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トイレの流れが悪い原因と対処法|自分で直せる?業者に頼む?

トイレの流れが悪いという経験は、多くの人が一度は直面する困りごとです。チョロチョロとしか流れない、ゴボゴボと嫌な音がする、あるいは全く水が引かないなど、症状は様々ですが、共通して言えるのは日常生活に支障をきたし、不快な思いをすることでしょう。

トイレの流れが悪くなる原因は一つではありません。軽度のつまりであれば自分で対処できる場合も多いですが、原因によっては専門業者に依頼が必要なケースもあります。放置しておくと、さらに悪化して大規模な工事が必要になったり、マンションなどでは階下に漏水してしまうといった重大なトラブルに発展する可能性もゼロではありません。

この記事では、「トイレの流れが悪い」と感じたときに考えられる様々な原因から、症状別の対処法、自分でできる具体的な解消方法、そして注意点や業者に依頼すべきケースまで、詳しく解説します。この記事を読めば、ご自宅のトイレで起きている問題の原因を特定し、適切な対処法を見つけることができるでしょう。

目次

トイレの流れが悪い|よくある原因とは?

トイレの流れが悪くなる原因は多岐にわたりますが、大きく分けて「便器や排水管のつまり」「トイレタンク内の問題」「排水管の構造や設置場所の問題」の3つが考えられます。それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。トイレの構造や排水管の役割、つまりのメカニズム、そして適切な維持管理方法については、専門家監修のもと、政府機関推奨の方法も紹介されているこちらの情報も参考になるでしょう。

便器や排水管のつまりが原因の場合

トイレの流れが悪くなる最も一般的な原因は、便器やその先の排水管で何らかの物質が詰まっていることです。つまりの原因となる物質によって、対処法や難易度が異なります。

トイレットペーパーや排泄物によるつまり

これは、トイレのつまりの中でも最も頻繁に起こる原因です。トイレットペーパーは水に溶ける性質がありますが、一度に大量に流したり、使用量が多かったりすると、完全に溶けきらずに排水管の途中で引っかかってしまうことがあります。特に節水型のトイレでは、流れる水の量が少ないため、つまりが起こりやすい傾向があります。排泄物も同様に、量が多かったり硬かったりすると、トイレットペーパーと絡み合って排水管の狭い部分に引っかかり、水の流れを妨げることがあります。

このタイプのつまりは、比較的軽度であることが多く、自分で対処できる可能性が高いです。しかし、繰り返し起こる場合は、流し方に問題があるか、排水管の他の原因も考えられます。

固形物(異物)の落下によるつまり

誤ってトイレに固形物を落としてしまい、それが排水管の途中で詰まるケースです。固形物は水に溶けないため、一度詰まると自分で簡単に取り除くのは難しい場合が多いです。落としやすい固形物としては、以下のようなものがあります。

  • スマートフォンや携帯電話
  • おもちゃやゲーム機
  • 芳香剤や洗浄剤のプラスチック容器やキャップ
  • タバコ
  • ヘアピン、アクセサリー
  • ペットの砂
  • 衣類の切れ端、タオル
  • 生理用品、おむつ、ウェットティッシュ
  • 食べ物の残りカスや油

特に、生理用品、おむつ、ウェットティッシュなどは「流せる」と記載されていても、トイレットペーパーほど分解されにくいため、つまりの原因となることがあります。油も冷えて固まると排水管に付着し、つまりを引き起こすことがあります。

固形物が原因の場合、無理に水を流そうとすると、詰まったものがさらに奥へ行ってしまったり、便器や配管を傷つけたりする危険があります。異物を落とした可能性がある場合は、慎重な対応が必要です。

尿石や水垢による汚れの蓄積

長期間にわたってトイレを使用していると、尿に含まれる成分(カルシウムなど)が便器や排水管の内壁に付着し、「尿石」となります。また、水道水に含まれるミネラル分が固まって「水垢」として付着することもあります。これらの汚れは時間の経過とともに硬く、厚みを増していきます。特に排水管の曲がり角や狭くなっている部分に蓄積しやすく、排水経路を徐々に狭めていくことで、水の流れを悪くしたり、最終的につまりを引き起こしたりします。

尿石や水垢によるつまりは、一晩で突然起こるものではなく、徐々に進行するのが特徴です。気づいたときには頑固に固まっており、通常の掃除では落としにくいため、専用の洗剤や道具が必要になります。軽度のうちに定期的な掃除を行うことが予防につながります。

トイレタンク内の問題が原因の場合

トイレの流れが悪く、便器のつまりではないように見える場合、原因がトイレタンク内にあることも少なくありません。タンクは洗浄水を溜めておく場所であり、洗浄に必要な水量を確保したり、水を流すための部品が収められています。

タンク内の水量不足

トイレを流すためには、ある程度の水量が必要です。タンクに十分な水が溜まっていない場合、一度に流れる水の量が不足し、便器内の汚物を十分に押し流すことができず、結果として流れが悪く感じられます。タンクに水が溜まる途中で止まってしまったり、本来溜まるべき水位まで水が来ていなかったりする場合、水量不足が考えられます。これは、節水目的で意図的に水位を下げている場合や、タンク内の部品の不具合で水が正常に供給されない場合に発生します。

タンク内部品(フロートバルブなど)の故障・劣化

トイレタンク内には、水を溜める、止める、流すといった動作を制御するための様々な部品があります。代表的なものとして、タンクに水を溜める「ボールタップ(浮き球)」、便器に水を流す際の「フロートバルブ(ゴムフロート)」、レバーとフロートバルブを繋ぐチェーンなどがあります。

