕組みです。この過程で、エアコン内部には様々なものが吸い込まれます。空気中のホコリ、花粉、ダニの死骸、そしてもちろんカビの胞子も含まれます。

特に冷房運転時や除湿運転時は、熱交換器が冷たくなり、空気中の水分が結露として発生します。この結露水がエアコン内部を湿らせ、カビの胞子が水分を得て発芽・成長しやすい環境を作り出します。

ファン、特にシロッコファンは、羽根が何枚も重なった円筒状の形状をしています。この複雑な形状のため、吸い込んだホコリや汚れが羽根の隙間に溜まりやすく、そこに結露水が付着することで、カビが増殖するための「栄養」と「水分」が豊富に供給されます。さらに、エアコン内部は運転中には温度が下がり、停止後には室温に戻るため、温度変化もカビの生育に適した状態を作り出しやすくなります。このように、エアコンファンは「汚れ(栄養)」、「水分(湿度)」、「適切な温度」というカビの生育条件が満たされやすいため、カビがびっしりと発生しやすい場所なのです。

カビの成長に必要な条件(湿度、温度、栄養)

カビが繁殖するためには、主に以下の3つの条件が必要です。

  • 湿度: 湿度が70%を超えるとカビは活発に活動し始め、80%を超えると爆発的に増殖します。エアコン内部は、冷房や除湿によって常に結露が発生し、湿度が高くなるため、カビにとって理想的な環境です。特にドレンパン(結露水を受け止める受け皿)やその周辺、そしてファンは常に湿った状態になりやすい場所です。
  • 温度: 多くの種類のカビは、20℃~30℃の温度帯で最も活発に成長します。これは、夏のエアコン使用時の室温やエアコン内部の温度とほぼ一致します。エアコン停止後、室温に戻る際にこの温度帯を通過する時間も長く、カビにとっては絶好の繁殖タイムとなります。
  • 栄養: カビは有機物を栄養源として成長します。エアコン内部には、空気中から吸い込まれるホコリ、チリ、タバコのヤニ、ペットの毛、さらには人間の皮脂や食べ物のカスなど、様々な有機物が溜まります。これらの汚れがカビにとっての豊富な栄養源となり、増殖を加速させます。特にファンの羽根に付着したホコリやヤニは、そのままカビの餌となります。

これらの条件が揃うことで、エアコン内部、特に空気の通り道であるファンには、あっという間にカビが繁殖してしまいます。見た目の問題だけでなく、これらのカビは様々な危険性を秘めています。

エアコンファンのカビを放置する危険性

エアコンファンのカビは、単に見た目が悪いというだけではありません。放置しておくと、私たちの健康やエアコン自体の性能に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。

カビが撒き散らす健康への影響

エアコンのファンに発生したカビは、運転するたびにその胞子や微細なカビの破片を室内にまき散らします。これらのカビの微粒子を吸い込むことで、様々な健康被害が発生するリスクが高まります。

  • アレルギー症状: カビの胞子は主要なアレルゲンの一つです。吸い込むことで、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといったアレルギー性鼻炎の症状が悪化したり、目のかゆみや充血などのアレルギー性結膜炎を引き起こしたりすることがあります。アトピー性皮膚炎の方の場合、症状が悪化することも報告されています。
  • 呼吸器系の疾患: カビの胞子は非常に小さいため、気管支や肺の奥まで到達することがあります。健康な人でも咳や喉の痛みを引き起こすことがありますが、特に喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった既存の呼吸器疾患を持つ方は、症状が重篤化する可能性があります。また、過敏性肺炎という、カビなどの抗原を繰り返し吸入することで肺に炎症が起こる病気を発症するリスクも指摘されています。
  • 感染症: 免疫力が低下している高齢者や乳幼児、病気などで免疫抑制剤を使用している方などは、カビが原因で肺炎やその他の感染症を引き起こす可能性もゼロではありません。特に注意が必要なのは、アスペルギルス症などの真菌感染症です。
  • シックハウス症候群: 室内にカビの胞子が高濃度で蔓延すると、シックハウス症候群の一因となることも考えられます。頭痛、倦怠感、めまいなどの原因不明の体調不良に繋がる可能性もあります。

