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困った!給湯器エラーコードの原因と対処法|自分でできる判断基準・メーカー別一覧も

給湯器をお使いの際に、見慣れない数字や記号が表示されて困った経験はありませんか?それは「エラーコード」と呼ばれるもので、給湯器に何らかの異常が発生していることを示しています。お湯が出ない、温度が不安定など、エラーコードが表示されると生活に大きな支障をきたすこともあります。

この記事では、給湯器のエラーコードについて、その基本的な見方から主要なメーカー(リンナイ・ノーリツなど)別のコード一覧、自分でできる簡単な対処法、そして専門業者への修理・交換を判断する目安までを詳しく解説します。この記事を読めば、エラーコードが表示された際に落ち着いて状況を把握し、適切に対応できるようになります。

目次

給湯器のエラーコードとは?まず確認すべきこと

給湯器のエラーコードは、いわば給湯器からの「ヘルプ信号」です。給湯器内部のセンサーが異常を検知したり、設定に問題が生じたりした際に表示され、どのようなトラブルが発生しているのかをユーザーや修理業者に伝えます。

エラーコードを確認することで、給湯器の現在の状態や、考えられる故障の原因をある程度特定することが可能です。これにより、適切な対処方法を選択したり、業者に依頼する際にスムーズな説明ができたりします。

エラーコードが表示される場所と確認方法

エラーコードは通常、給湯器のリモコンに表示されます。台所や浴室に設置されているリモコンの液晶画面を確認してみましょう。多くの場合、普段は温度などが表示されている部分に、2桁または3桁の数字が表示されています。メーカーによっては、数字の前にアルファベットが付く場合や、複数のコードが順番に表示される場合もあります。

もしリモコンに何も表示されていない場合や、電源が入っていない場合は、給湯器本体の電源が入っているか、ブレーカーが落ちていないかなども合わせて確認してください。古い機種の場合や簡易的なリモコンにはエラー表示機能がない場合もありますが、多くの場合はリモコンで確認できます。

エラーコードから分かること

エラーコードは、給湯器内部のどの部分で、どのような種類の異常が発生しているかを示しています。

例えば、

  • 燃焼に関する異常: ガスがうまく燃焼しない、点火しない
  • 温度に関する異常: 設定温度にならない、異常に温度が高くなる
  • 水に関する異常: 水量が少ない、水圧が不安定
  • 電気系統に関する異常: センサーの故障、基板の異常
  • 安全装置の作動: 異常な状態を検知して機器を停止させた

など、エラーコードの種類によって示される内容は多岐にわたります。エラーコードを確認したら、まずは給湯器の取扱説明書やメーカーのウェブサイトで、そのコードが具体的に何を意味するのかを調べることが重要です。取扱説明書には、主要なエラーコードとその原因、そして簡単な対処法が記載されています。

給湯器エラーコード一覧と主な原因・対処法

給湯器のエラーコードは非常に多くの種類がありますが、ここでは特によく発生する代表的なエラーコードと、その一般的な原因や自分で試せる対処法をご紹介します。ただし、同じエラーコードでも給湯器の機種やメーカーによって意味が異なる場合があるため、必ずお手持ちの給湯器の取扱説明書を確認してください。

給湯器エラーコードの一般的な見方

エラーコードは通常、数字で構成されています。メーカーや機種によって多少異なりますが、多くの場合、百の位が異常が発生した箇所の大分類(例:1xx系は燃焼系)、十の位以下が具体的な内容を示すことが多いです。

例えば、「111」というコードであれば、「100番台(燃焼系)の異常で、内容が11(点火不良)」といった読み方ができます。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、必ずしも全てのメーカー・機種に当てはまるわけではありません。

よく出るエラーコードとその原因・対処法

ここでは、多くのメーカーで共通して見られるか、発生頻度が高い代表的なエラーコードをいくつかご紹介します。

エラーコード 主な内容 考えられる原因 自分でできる対処法 業者への依頼目安
111 点火不良 ・ガス供給の問題(元栓、ガス切れ)
・給水の問題(元栓、断水)
・燃焼部の不具合(バーナー、点火プラグなど)
・ガスの元栓が開いているか確認
・給水栓が開いているか確認
・他のガス機器が使えるか確認(ガス切れの確認)
・リモコン・本体のリセット
・ガス、水に問題がない場合
・リセットで改善しない場合
・頻繁に発生する場合
140 温度過昇防止装置作動 ・機器内部の異常過熱
・循環ポンプの不具合
・配管の詰まり
・水位センサーの異常(風呂給湯器)
・浴槽のお湯の循環を試す(風呂給湯器)
・リモコン・本体のリセット
・リセットで改善しない場合
・頻繁に発生する場合
・異音や異臭がする場合
610 ファンモーター異常 ・ファンモーターの故障
・モーター制御基板の不具合
・排気経路の詰まりや異物
・排気口が塞がれていないか確認
・リモコン・本体のリセット
・リセットで改善しない場合
・異常な音がする場合
710 電装基板異常 ・メイン基板、制御基板の故障
・結露や浸水
・電源供給の不安定
・リモコン・本体のリセット
・ブレーカーを確認
・リセットで改善しない場合
・頻繁に発生する場合
・落雷などの後に発生した場合
888 点検時期のお知らせ ・給湯器の使用開始から約10年経過 ・メーカーや業者に点検・交換の相談
(エラー自体は消せない場合が多い)
・点検や交換を検討する時期です
999 機器内部異常(重度の異常) ・複数箇所での異常
・安全に関わる重大な不具合
・リモコン・本体のリセット(一時的な場合) ・直ちに使用を中止し、専門業者に連絡が必要