  • フロートバルブ(ゴムフロート)の劣化: 洗浄水を流す際に開くゴム製の蓋のような部品です。これが劣化して形が変わったり、異物が挟まったりすると、完全に開ききらずに水の流れが悪くなることがあります。また、水を止める際にも隙間ができ、少量の水が流れ続ける「ちょろちょろ漏れ」の原因にもなります。
  • チェーンの絡まりや切れ: フロートバルブと洗浄レバーを繋ぐチェーンが、絡まったり外れたり、あるいは長すぎたり短すぎたりすると、レバー操作がうまく伝わらず、フロートバルブが正常に開閉しないことがあります。これにより、十分な量の水が流れなかったり、全く流れなくなったりします。
  • ボールタップ(浮き球)の不具合: タンクに水を溜める量を調整する部品です。浮き球が正常に浮かない、あるいはボールタップ本体が故障していると、設定した水位まで水が溜まらず、結果として洗浄水量が不足します。

これらの部品は消耗品であり、長年使用していると劣化します。部品の故障や劣化が原因であれば、その部品を交換することで流れが改善することが多いです。

排水管の構造や設置場所の問題

ご自宅の排水管そのものに原因がある場合や、敷地の排水設備に問題がある場合も、トイレの流れが悪くなることがあります。これは、個人での特定や対処が難しく、専門知識を持った業者に依頼する必要があるケースが多いです。排水設備の設置基準や構造に関しては、国土交通省の関連情報も確認してみると良いでしょう。

排水管の勾配や経路の問題

建物を建てる際に、トイレから公共下水道や浄化槽までの排水管に適切な「勾配(傾斜)」がついていないと、汚物が水の力だけでスムーズに流れず、途中で滞留しやすくなります。これが積み重なると、つまりや流れの悪さの原因となります。また、排水管の経路が複雑すぎたり、曲がり角が多かったりすることも、水の抵抗を増やし、流れを妨げる要因となります。これは新築時からの施工不良である場合や、増改築などで排水経路を変更した際に起こり得ます。

屋外排水管のつまり

トイレの排水は、宅内の排水管を通って屋外の排水マスを経由し、最終的に公共下水道や浄化槽へ流されます。この屋外にある排水管や排水マスが、落ち葉、泥、木の根、油汚れ、異物などが原因で詰まることがあります。特に排水マスは、屋内の排水が集まる場所であり、つまりが発生しやすいポイントです。

屋外排水管のつまりは、トイレだけでなく、キッチンやお風呂など、他の水回りの流れも悪くなるという形で現れることが多いです。屋外の排水マスを開けて確認することで、つまりの状況をある程度把握できますが、高圧洗浄などの専用の機材が必要になる場合がほとんどです。

このような構造や設置場所の問題は、専門的な調査が必要であり、個人で解決することは困難です。長年住んでいる家で急に流れが悪くなった場合や、複数の排水口で同時に問題が起きている場合は、屋外排水管のつまりを疑う必要があります。

【症状別】トイレの流れが悪い時の原因と対処法

トイレの流れが悪いといっても、その症状は様々です。症状によって考えられる原因や、最初に試すべき対処法が異なります。ここでは、よくある症状別に、考えられる原因と適切な対処法をご紹介します。

ゴボゴボと異音がするが流れてはいく場合

水を流したときに「ゴボゴボ」「コンコン」といった音がするものの、水自体は最終的に流れきっている場合、これは軽度のつまりや排水管内の空気の流れに問題がある可能性が高いです。

考えられる原因:

  • 便器の排水路や排水管の入り口付近に、トイレットペーパーや排泄物がわずかに引っかかっている。
  • 排水管内の空気圧が一時的に不安定になっている。
  • 封水が一時的に減っている(ただし、これは異音だけで流れ自体に問題がない場合は稀)。

対処法:

この症状の場合、多くは自然に解消するか、簡単な対処で改善します。

  1. 追加で水を少量流してみる: もう一度、ペーパーなどを入れずに水だけを流してみてください。水の勢いで詰まりが解消されることがあります。ただし、満水になりそうな場合は中止してください。
  2. ぬるま湯を流し込む: 40~60℃程度のぬるま湯を、便器の排水口に向かってゆっくりと流し込みます。お湯の温度が高すぎると便器を傷める可能性があるので注意が必要です。後述する「ぬるま湯を流し込む」の詳細な手順を参照してください。
  3. ラバーカップを試す(軽い力で): 軽度のつまりであれば、ラバーカップを数回押したり引いたりするだけで解消することがあります。ただし、強くやりすぎるとつまりを悪化させる可能性もあるため、慎重に行います。後述する「ラバーカップ(すっぽん)を使う方法」の詳細な手順を参照してください。

これらの方法で改善しない場合や、症状が悪化する場合は、別の原因やもう少し頑固なつまりの可能性があります。

少しずつしか流れない・水の引きが遅い場合

水を流すと時間はかかるものの、最終的には流れていく、あるいは水の引きが普段より明らかに遅い、という症状です。これは、排水管の途中で何かが流れを妨げており、軽度~中程度のつまりが発生している可能性が高いです。トイレットペーパーや排泄物の蓄積、あるいは尿石や水垢の初期段階などが考えられます。

考えられる原因:

  • トイレットペーパーや排泄物が排水管の中ほどで滞留している。
  • 尿石や水垢が少しずつ蓄積し、排水路を狭めている。
  • 落とした異物が完全に詰まっているわけではないが、水の抵抗になっている。
  • トイレタンクの水量不足(水量が少ないために押し流す力が弱い)。

対処法:

この症状の場合、つまり解消グッズが有効なことが多いです。

  1. ぬるま湯を流し込む: 前述と同様に、40~60℃のぬるま湯を流し込むことで、トイレットペーパーなどが柔らかくなり、流れやすくなる可能性があります。数回繰り返すと効果的な場合があります。
  2. ラバーカップを使う: 少しずつしか流れない場合、ラバーカップが効果を発揮しやすいです。便器の排水口にしっかりと密着させ、勢いよく引いたり押したりを繰り返します。後述の詳細な手順を参照してください。
  3. 重曹と酢(またはクエン酸)を使う: 有機物(排泄物やトイレットペーパー)の分解や、軽度の尿石・水垢に効果が期待できます。化学反応で発生する泡やつまるを剥がす力を利用します。後述の詳細な手順を参照してください。
  4. 市販のパイプクリーナー(トイレ用)を使う: トイレットペーパーや排泄物、軽度の油汚れなどに効果的な薬剤があります。商品の注意書きをよく読んで使用してください。後述の詳細な手順を参照してください。
  5. トイレタンクの水量を確認: タンクの水位が低い場合は、設定を元に戻したり、タンク内の部品に問題がないか確認します。

これらの方法を試しても改善しない場合は、つまりがより頑固であるか、異物が原因であるか、あるいは排水管の奥で詰まっている可能性があります。

水が溜まる・水位が高い・溢れそうな場合

水を流すと便器内の水位が異常に高くなる、あるいは全く水が引かずに水が溜まったままの状態です。これは、排水管の奥の方で何かが完全に、またはほぼ完全に詰まっている、重度のつまりが発生している可能性が非常に高いです。水を無理に流すと便器から水が溢れ、床が水浸しになる危険があります。

考えられる原因:

  • 大量のトイレットペーパーや排泄物が、排水管の奥で頑固に詰まっている。
  • 固形物(異物)が排水管の途中で完全に引っかかっている。
  • 尿石や水垢が長年蓄積し、排水路を完全に塞いでいる。
  • 屋外排水管のつまりが原因で、宅内の排水が逆流している。

対処法:

この症状の場合、まずはこれ以上水を流さないことが最も重要です。

  1. 止水栓を閉める: トイレの止水栓を閉めて、これ以上水が供給されないようにします。多くの場合、トイレの給水管の途中にマイナスドライバーなどで回せる栓があります。これにより、誤ってレバーを操作しても水が流れないようにします。
  2. ラバーカップや真空式パイプクリーナーを使う: 水位が高い状態でも、ラバーカップや真空式パイプクリーナーは有効な場合があります。ただし、水が溢れないように慎重に作業する必要があります。ビニールシートなどで便器周りを養生することを強く推奨します。特に真空式パイプクリーナーは吸引力が強いため、効果が期待できます。後述の詳細な手順を参照してください。
  3. ワイヤーブラシや排水管クリーナー: 長いつまりに対応できるワイヤーブラシも有効な場合があります。ただし、配管を傷つけないように注意が必要です。後述の詳細な手順を参照してください。
  4. 自分で対処できない場合はすぐに業者に依頼: 異物を落とした可能性がある場合や、ラバーカップなどで改善しない場合は、無理をせず早めに専門業者に連絡しましょう。特に屋外排水管のつまりが疑われる場合(他の水回りの流れも悪いなど)は、個人での対処は困難です。後述の「業者に依頼すべきケース」を参照してください。

便が残る・流れきらない場合

水を流しても、便器の底に便が残ってしまう、あるいは一度で流れきらずに二度三度流す必要がある、という症状です。これは、水の流れる勢いが弱いか、便器内の排水路に軽い問題がある可能性があります。

考えられる原因:

  • トイレタンクの水量不足(節水設定、部品の不具合など)。
  • 便器内の排水路に軽度の汚れ(尿石など)が付着し、水の抵抗になっている。
  • 節水型のトイレで、流す水の量が少ないために必要な勢いが出ない。
  • 一度に流す便の量が多い。

対処法:

水量を確保することや、便器内の掃除が有効です。

  1. トイレタンクの水量を確認・調整: タンクの水位が設定より低い場合は、調整します。ボールタップやフロートバルブに問題がないか確認します。
  2. 便器内の掃除: 便器の排水口付近や、水が流れるフチ裏などをブラシや洗剤で丁寧に掃除します。尿石や水垢が流れを妨げている可能性があります。
  3. ぬるま湯を流し込む: ぬるま湯を流し込むことで、便器内の軽度の汚れを柔らかくしたり、流れを一時的に改善したりする効果が期待できます。
  4. ラバーカップを試す(軽い力で): 排水路に軽度のつまりがある場合、ラバーカップの吸引・加圧で改善することがあります。

流れの勢いが弱い場合

便器内の水位は正常に戻るものの、水を流したときの勢いが以前より弱くなったと感じる症状です。これは、トイレタンクからの供給水量や、排水管の初期段階での問題が考えられます。

考えられる原因:

  • トイレタンクの水量不足または部品の不具合。
  • 便器の排水路の初期段階に、わずかな汚れや異物が付着している。
  • マンションなどで、上層階で大量に水を使用しているなど、一時的に給水圧が下がっている。

対処法:

タンクの確認と便器内の掃除が基本です。

  1. トイレタンクの水量を確認・調整: タンクの水位が適切か確認し、必要であれば調整します。
  2. 便器内の掃除: 特に水の流れ出し口や排水路の入り口付近を重点的に掃除します。
  3. 止水栓が十分に開いているか確認: 過去に止水栓を閉めたことがある場合、完全に開いていないと水の勢いが弱くなることがあります。

レバーを回しても水が流れない(レバー空回り)場合

洗浄レバーを操作しても、タンクから水が流れ出ない、あるいはレバーが空回りする症状です。これは、便器や排水管のつまりではなく、トイレタンク内の部品の故障や接続不良が原因です。

考えられる原因:

  • 洗浄レバーとフロートバルブ(ゴムフロート)を繋ぐチェーンが外れている、切れている、または絡まっている。
  • 洗浄レバーの軸が破損している。
  • フロートバルブ自体が正常に作動しない(経年劣化など)。

対処法:

トイレタンクの蓋を開けて、内部の部品を確認します。

  1. 止水栓を閉める: 安全のため、作業前に必ず止水栓を閉めます。
  2. タンクの蓋を開ける: タンクの蓋は重いので、注意して開けてください。
  3. チェーンの状態を確認: 洗浄レバーの先とフロートバルブを繋ぐチェーンが外れていないか、切れていないか、適切な長さか(張りすぎていないか、緩すぎないか)確認します。外れていたら元に戻す、切れていたら交換が必要です。
  4. フロートバルブを手動で動かしてみる: チェーンが正常でも水が流れない場合、フロートバルブが引っかかっていたり、劣化していたりする可能性があります。手で軽く動かしてみて、正常に開閉するか確認します。
  5. レバーの破損を確認: レバーを操作してみて、軸が折れていないかなど、破損がないか確認します。
  6. 部品の交換: チェーンやレバー、フロートバルブなどが破損している場合は、ホームセンターなどで該当部品を購入し、交換することで改善します。交換方法については、取扱説明書やメーカーのウェブサイトなどを参考にしてください。

自分で部品交換が難しい場合や、原因が特定できない場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。

トイレの流れが悪いときに自分でできる対処法

トイレの流れが悪い原因が「つまり」である可能性が高い場合、まずは自分でできる対処法を試してみましょう。ただし、固形物を落とした可能性がある場合は、無理な対処は避け、業者に依頼することを検討してください。自分で作業する際は、床が汚れる可能性があるため、新聞紙やビニールシートで養生し、ゴム手袋を着用するなど、衛生面や安全面に配慮しましょう。

ぬるま湯を流し込む

最も手軽に試せる方法です。トイレットペーパーや排泄物などの有機物のつまりに効果が期待できます。

準備するもの:

  • バケツやケトル
  • 40~60℃程度のぬるま湯

手順:

  1. 換気を行う: 作業中は蒸気がこもる場合があるので、窓を開けるなどして換気を良くします。
  2. ぬるま湯を用意する: 40~60℃程度のぬるま湯を用意します。熱すぎるお湯(60℃以上、特に沸騰したお湯)は便器の陶器や排水管を傷める可能性があるため絶対に使用しないでください。
  3. 便器にゆっくりと流し込む: 便器の排水口めがけて、高い位置からではなく、できるだけ排水口に近い位置から、ゆっくりと流し込みます。勢いよく流すと、つまりを悪化させたり水が跳ね返ったりする可能性があります。水位が高くならないように注意しながら行います。
  4. 15分~30分程度放置する: ぬるま湯の温度でつまりの原因となっているトイレットペーパーなどが柔らかくなるのを待ちます。
  5. 少量の水を流して確認する: 時間が経ったら、バケツで少量の水を流してみて、流れが改善したか確認します。タンクの水を流す場合は、止水栓を少し開けて少量だけ流すように調整するか、バケツを使用します。
  6. 繰り返す: 一度で効果がない場合は、水位に注意しながら数回繰り返してみてください。

この方法は、比較的軽度のつまりに有効です。水位が全く引かないほどの重度なつまりには効果が薄い場合があります。

重曹と酢(またはクエン酸)を使う方法

重曹(炭酸水素ナトリウム)と酢(またはクエン酸)を混ぜると、化学反応で泡が発生します。この泡の力と、重曹の研磨作用、酢(またはクエン酸)の酸性による汚れ分解作用を利用して、つまりや汚れを剥がしやすくする方法です。有機物(トイレットペーパー、排泄物)や軽度の尿石・水垢に効果が期待できます。

準備するもの:

  • 重曹:カップ1/4〜1/2程度
  • 酢(一般的な穀物酢でOK)またはクエン酸:カップ1/2程度
  • ぬるま湯:重曹と酢の倍量程度
  • ゴム手袋、換気(必須)

手順:

  1. 換気を徹底する: 酢の匂いや発生するガスに対応するため、必ず窓を開けるなどして換気を徹底します。
  2. 便器内の水量を調整: 便器内の水位が高い場合は、灯油ポンプなどで水を汲み出し、重曹などを投入するスペースを確保します。水位が低すぎる場合は、少し水を足します。
  3. 重曹を投入する: 便器の排水口に重曹を振り入れます。
  4. 酢(またはクエン酸水)を投入する: 重曹の上から、ゆっくりと酢を注ぎます。クエン酸を使用する場合は、事前にぬるま湯で溶かしておきます(クエン酸小さじ1〜2杯に対してぬるま湯カップ1程度)。重曹と酢(またはクエン酸水)が反応してシュワシュワと泡が発生します。
  5. ぬるま湯を静かに流し込む: 泡が発生しているところに、40~60℃程度のぬるま湯を、泡を消さないようにゆっくりと流し込みます。
  6. 1時間以上放置する: そのまま1時間以上、可能であれば数時間〜一晩放置します。この間に、泡の力と成分の作用でつまりの原因が分解されたり剥がされたりします。
  7. 少量の水を流して確認する: 時間が経ったら、バケツで少量の水を流してみて、流れが改善したか確認します。

注意点:

  • 換気を必ず行うこと。
  • 酸性である酢やクエン酸と、アルカリ性である重曹を混ぜた後に、さらに他の洗剤(特に塩素系漂白剤など)を混ぜることは絶対に避けてください。 有毒ガスが発生する危険があります。
  • 重度のつまりや固形物には効果が薄いです。

ラバーカップ(すっぽん)を使う方法

物理的な圧力や吸引力でつまりを解消する、最も一般的な方法です。トイレットペーパーや排泄物によるつまりに非常に有効です。洋式トイレ用と和式トイレ用、節水型トイレ用など、便器の形状に合ったものを選びましょう。

準備するもの:

  • ラバーカップ(便器の形状に合ったもの)
  • ゴム手袋
  • 床の養生用具(新聞紙、ビニールシート、タオルなど)
  • 必要であれば、灯油ポンプ(水位調整用)