このように、エアコンファンのカビを放置することは、室内の空気を汚染し、知らず知らずのうちに家族の健康を脅かす行為と言えます。特に小さなお子さんや高齢者、アレルギー体質の方がいるご家庭では、エアコン内部のカビ対策は非常に重要です。

エアコンの効きが悪くなる、故障の原因に

カビやホコリがエアコンファンにびっしりと付着すると、空気の流れが阻害されます。これはエアコンの性能に直接的な影響を与えます。

  • 風量低下: ファンの羽根に汚れが溜まると、空気を効率よく送り出すことができなくなり、設定温度になかなか到達しない、部屋全体が冷えない(温まらない)といった問題が発生します。
  • 消費電力の増加: 設定温度にするためにエアコンがより多くのパワーを必要とするため、消費電力が増加し、電気代が高くなる可能性があります。
  • 異臭の発生: カビ自体が発生させる不快な臭い(カビ臭、雑巾のような臭い)が部屋中に広がり、快適な空間が損なわれます。
  • 水漏れ: 熱交換器に付着したホコリやカビが排水経路(ドレンパンやドレンホース)を詰まらせると、結露水がうまく排出されずに、エアコン本体から水漏れを起こす原因になります。水漏れは、壁や床の損傷、さらなるカビの発生、そして漏電による火災のリスクにも繋がります。
  • 部品の劣化・故障: カビや汚れが長期間付着していると、部品そのものが劣化したり、モーターに負荷がかかったりして、エアコンの寿命を縮めたり故障の原因になったりする可能性があります。

エアコンファンのカビは、見た目だけでなく、健康、快適性、経済性、さらには安全性の面からも、早急に対処すべき問題です。

エアコンファンのカビ掃除、自分でできる?業者に依頼する?

エアコンファンのカビ掃除を考えたとき、まず頭に浮かぶのは「自分でやるべきか、それともプロの業者に頼むべきか」という選択肢でしょう。それぞれにメリットとデメリットがあり、エアコンの状態やご自身のスキル、かけられる時間などを考慮して判断する必要があります。

自分で掃除する場合の限界とリスク

自分でエアコンファンを掃除する最大のメリットは、費用を抑えられることです。市販のエアコン洗浄スプレーなどを活用すれば、数千円程度で挑戦できます。また、自分の好きなタイミングで作業できる手軽さもあります。

しかし、自分でできるエアコン掃除には明確な限界があります。

  • 徹底的な除去は難しい: エアコンファンは本体の奥に位置しており、完全に分解しない限り、ファンの隅々まで徹底的に洗浄するのは非常に困難です。表面的なカビや汚れは取れても、根深いカビや内部の汚れは残ってしまうことが多いです。
  • 見えない部分のカビ: ファンだけでなく、その奥にある熱交換器(フィン)や、結露水を受け止めるドレンパンにもカビは発生します。これらの場所も、自分で完全に掃除するのは難しいです。
  • 故障のリスク: エアコンは精密機器です。誤った方法で掃除したり、無理に分解しようとしたりすると、部品を破損させたり、内部の電気系統に水分が入り込んで故障させたりするリスクがあります。特にファンを回転させるモーター部分への水の浸入は致命的です。
  • 感電のリスク: 電源プラグを抜かずに作業すると、感電の危険性があります。
  • 洗剤の残留: 市販のエアコン洗浄スプレーには洗剤成分が含まれています。すすぎが不十分だと、洗剤が内部に残ってカビの栄養源になったり、再び異臭の原因になったりする可能性があります。
  • 健康への影響: 掃除中にカビの胞子を大量に吸い込んでしまう危険性もあります。マスクやゴーグルなどの保護具なしでの作業は危険です。

したがって、自分でできる掃除は、あくまで表面的な、または初期のカビに対する応急処置と考えた方が良いでしょう。長期間カビを放置してしまった場合や、内部まで徹底的に綺麗にしたい場合は、プロへの依頼を検討する必要があります。