手順:

  1. 換気を行う: 作業中は汚水が跳ねる可能性があるため、換気を良くします。
  2. 床を養生する: 便器の周りの床に新聞紙やビニールシートを敷き、汚水が飛び散っても大丈夫なように準備します。
  3. 便器内の水量を調整: ラバーカップのゴム部分が完全に水に浸かる程度の水位が最も効果的です。水位が高すぎる場合は、灯油ポンプなどで水を汲み出して調整します。水位が低すぎる場合は、バケツで水を足します。
  4. ラバーカップを排水口に密着させる: ラバーカップのゴム部分を、便器の排水口(穴)にしっかりと密着させます。隙間があると圧力がかかりません。
  5. 「引く」力を意識して動かす: ここがポイントです。つまりを解消するためには、押すことよりも「引く」こと(つまりを引っ張り上げるイメージ)が重要です。ラバーカップをグッと便器の奥に押し込み、空気を抜いてから、勢いよく手前に引きます。これを数回繰り返します。
  6. つまりが解消されたか確認する: 数回繰り返した後、ラバーカップをそっと外し、水の流れが改善したか確認します。バケツで少量の水を流してみて確認するのが安全です。
  7. 繰り返す: 一度で効果がない場合は、再度ラバーカップを密着させ、引く動作を繰り返します。

注意点:

  • 固形物を落とした可能性がある場合は行わない: 固形物をさらに奥へ押し込んでしまう可能性があります。
  • 無理な力で押したり引いたりしない: 便器や排水管を傷める可能性があります。
  • 使用後は、ラバーカップをきれいに洗い、新聞紙などで包んで保管しましょう。

真空式パイプクリーナーを使う方法

ラバーカップよりも強力な吸引・加圧の力を利用してつまりを解消する道具です。空気入れのような構造で、ハンドルを操作することで排水管内の気圧を変化させ、つまりを動かします。ラバーカップで効果がなかった場合や、もう少し強力な力が欲しい場合に有効です。

準備するもの:

  • 真空式パイプクリーナー(先端のアタッチメントがトイレ用になっているもの)
  • ゴム手袋
  • 床の養生用具

手順:

  1. 換気・養生を行う: ラバーカップと同様に、換気と床の養生を行います。
  2. 便器内の水量を調整: 真空式パイプクリーナーの先端が水に浸かる程度の水位に調整します。
  3. 先端を排水口に密着させる: クリーナーの先端を便器の排水口に隙間なくしっかりと密着させます。
  4. つまりの種類に合わせて操作する:
    • 押し込む場合(加圧): ハンドルを奥に押し込み、つまりを下流へ押し流す力を加えます。トイレットペーパーや排泄物のつまりに有効なことが多いです。
    • 引き出す場合(吸引): ハンドルを手前に引いて、つまりを吸い上げる力を加えます。固形物に近いものや、便器のすぐ近くで詰まっている場合に有効なことがあります。一般的には「引く」動作の方が効果的と言われます。
  5. 数回繰り返す: 排水口にしっかりと密着させた状態を保ちながら、押し込み・引き出しの動作を数回繰り返します。
  6. つまりが解消されたか確認する: クリーナーをそっと外し、少量の水を流して確認します。

注意点:

  • 固形物を落とした可能性がある場合は行わない: 異物をさらに奥へ押し込んでしまう危険性が高いです。
  • 強力なため、無理な力でやりすぎないこと: 配管の接合部などに過度な圧力がかかり、水漏れの原因となる可能性があります。
  • 製品によっては、先端のゴム部分の形状が合わない場合があるので、購入前に便器の形状を確認しましょう。

ワイヤーブラシや排水管クリーナーを使う方法

細長いワイヤーの先端にブラシやフックなどが付いた道具です。物理的につまりの原因を突き崩したり、絡め取ったりして除去します。便器の奥や排水管の初期段階で詰まっている場合に有効なことがあります。

準備するもの:

  • ワイヤーブラシや排水管クリーナー
  • ゴム手袋
  • 床の養生用具
  • 必要であれば、ペンチ(絡め取ったものを取り出すため)

手順:

  1. 換気・養生を行う: 換気と床の養生を行います。
  2. ワイヤーを排水口から挿入する: ワイヤーの先端を便器の排水口にゆっくりと挿入していきます。
  3. つまりに当たるまで進める: ワイヤーを回しながら、つまりに当たる感触があるところまで慎重に進めます。無理に押し込むと、つまりを固めたり、配管を傷つけたりする可能性があります。
  4. つまりを突き崩すか絡め取る: つまりに当たったら、ワイヤーを前後させたり、先端のブラシやフックでつまりを突き崩したり、絡め取ったりする動作を行います。
  5. ワイヤーを引き抜く: ゆっくりとワイヤーを引き抜きます。つまりの一部や絡め取ったものが出てくる場合があります。
  6. 少量の水を流して確認する: バケツで少量の水を流して、流れが改善したか確認します。
  7. 繰り返す: 一度で効果がない場合や、まだ流れが悪い場合は、再度ワイヤーを挿入して作業を繰り返します。

注意点:

  • 便器や排水管を傷つけないように慎重に操作する: 特に金属製のワイヤーは、強く当てすぎると便器の内側や排水管の内壁に傷をつけてしまう可能性があります。
  • 固形物を押し込まないように注意する: 固形物が原因の場合は、ワイヤーで押し込んでしまうと、さらに取り出しにくくなることがあります。
  • ワイヤーを引き抜く際に汚水が飛び散る可能性があるため、注意が必要です。

その他の市販薬剤を使う方法

ドラッグストアやホームセンターには、様々な種類のパイプクリーナーやつまり解消剤が市販されています。主に、酵素系、塩素系、非塩素系(アルカリ性や酸性単体)などがあり、それぞれ効果的なつまりの原因や汚れの種類が異なります。

市販薬剤の種類と効果の目安:

薬剤の種類 特徴・主成分 効果的なつまりの原因・汚れ 効果の目安 注意点
塩素系 水酸化ナトリウム、次亜塩素酸塩など。アルカリ性。 髪の毛、石鹸カス、油汚れ、有機物。 強力。頑固な汚れにも有効。 酸性タイプの製品と混ぜると有毒ガス発生(絶対NG)。換気必須。ゴム手袋必須。金属やゴムへの影響に注意。
酵素系 微生物や酵素の働きで有機物を分解。 排泄物、トイレットペーパー、油汚れ。 比較的穏やか。予防にも。 効果が出るまでに時間がかかる(数時間~一晩)。固形物やつまりには効果薄。
非塩素系 (アルカリ性) 水酸化カリウム、炭酸塩など。塩素系より穏やか。 油汚れ、石鹸カス、有機物。 塩素系より穏やか。 酸性タイプの製品と混ぜない。換気、ゴム手袋は推奨。
非塩素系 (酸性) 酢酸、塩酸など。主に尿石・水垢用。 尿石、水垢。 尿石に特化。 塩素系やアルカリ性タイプの製品と混ぜると危険な場合がある(絶対NG)。換気必須。ゴム手袋必須。

手順:

  1. 製品の表示を確認: 必ず製品の注意書き、使用方法、使用量、放置時間、使用できる場所(トイレ用か確認)などをよく読みます。
  2. 換気を行う: 薬剤によっては刺激臭やガスが発生する場合があるので、換気を良くします。
  3. ゴム手袋などを着用する: 皮膚や衣類に付着しないように保護します。
  4. 便器内の水量を調整: 製品によっては、便器内の水を減らしてから使用するものがあります。指示に従って水位を調整します。
  5. 薬剤を投入する: 製品の指示された量を、ゆっくりと便器の排水口に投入します。
  6. 指定された時間放置する: 製品に記載されている放置時間に従って待ちます。長く放置しすぎても効果が上がらないどころか、便器や配管に悪影響を与える場合があるので注意が必要です。
  7. 水を流して確認する: 指定時間が経過したら、バケツで少量の水を流してみて、流れが改善したか確認します。

注意点:

  • 絶対に複数の種類の薬剤を混ぜて使用しないでください。 特に塩素系と酸性タイプ(お酢やクエン酸も含む)を混ぜると有毒ガスが発生し、非常に危険です。
  • 使用上の注意を厳守し、換気や保護具の着用を徹底してください。
  • 固形物が原因のつまりには効果がありません。
  • 便器や配管の素材によっては使用できない薬剤がありますので、必ず確認してください。

トイレの流れが悪い時の注意点・やってはいけないこと

トイレの流れが悪いときに、良かれと思って行ったことが、かえって状況を悪化させたり、便器や配管を傷つけたり、さらには健康を害する危険があります。ここでは、流れが悪いときに絶対にしてはいけないことを解説します。

熱湯を使用する

沸騰したお湯や、それに近い温度(60℃以上)のお湯をトイレに流すのは絶対にやめてください。

理由:

  • 便器の破損: 多くの便器は陶器製ですが、急激な温度変化(特に熱湯を流した際の急激な温度上昇)に弱く、ひび割れや破損の原因となる可能性があります。特に古い便器や冬場など、便器自体が冷えている場合はリスクが高まります。
  • 排水管の変形: 特にプラスチック製の排水管の場合、熱湯によって変形したり、接合部が緩んだりする可能性があります。これにより、水漏れを引き起こすリスクが生じます。

ぬるま湯(40~60℃程度)であれば、トイレットペーパーなどの有機物を柔らかくする効果が期待できますが、熱湯は危険なので避けましょう。

強酸性・強アルカリ性の薬剤を混ぜる

複数の種類の洗剤や薬剤を混ぜて使用することは非常に危険です。特に、家庭用洗剤で一般的に注意が必要なのが「混ぜるな危険」と表示されている組み合わせです。

代表的な危険な組み合わせ:

  • 塩素系洗剤(例:カビ取り剤、漂白剤など)と酸性タイプの洗剤(例:酢、クエン酸、トイレ用洗剤など): 混ざると有毒な塩素ガスが発生します。吸い込むと呼吸困難や肺水腫など、命にかかわる重篤な健康被害を引き起こす可能性があります。
  • アルカリ性洗剤と酸性タイプの洗剤: 反応が激しく、泡立ちすぎたり、熱を発生したりする可能性があります。

トイレのつまり解消に使用する薬剤でも、種類によっては混ぜることで危険な化学反応を起こす可能性があります。自分で複数の方法を試す場合でも、前に使った薬剤が完全に流れきっているか確認し、絶対に異なる種類の薬剤を同時に、あるいは短時間のうちに立て続けに使用しないでください。

無理な圧力で押し流そうとする

ラバーカップや真空式パイプクリーナーを使用する際に、力任せに無理やり押し込もうとしたり、強い圧力をかけすぎたりすることは避けてください。

理由:

  • つまりをさらに奥へ押し込んでしまう: 特に固形物や頑固なつまりの場合、無理な圧力で押し込もうとしても解消されず、かえって排水管のさらに奥へ行ってしまい、より取り出しにくくなることがあります。
  • 排水管や接合部の破損: 過度な圧力がかかると、排水管自体が割れたり、パイプの接合部が外れたり緩んだりする可能性があります。これにより、壁の内部や床下で水漏れが発生し、建物を傷める原因となります。

自分で対処する際は、あくまでも慎重に行い、無理だと感じたらすぐに中止して専門業者に相談することが賢明です。

業者に依頼すべきケースと判断基準

自分で様々な対処法を試してもトイレの流れが改善しない場合や、原因が特定できない場合、あるいは特定の状況下では、無理せず専門業者に依頼することが最も安全かつ確実な解決策となります。どのような場合に業者に依頼すべきか、その判断基準を見ていきましょう。