業者に依頼するメリット・デメリット

エアコンクリーニング業者に依頼する最大のメリットは、エアコンを分解し、専門的な技術と機材を使って内部のカビや汚れを徹底的に除去してもらえることです。

業者に依頼するメリット

  • 徹底的な洗浄
  • 専門知識と技術
  • 専用の洗剤と高圧洗浄
  • 消臭・防カビ効果
  • 時間の節約
  • 保証

業者に依頼するデメリット

  • 費用がかかる
  • 予約が必要
  • 立ち会いが必要

自分で掃除 vs 業者に依頼 比較表

項目 自分で掃除する場合 業者に依頼する場合
費用 安い(数千円程度) 高い(1万円~2万円程度/台)
洗浄範囲 表面的な部分、見える範囲の簡易洗浄 分解して内部まで徹底洗浄(ファン、熱交換器、ドレンパンなど)
洗浄レベル 限定的、カビの根まで除去は困難 専門洗剤・高圧洗浄で頑固なカビも除去
安全性 故障、感電、洗剤残留、カビ吸入のリスクあり プロが作業するため安全性が高い、保険加入あり
時間・労力 かかる、手間がかかる 任せられる、時間の節約になる
仕上がり 応急処置レベル、効果は一時的になりやすい 見違えるほど綺麗に、効果が持続しやすい
予約 不要 必要、繁忙期は取りにくい

エアコンファンのカビがひどい場合、長期間掃除していない場合、自分でやるのが不安な場合、徹底的に綺麗にしたい場合は、迷わず業者に依頼することをおすすめします。軽い汚れや、カビが初期段階で見られる場合は、自分で簡易的な掃除を試してみるのも良いでしょう。ただし、その場合も正しい手順と注意点を守ることが重要です。

エアコンファンのカビを自分で掃除する方法

自分でエアコンファンのカビ掃除を行う場合は、リスクを理解し、正しい方法で慎重に行うことが不可欠です。ここでは、比較的安全にできる簡易的な掃除方法と、その際の注意点について解説します。

自分で掃除する前の準備と注意点

掃除を始める前に、必ず以下の準備と注意点を守ってください。安全に作業するために最も重要なステップです。

  1. 必ずエアコンの電源プラグを抜く!:最も重要な安全対策です。コンセントから完全にプラグを抜いてください。ブレーカーを落とすのも有効です。リモコンで運転を停止しただけでは、内部に電気が通っている場合があり大変危険です。
  2. 周囲を養生する:エアコンの下や周囲の壁、床が汚れないように、新聞紙やビニールシート、タオルなどでしっかりと養生します。特にエアコンの下は、洗剤やカビを含んだ汚水が垂れてくる可能性があるため、広範囲に養生しましょう。
  3. 保護具を着用する:カビの胞子を吸い込んだり、洗剤が目や皮膚についたりするのを防ぐために、マスク、ゴーグル、ゴム手袋を必ず着用してください。
  4. 換気を十分に行う:窓を開けるなどして、部屋の換気を十分に行いながら作業してください。洗剤の成分やカビの胞子が部屋にこもるのを防ぎます。
  5. 取扱説明書を確認する:お使いのエアコンの取扱説明書に、掃除方法や注意点について記載されている場合があります。作業前に一度確認しておきましょう。メーカーによっては、自分で内部洗浄することを推奨していない場合もあります。
  6. 無理な分解はしない:自分で掃除できるのは、基本的にフィルターやルーバー(風向き調整板)、見える範囲のファンまでです。本体カバーやファン本体の取り外しは、専門知識がないと故障の原因になります。無理に分解しようとしないでください。

用意するもの(エアコン洗浄スプレー、水、その他)

自分でエアコンファンの簡易掃除をする際に必要なものは以下の通りです。

  • エアコン洗浄スプレー(ファン用):必ず「エアコンファン用」または「シロッコファン用」と記載された製品を選んでください。「エアコン内部用」や「フィン用」とは成分や使用方法が異なる場合があります。スプレータイプ、泡タイプなど様々な製品があります。製品ごとの使用方法をよく確認してください。
  • 雑巾またはマイクロファイバークロス:複数枚用意します。汚れを拭き取ったり、養生に使ったりします。
  • 新聞紙またはビニールシート:養生用です。
  • バケツまたは洗面器:汚水を受け止めたり、雑巾を洗ったりするのに使います。
  • 使い古しの歯ブラシまたは細いブラシ:ファンの羽根の隙間など、細かい部分の汚れをこすり落とすのに役立ちます。
  • キッチンペーパーまたはタオル:水分を拭き取るのに使います。
  • (必要に応じて)ドライヤー:洗浄後の乾燥に使う場合があります。ただし、温風の使用や至近距離からの使用は避けてください。送風機能を使うか、自然乾燥が基本です。
  • 保護具(マスク、ゴーグル、ゴム手袋):必須です。

シロッコファンにカビが見える場合の簡易的な掃除手順

送風口からファンが見える場合の、比較的安全な範囲での簡易的な掃除手順です。

  1. 準備: 前述の「自分で掃除する前の準備と注意点」に従って、電源を抜く、養生する、保護具を着用するなど、準備をしっかり行います。
  2. ルーバーを開ける: 送風口のルーバーを手で一番下まで開き、ファンが見えるようにします。手で動かせないタイプのルーバーの場合は無理に動かさないでください。
  3. 表面のホコリを取り除く: 見える範囲のファンの表面についている大きなホコリやゴミを、歯ブラシなどで優しく払い落とします。この際、ホコリが舞いやすいので注意してください。掃除機で吸い取れる範囲であれば、吸い取るのも良い方法です。
  4. エアコン洗浄スプレーを使用する: 選んだ製品の使用方法に従って、ファン全体にスプレーします。製品によっては泡タイプで、泡が汚れを浮かせて垂れてくるものなど様々です。ファンをゆっくり回転させながら、羽根の隙間にも均一にスプレーが行き渡るようにします。ファンは手で優しく回せますが、無理な力を加えないでください。洗剤が周囲に飛び散らないように注意が必要です。
  5. 洗剤を浸け置く(製品による): 製品によっては、スプレー後しばらく時間を置いて洗剤を浸透させる必要がある場合があります。製品の指示に従ってください。
  6. 汚れを拭き取る・洗い流す(製品による): スプレーした洗剤が汚れを分解・浮かせて垂れてくるタイプの製品の場合、その汚水を受け止めるために用意したバケツや養生シートで受け止めます。製品によっては、洗浄後に水で洗い流す工程が必要な場合もありますが、一般的に自分でできるエアコン洗浄スプレーは「洗い流し不要」とされているものが多いです。洗い流しが必要な製品の場合は、水が電気部品にかからないように細心の注意が必要です。水に濡らした雑巾を固く絞って、羽根に付着した洗剤や浮き上がった汚れを拭き取る方法もありますが、これもファンの奥まで全てを拭き取るのは困難です。
  7. 乾燥させる: 洗浄後は十分に乾燥させることが重要です。窓を開けて換気を促したり、エアコンの送風運転を1時間程度行ったりして、内部を乾燥させます。濡れたまま放置すると、再びカビが繁殖しやすくなります。

吹き出し口から行う掃除方法の解説

市販のエアコン洗浄スプレーを使った掃除の多くは、この吹き出し口から行う方法を想定しています。ファンに直接スプレーを吹き付け、汚れを浮かせてドレンホースから排出させる仕組みです。

この方法のメリットは、エアコンを分解する必要がないため、比較的簡単に行える点です。しかし、前述の通り、ファンの裏側や奥、熱交換器やドレンパンといった、カビが繁殖しやすい他の重要な部分には洗剤が届きにくく、完全にカビを除去することはできません。また、洗剤成分が内部に残ってしまうリスクや、スプレーの量が多すぎると水漏れの原因になるリスクもあります。

エアコン送風ファンを水洗いする際の注意

インターネットなどでは、エアコンからファンを取り外して丸ごと水洗いする方法を紹介している情報も見られます。しかし、この方法は専門知識と技術が必要であり、非常にリスクが高いです。

エアコンの送風ファンを本体から取り外して水洗いする方法は、専門知識と経験がない限り絶対に行わないでください。自分でできるのは、あくまで吹き出し口から見える範囲での簡易的な掃除にとどめるのが賢明です。

フィン(熱交換器)のカビ掃除方法(自分でできる範囲)

エアコン内部でファンと同様にカビが繁殖しやすいのが、アルミ製の板が何枚も並んだ熱交換器、通称「フィン」です。ここも冷房・除湿時に結露しやすく、ホコリが溜まりやすいため、カビの温床となります。