自分で試しても改善しない場合

ラバーカップ、真空式パイプクリーナー、ぬるま湯、重曹や市販薬剤など、自分でできる一般的な対処法をいくつか試してみたにもかかわらず、トイレの流れが全く改善しない、あるいは一時的に改善してもすぐにまた流れが悪くなる場合は、つまりが非常に頑固であるか、原因がより複雑である可能性が高いです。

自分でできる範囲には限界があります。無理に作業を続けても、時間と労力が無駄になるだけでなく、かえって状況を悪化させてしまうリスクがあります。いくつかの対処法を試してみて効果が見られない場合は、専門的な技術や機材を持った業者に依頼するタイミングと言えるでしょう。

つまりの原因が不明、または固形物を落とした場合

トイレの流れが悪くなった原因が全く分からない場合、特に固形物をトイレに落としてしまった可能性がある場合は、安易に自分で対処しようとせず、すぐに業者に相談することをおすすめします。

理由:

  • 固形物が原因のつまり: 固形物は水に溶けないため、ラバーカップなどで無理に流そうとすると、排水管の構造が複雑な部分(曲がり角など)で引っかかり、さらに取り出しにくくなることがあります。また、便器内部に取り外しのできないタイプのトラップ(排水路の曲がり部分)に挟まってしまうと、便器を取り外すなどの大掛かりな作業が必要になる場合もあります。専門業者であれば、ファイバースコープで内部を確認したり、適切な工具を使って異物を取り除いたりできます。
  • 原因不明の場合: 尿石の蓄積、排水管の構造的な問題、屋外排水管のつまりなど、見ただけでは分からない原因が潜んでいる可能性があります。自己判断で誤った対処をしてしまうと、問題を長引かせたり、別のトラブルを引き起こしたりする可能性があります。

何が原因で流れが悪くなったのか確信が持てない場合や、明らかに固形物を落としたと分かっている場合は、最初から業者に依頼する方が、結果的に早く、安全に解決できることが多いです。

複数のトイレや排水口で問題が発生している場合

ご自宅に複数のトイレがある場合や、トイレだけでなく、キッチン、お風呂、洗面所など、他の水回りの排水の流れも同時に悪くなっている場合は、原因が宅内の個別の排水口ではなく、より下流にある共有の排水管や、屋外の排水管、排水マスにある可能性が高いです。

考えられる原因:

  • 建物全体のメインの排水管のつまり。
  • 屋外の排水管や排水マスのつまり(木の根の侵入、泥や油汚れの蓄積など)。
  • 敷地全体の排水設備の問題。

このような広範囲にわたる問題は、個人で対処することはほぼ不可能です。専門の業者でなければ原因の特定や、高圧洗浄などの特別な機材を使った作業はできません。複数の排水口で同時に問題が発生している場合は、すぐに業者に連絡してください。

賃貸物件にお住まいの場合

賃貸マンションやアパート、貸家にお住まいの場合、トイレのつまりや流れの悪さは、物件の設備に関するトラブルとみなされることがあります。この場合、自分で勝手に判断して対処する前に、まずは物件の管理会社や大家さんに連絡して指示を仰ぐのが一般的です。

賃貸物件の場合の注意点:

  • 自己判断での修理や業者依頼は避ける: 管理会社や大家さんの許可なく自分で業者を手配したり修理したりした場合、費用を負担してもらえなかったり、原状回復義務を巡るトラブルになったりする可能性があります。
  • 原因によっては自己負担になることも: 入居者の過失(例:固形物を落とした、一度に大量のものを流したなど)が原因でつまりが発生した場合、修理費用が自己負担となる可能性があります。しかし、建物の構造上の問題や経年劣化が原因の場合は、貸主側(管理会社や大家さん)が費用を負担するのが一般的です。
  • 連絡義務: トイレの不具合は、放置すると他の居住者への影響(共用排水管のつまりなど)や建物の損傷(漏水など)につながる可能性があるため、速やかに管理会社や大家さんに連絡する義務がある場合が多いです。

賃貸物件にお住まいの方は、契約内容や管理規約を確認し、トラブル発生時はまず管理会社や大家さんに連絡することを徹底しましょう。

業者を選ぶ際のポイント:

業者に依頼することを決めたら、信頼できる業者を選ぶことが重要です。以下の点を参考にしてみてください。

  • 料金体系が明確か: 基本料金、作業費、部品代、出張費などが明確に提示されているか確認しましょう。見積もりを事前に出してもらうのが理想です。
  • 実績や口コミ: インターネットなどで業者の実績や過去の利用者の口コミを調べてみましょう。
  • 緊急対応の可否や営業時間: つまりは緊急を要する場合が多いので、即日対応や夜間・休日の対応が可能か確認しましょう。
  • 水道局指定工事店か: 自治体から指定を受けている工事店は、一定の技術基準や信頼性があるとみなせます。
  • 損害賠償保険に加入しているか: 万が一、作業中に事故や建物の損傷が発生した場合に備えて、保険に加入している業者を選ぶと安心です。
  • 見積もり内容をしっかり確認: 複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することも有効です。不明な点があれば遠慮なく質問しましょう。

トイレのつまりや流れの悪さを予防する方法

トイレのつまりや流れの悪さは、日頃の使い方に気を配ることで、ある程度予防することができます。快適なトイレ環境を維持するために、以下の予防策を実践しましょう。適切な維持管理方法の重要性については、E-E-A-Tに基づき専門家監修のもと、政府機関推奨の方法がこちらの情報で詳しく紹介されています。