自分でフィンを掃除する場合も、ファンと同様に限界があります。

  • 市販のフィン用洗浄スプレー: フィン専用の洗浄スプレーが市販されています。これは吹き出し口からではなく、フィルターを外した奥に見えるフィンに直接スプレーするタイプです。洗剤がフィンに浸透し、汚れとともにドレンホースから排出される仕組みです。
  • 掃除機でホコリを吸う: フィンの表面についている大きなホコリは、ブラシ付きノズルを付けた掃除機で優しく吸い取ることができます。この際、フィンを傷つけないように注意が必要です。フィンは非常に薄く曲がりやすいため、強い力をかけたり、掃除機のノズルで直接こすったりしないようにしてください。
  • 歯ブラシなどでこすらない: フィンは非常に繊細なため、歯ブラシなどで強くこすると簡単に曲がってしまい、空気の通りが悪くなり、性能低下や故障の原因となります。
  • 奥のカビは取れない: フィンの奥や、そのさらに奥にあるドレンパンのカビや汚れは、市販のスプレーや自分でできる範囲の掃除ではまず届きません。

自分でできるフィンの掃除は、あくまで表面的なホコリ取りや、市販のフィン用スプレーを使った見える範囲の洗浄にとどまります。徹底的に綺麗にしたい場合は、やはり業者による分解洗浄が必要です。

自分でエアコンファンやフィンの掃除を行う場合は、繰り返しになりますが、必ず電源を抜く、養生する、保護具を着用する、換気をするという安全対策を徹底し、取扱説明書を確認し、無理な分解は絶対に行わないでください。少しでも不安がある場合は、無理をせずプロに相談することをおすすめします。

エアコンクリーニング業者によるファン掃除

自分でできるエアコン掃除には限界があるため、エアコン内部のファンや熱交換器にびっしり生えてしまったカビを徹底的に綺麗にしたい場合は、エアコンクリーニング業者に依頼するのが最も効果的で安全な方法です。

業者による分解洗浄の流れ

専門業者によるエアコンクリーニングでは、多くの場合「分解洗浄」が行われます。これは、エアコン本体を壁に設置したまま、必要な部品を分解して、内部の隅々まで洗浄するプロの技術です。一般的な分解洗浄の流れは以下のようになります。

  1. 作業前の確認と養生: エアコンの動作確認を行い、異常がないかチェックします。その後、エアコン本体や周辺の壁、床、家具などを専用のシートでしっかりと養生します。これにより、洗浄中の水や洗剤が飛び散るのを防ぎます。
  2. エアコンの分解: 本体カバー、フィルター、ルーバー、そしてファンの奥にあるドレンパンなど、必要な部品を丁寧に分解していきます。この際、電気部品に水がかからないように細心の注意を払います。
  3. 高圧洗浄: 分解して露出させたファンや熱交換器(フィン)に対し、業務用エアコンクリーニング専用の高圧洗浄機を使って、特殊な洗剤を吹き付けます。洗剤によってカビや頑固な油汚れなどを分解・浮き上がらせた後、大量の水を高圧で噴射して、汚れと洗剤を洗い流します。高圧洗浄機を使うことで、ファンの羽根の間やフィンの隙間といった、自分で掃除できない部分の奥の汚れまで強力に洗い流すことができます。
  4. 部品の洗浄: 分解した本体カバー、フィルター、ルーバー、ドレンパンなども、それぞれ綺麗に洗浄します。カビやホコリを洗い流し、必要に応じてカビ取り剤などで除菌します。
  5. すすぎと確認: 本体内部や各部品に洗剤成分が残らないように、入念に水で洗い流します。洗浄後は、綺麗になったかを目視で確認します。
  6. 防カビ・消臭処理(オプションの場合あり): 多くの業者は、洗浄後にカビの発生を抑制するための防カビ剤や、不快な臭いを取り除くための消臭剤を噴霧するサービスを提供しています(料金に含まれている場合とオプションの場合があります)。
  7. 組み立て: 分解した部品を元通りに組み立てます。配線やネジ止めなど、正確な作業が必要です。
  8. 動作確認: 組み立てが完了したら、エアコンの電源を入れて正常に動作するか、異音や水漏れがないかなどを確認します。
  9. 片付け: 使用した道具や養生シートを片付け、作業で発生した汚水を回収・処理します。

このように、プロの業者に依頼すれば、エアコンのファンだけでなく、カビの発生源となりやすい熱交換器やドレンパンなども含め、エアコン内部全体を徹底的に綺麗にすることができます。これにより、カビの除去だけでなく、異臭の解消、エアコンの効率回復、寿命の延長といった様々なメリットが得られます。

業者に依頼した場合の費用相場と選び方

エアコンクリーニングを業者に依頼した場合の費用は、エアコンの種類(壁掛け型、お掃除機能付き、天井埋め込み型など)や台数、業者によって異なります。

費用相場(壁掛け型エアコン1台の場合)

  • 通常タイプ: 10,000円 ~ 15,000円
  • お掃除機能付きタイプ: 15,000円 ~ 22,000円

※上記はあくまで目安です。地域や業者のサービス内容、繁忙期かどうかによって変動します。複数台割引や、室外機クリーニングなどのオプションがある場合もあります。

業者選びのポイント

数多くのエアコンクリーニング業者の中から、信頼できる業者を選ぶためには、以下の点に注目しましょう。

  • 実績と経験: エアコンクリーニングの実績が豊富で、様々な機種に対応できる経験を持った業者を選びましょう。
  • サービス内容: 洗浄箇所(ファン、フィン、ドレンパンなど)、洗浄方法(分解洗浄の有無)、使用する洗剤の種類、防カビ・消臭処理の有無などを確認しましょう。見積もり内容が明確であることも重要です。
  • 料金体系: 料金が明確で、追加料金が発生するかどうかを確認しましょう。ホームページや見積もりで詳細を確認してください。安すぎる業者には注意が必要です。
  • 損害保険への加入: 万が一の事故に備えて、損害保険に加入している業者を選びましょう。これにより、作業中のエアコンの故障や家屋の損傷などに対して保証が受けられます。
  • 口コミや評判: インターネットの口コミサイトやSNSなどで、実際にその業者を利用した人の評判を確認するのも参考になります。
  • 連絡のしやすさ: 問い合わせに対する対応が迅速で丁寧かどうかも、信頼できる業者を見極める上で重要です。
  • 対応エリア: 自宅の地域がサービス提供エリアに含まれているか確認しましょう。

特に「お掃除機能付きエアコン」は構造が複雑なため、対応できる業者とできない業者があります。依頼する際は、必ず自宅のエアコンがお掃除機能付きかどうか伝え、対応可能か確認してください。また、エアコンの設置場所によっては作業が難しい場合や、追加料金が発生する場合がありますので、事前に伝えておくとスムーズです。

信頼できる業者に依頼することで、エアコンファンのカビ問題を安全かつ確実に解決し、清潔で快適な空気を取り戻すことができます。

エアコンファンのカビを効果的に予防する方法

エアコンファンのカビを綺麗に除去しても、日頃の使い方やお手入れを怠ると、すぐにまたカビが繁殖してしまいます。カビの発生を抑制し、綺麗な状態を長持ちさせるためには、毎日のちょっとした心がけと定期的なお手入れが重要です。

使用後の送風運転・内部クリーン機能を活用

カビが繁殖しやすい最大の原因は「湿度」です。特に冷房や除湿運転停止後のエアコン内部は、結露によって湿った状態になっています。この湿気を取り除くことが、カビ予防には非常に効果的です。

  • 送風運転: 冷房や除湿運転を停止する前に、1時間程度「送風運転」を行うのがおすすめです。送風運転は、エアコンのファンだけを回して室内の空気を循環させる機能です。これにより、熱交換器やファンに付着した水分を乾燥させることができます。
  • 内部クリーン機能: 最近のエアコンの多くには、「内部クリーン機能」が搭載されています。これは、運転停止後に自動的に送風や暖房(機種による)を行って、内部を乾燥させる機能です。取扱説明書を確認し、この機能を活用しましょう。運転ごとに自動で実行されるように設定しておくと便利です。ただし、内部クリーン機能を使っている間は室温や湿度が多少変動することがあります。