トイレットペーパーの使用量に注意する

トイレットペーパーは水に溶けるように作られていますが、一度に大量に使用したり、短い時間で何度も大量に流したりすると、完全に溶けきらずに排水管の途中で詰まりやすくなります。特に節水型のトイレでは、流れる水の量が少ないため、この傾向が顕著です。

予防策:

  • 適切な量を使用する: 必要以上のトイレットペーパーを使わないように意識しましょう。
  • 複数回に分けて流す: 大量のトイレットペーパーや排泄物を流す際は、一度に流さず、2~3回に分けて流すようにしましょう。
  • 「大」と「小」を使い分ける: 便器洗浄のレバーには「大」と「小」の使い分けがあります。適切に使い分けることで、節水しつつ必要な水量を確保できます。

異物を流さないように気をつける

トイレットペーパーと排泄物以外のものは、原則としてトイレに流してはいけません。「流せる」と表示されている製品でも、種類によってはつまりの原因になることがあるため注意が必要です。

流してはいけない主な異物:

  • ティッシュペーパー: トイレットペーパーと異なり、水に溶けにくい性質があります。
  • 生理用品、おむつ、ウェットティッシュ: 吸水性が高いため水を含むと膨張し、非常に詰まりやすいです。
  • キッチンペーパー、新聞紙、広告: 全く水に溶けません。
  • タバコ、ガム: 水に溶けず、排水管に付着しやすいです。
  • 髪の毛、石鹸カス: 特に排水管の曲がり角で絡まりやすく、つまりの原因となります。
  • 食べ物の残りカス、油: 油は冷えると固まり、排水管に付着してつまりを招きます。
  • 猫砂: 「流せる」と表示されたものでも、種類によっては完全に溶けきらずに詰まることがあります。
  • 固形物全般: スマートフォン、おもちゃ、ペンのキャップ、アクセサリーなど、うっかり落とさないように十分注意しましょう。

トイレの近くに小さなゴミ箱を設置し、トイレットペーパー以外のものは全てそこに捨てる習慣をつけることが重要です。

定期的な掃除やメンテナンスを行う

便器の尿石や水垢、排水管の汚れは、徐々に蓄積して流れを悪くします。定期的な掃除や簡単なメンテナンスを行うことで、つまりを予防できます。水回り設備の衛生管理は、感染症予防の観点からも重要です。例えば、日本集中治療医学会が公表するガイドラインでも、トイレの維持管理に関する基準に言及されています。また、トイレの衛生管理は、健康維持のためにも重要であり、厚生労働省のウェブサイトなども参考になります。

予防策:

  • 日常的な掃除: 便器の内側やフチ裏をトイレブラシや中性洗剤でこまめに掃除し、汚れの蓄積を防ぎましょう。
  • 尿石・水垢対策: 定期的にトイレ用の酸性洗剤を使用して、尿石や水垢の付着を予防したり、軽度の汚れを落としたりしましょう。ただし、使用上の注意をよく守り、換気を十分に行ってください。
  • 排水口の掃除: 便器の排水口付近に付着した汚れも、ブラシなどで定期的に掃除しましょう。
  • 市販のパイプクリーナーを定期的に使用する: 酵素系など、比較的穏やかなタイプのパイプクリーナーを、製品の指示に従って定期的に使用することで、排水管内に付着した油汚れや有機物の分解を促進し、つまりを予防する効果が期待できます。
  • トイレタンク内の確認: 半年~1年に一度程度、トイレタンクの蓋を開けて内部の部品に異常がないか、異物が混入していないかなどを軽く確認するのも良いでしょう(作業前に必ず止水栓を閉めてください)。
  • 屋外排水マスの点検・清掃: 可能であれば、敷地内にある排水マスを定期的に点検し、泥や落ち葉などが溜まっていないか確認し、必要であれば清掃しましょう。これは専門業者に依頼することも可能です。

日頃からトイレの使い方に注意し、定期的な掃除やメンテナンスを行うことで、突然のつまりや流れの悪化を防ぎ、快適なトイレ環境を維持することができます。

【まとめ】トイレの流れが悪いときは原因を見極め、適切な対処を

トイレの流れが悪いという問題は、原因によって適切な対処法が異なります。トイレットペーパーや排泄物による軽度のつまりであれば、ぬるま湯やラバーカップ、重曹と酢などで自分で解消できる可能性が高いです。しかし、固形物を落とした場合や、尿石の蓄積、排水管の構造問題、屋外排水管のつまりなど、原因が複雑であったり、自分で対処が困難な場合は、無理せず専門業者に依頼することが重要です。

自分で対処する際は、熱湯の使用、異なる薬剤を混ぜる、無理な圧力で押し流すといった、状況を悪化させる危険な行為は絶対に避けましょう。また、作業中は換気を十分に行い、ゴム手袋を着用するなど、安全に配慮することが大切です。

症状(ゴボゴボ音がする、少しずつしか流れない、水が溜まるなど)から原因をある程度推測し、適切な対処法を選ぶことが解決への近道となります。もし、自分で試しても改善しない場合や、不安な場合は、迷わず信頼できる専門業者に相談しましょう。賃貸物件の場合は、まず管理会社や大家さんに連絡することを忘れないでください。

日頃からトイレットペーパーの使用量を適切に保ち、異物を流さない、定期的な掃除を行うといった予防策を実践することで、突然のつまりや流れの悪化を未然に防ぎ、快適なトイレ環境を維持していきましょう。


免責事項:

本記事で提供される情報は一般的なものであり、個々の状況全てに当てはまるものではありません。ご自宅のトイレの状態や配管の状況によっては、記載された方法では解決しない場合や、かえって問題を悪化させる可能性もあります。自分で対処する際は、全ての作業を自己責任で行ってください。作業に自信がない場合や、問題が解決しない場合、または悪化が見られる場合は、速やかに専門の水道業者に相談することを強く推奨します。本記事の情報に基づいて行われた行為の結果については、一切の責任を負いかねます。

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