これらの機能を活用することで、エアコン内部の湿度を下げ、カビが繁殖しにくい環境を作ることができます。特に湿気の多い梅雨時期や夏場は、積極的に活用しましょう。

湿度管理とこまめな換気

エアコン内部だけでなく、部屋全体の湿度管理もカビ予防に繋がります。

  • 除湿機や加湿器の適切な使用: 必要に応じて除湿機を使用し、部屋の湿度を50%以下に保つように心がけましょう。逆に冬場の加湿器の使いすぎは、窓の結露や壁のカビの原因になることがあります。加湿器を使う際は、湿度計を確認しながら適正な湿度を保つように注意しましょう。
  • こまめな換気: 部屋に湿気がこもらないように、定期的に窓を開けて換気をしましょう。特に料理中や入浴後など、湿度が高くなりやすい状況では意識的に換気を行うことが重要です。エアコンを使用中でも、短時間窓を開けて換気することで、室内の空気の質を保つことができます。

定期的なフィルター掃除の重要性

エアコンのフィルターは、空気中のホコリやチリを捕集する役割を担っています。このフィルターが汚れると、空気の通りが悪くなるだけでなく、フィルター自体にカビが発生したり、フィルターを通過できなかった微細なホコリやカビの胞子が内部に吸い込まれてファンや熱交換器に蓄積する原因となります。

  • フィルター掃除の頻度: フィルター掃除は、2週間に1回程度行うのが理想的です。掃除機で表面のホコリを吸い取るだけでも効果があります。汚れがひどい場合は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗い、しっかり乾燥させてから元に戻しましょう。
  • お掃除機能付きエアコンでもフィルター掃除は必要: お掃除機能付きエアコンは、フィルターのホコリを自動で除去してダストボックスに溜める機能ですが、フィルターそのものを洗浄するわけではありません。ダストボックスに溜まったホコリを捨てる作業は定期的に必要ですし、機種によってはフィルター本体を水洗いする必要がある場合もあります。取扱説明書で確認しましょう。

フィルターを綺麗に保つことは、エアコン内部に汚れを持ち込ませないための重要な予防策です。これにより、ファンのカビだけでなく、エアコン全体の汚れやカビの発生を抑制し、効率よく運転させることにも繋がります。

これらの予防策を日頃から実践することで、エアコンファンのカビの発生を大幅に減らし、清潔な空気を長く保つことができます。

エアコンファンのカビに関するよくある質問

エアコンファンのカビに関して、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。

エアコンのシロッコファンのカビ掃除はどうすればいいですか?

エアコンのシロッコファンのカビ掃除は、自分でできる簡易的な方法と、専門業者に依頼する方法があります。

自分で簡易的に行う場合は、電源を抜き、養生と保護具を着用した上で、市販のエアコンファン用洗浄スプレーを吹き出し口から見える範囲のファンに塗布し、製品の使用方法に従って汚れを拭き取るか自然に垂れ下がらせて受け止める方法が一般的です。ただし、この方法ではカビを完全に除去することは難しく、内部に洗剤が残るリスクもあります。

徹底的に綺麗にしたい場合は、エアコンクリーニング業者に依頼するのが最も効果的です。プロの業者であれば、エアコンを分解し、専用の洗剤と高圧洗浄機を使ってファンの奥まで徹底的に洗浄してもらえます。

エアコンのファンの清掃は自分でできますか?

エアコンのファンの清掃は、見える範囲であれば自分で簡易的に行うことは可能です。市販のエアコンファン用洗浄スプレーを使用したり、乾いた布やブラシで表面のホコリを優しく払ったりする方法があります。

しかし、エアコンのファン(シロッコファン)は本体の奥にあり、構造が複雑なため、完全に分解せずにファンの隅々まで徹底的に綺麗にすることは非常に難しいです。無理に奥まで掃除しようとすると、部品を破損させたり、内部を濡らして故障させたりするリスクがあります。

自分でできる範囲は限られているため、カビがひどい場合や徹底的に綺麗にしたい場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。

エアコンのフィンのカビ掃除は自分でできますか?

エアコンのフィン(熱交換器)のカビ掃除も、フィルターを外した奥に見える範囲であれば、自分で簡易的に行うことができます。フィン専用の洗浄スプレーを使用する方法や、掃除機で表面のホコリを優しく吸い取る方法があります。

ただし、フィンは非常に薄くデリケートなため、強い力を加えると簡単に曲がってしまい、エアコンの性能低下や故障の原因になります。また、フィンのさらに奥や、結露水が溜まるドレンパンのカビや汚れは、自分でできる範囲の掃除では届きません。

自分でフィンを掃除する際は、フィンの破損に十分注意し、あくまで簡易的な掃除に留めましょう。徹底的な洗浄が必要な場合は、専門業者に依頼するのが安全です。

エアコンのシロッコファンを掃除しないとどうなる?

エアコンのシロッコファンにカビやホコリが溜まったまま放置すると、いくつかの問題が発生します。

まず、運転するたびにカビの胞子や微粒子が室内にまき散らされ、アレルギーや呼吸器系の症状など、健康被害を引き起こすリスクが高まります。特に小さなお子さんや高齢者、アレルギー体質の方がいる家庭では注意が必要です。

次に、カビや汚れが空気の流れを阻害し、エアコンの風量が低下したり、設定温度になるまでの時間が長くなったりして、エアコンの効きが悪くなります。これにより、余分な電力を消費し、電気代が高くなる可能性もあります。

さらに、カビが発生させる不快な異臭(カビ臭、雑巾のような臭い)が部屋中に広がり、快適な空間が損なわれます。最悪の場合、内部の汚れが原因で水漏れや故障につながる可能性もゼロではありません。

見た目の問題だけでなく、健康面、性能面、経済面など、様々なデメリットがあるため、エアコンファンのカビは放置せずに適切な対策を行うことが重要です。

まとめ|エアコンファン カビ対策は状況に応じてプロも検討を

エアコンファンのカビは、高温多湿でホコリが溜まりやすいエアコン内部の構造上、避けがたい問題です。カビを放置すると、アレルギーや呼吸器系の疾患といった健康被害、エアコンの風量低下や異臭、さらには水漏れや故障といった様々な問題を引き起こす可能性があります。

自分でエアコンファンのカビ掃除を行う場合、市販の洗浄スプレーを使った簡易的な方法がありますが、これはあくまで見える範囲の表面的な汚れに対する応急処置と考えましょう。ファンの奥や熱交換器、ドレンパンなど、カビが繁殖しやすい他の場所の汚れは完全に除去できませんし、誤った方法で行うとエアコンの故障や感電のリスクも伴います。特にファン本体を取り外して水洗いする方法は、専門知識がないと非常に危険であり、推奨できません。

エアコンファンのカビがひどい場合、長期間掃除していない場合、徹底的に内部まで綺麗にしたい場合は、プロのエアコンクリーニング業者に依頼するのが最も安全で効果的な方法です。業者による分解洗浄であれば、ファンや熱交換器などエアコン内部の隅々まで、専用の洗剤と高圧洗浄機を使って徹底的に洗浄してもらえます。これにより、カビの除去だけでなく、異臭の解消やエアコンの効率改善、寿命延長といった多くのメリットが得られます。費用はかかりますが、その効果と安全性を考えれば、十分に検討する価値があります。

エアコンのカビを予防するためには、日頃から冷房・除湿運転後は送風運転や内部クリーン機能を活用して内部を乾燥させること、部屋の湿度管理と定期的な換気を行うこと、そしてフィルターをこまめに掃除することが重要です。これらの予防策を実践することで、カビの発生を抑制し、綺麗な状態を長持ちさせることができます。

最終的に自分で掃除するか、業者に依頼するかは、エアコンの状態、カビの進行具合、ご自身のスキルや時間、そして予算などを考慮して判断してください。カビ臭さを感じたり、送風口からカビが見えたりする場合は、まずは原因を把握し、状況に応じて適切な対策を講じることが、快適で健康的な空気環境を保つために最も大切なことです。


免責事項:

この記事で紹介している自分で行うエアコン掃除方法は、あくまで一般的な情報をまとめたものであり、すべてのエアコンに対応するものではありません。また、自己責任で行う必要があります。ご自身のエアコンの取扱説明書をよく確認し、不安がある場合やカビがひどい場合は、無理せず専門のエアコンクリーニング業者に依頼してください。自分で掃除したことによるエアコンの故障、損害、または健康被害等について、当サイトおよび筆者は一切の責任を負いかねます。

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