エラーコード111(点火不良)

最もよくあるエラーの一つです。お湯を使おうとしても給湯器から火が着く音がせず、お湯が出ない、水しか出ないといった症状が出ます。

原因:

  • ガス栓が閉まっている、またはガス切れ
  • 給水栓が閉まっている、または断水
  • 強風などによる着火失敗
  • 燃焼に関わる部品(バーナー、電極、ガス比例弁など)の故障
  • 点火回路の異常

対処法:

まずはガス栓と給水栓がしっかりと開いているか確認してください。他のガス機器(コンロなど)が使えるか確認すると、ガス供給自体の問題かどうかが分かります。これらに問題がなければ、リモコンまたは給湯器本体の電源プラグを抜いてリセットを試みてください。

エラーコード140(温度過昇防止装置作動)

給湯器内部で異常な温度上昇を検知し、安全のために運転を停止した際に表示されます。やけどの危険性などがあるため、注意が必要です。風呂給湯器で追い焚き中に発生することもあります。

原因:

  • 機器内部の部品(熱交換器など)の異常過熱
  • 水量が極端に少ない、循環不良
  • 配管の詰まりや凍結
  • 温度センサーの故障

対処法:

機器が冷えるまでしばらく待ち、リモコンまたは本体のリセットを試みてください。風呂給湯器の場合は、浴槽の水量が十分か確認し、循環口が塞がれていないかもチェックします。

エラーコード610(ファンモーター異常)

給湯器内部の燃焼に必要な空気を供給したり、排気を促したりするファンモーターに異常がある場合に表示されます。不完全燃焼などの危険につながる可能性があります。

原因:

  • ファンモーター自体の故障
  • モーターを制御する基板の不具合
  • 排気筒や給気口の詰まり、鳥の巣など異物混入

対処法:

給湯器本体の排気口や給気口が物で塞がれていないか確認してください。雪が多く積もった後などにも発生することがあります。問題なければ、リモコンまたは本体のリセットを試みます。

エラーコード710(電装基板異常)

給湯器の頭脳ともいえる電装基板に異常が発生した場合に表示されます。様々な原因で発生し、他のエラーコードと同時に表示されることもあります。

原因:

  • 基板自体の故障(経年劣化、寿命)
  • 結露や浸水によるショート
  • 落雷などによるサージ電流
  • 電源供給の不安定

対処法:

リモコンまたは本体のリセットを試みてください。落雷の後などに発生した場合は、周辺の電化製品にも異常がないか確認しましょう。

エラーコード888(点検時期のお知らせ)

これは故障を示すエラーではなく、給湯器の標準的な使用期間(多くのメーカーで約10年)が経過したことを知らせるサインです。法令に基づき、所有者には安全点検の努力義務があります。

原因:

  • 給湯器の使用開始から約10年が経過した

対処法:

故障ではありませんので、すぐにお湯が使えなくなるわけではありません。しかし、内部部品の劣化が進んでいる可能性が高いため、安全に使い続けるためにはメーカーによる点検を受けるか、新しい給湯器への交換を検討する時期です。この表示自体は多くの場合、点検を受けるか機器を交換するまで消えません。

エラーコード999(機器内部異常)

これは比較的重度の異常を示す場合が多く、複数の箇所に問題があるか、安全に関わる重大な不具合が発生している可能性があります。メーカーや機種によっては、このコードが表示されたら直ちに使用を中止し、専門業者に連絡するよう指示されていることもあります。

原因:

  • 内部部品の広範囲な故障
  • 安全装置の複数同時作動
  • 制御不能な異常

対処法:

まずは給湯器の電源を切り、取扱説明書で具体的な意味と指示を確認してください。安全のため、無理に再運転を試みず、専門業者に点検・修理を依頼することを強く推奨します。

メーカー別の給湯器エラーコード一覧と詳細

主要な給湯器メーカーであるリンナイ、ノーリツ、パロマなどをはじめ、各メーカーで採用されているエラーコードは共通している部分もありますが、独自のコードも存在します。ここでは、メーカーごとの特徴的なエラーコードや、よくあるエラーの原因と対処法について掘り下げて解説します。

注意: 以下の情報は一般的な傾向を示すものであり、必ずお手持ちの給湯器本体またはリモコンに記載されている型番と取扱説明書、メーカー公式サイトの情報を参照してください。

リンナイ 給湯器 エラーコード一覧

リンナイのエラーコードは、2桁または3桁の数字で表示されることが多いです。燃焼系、水量系、温度系、電気系統など、エラーの種類によって百の位の数字が分類されています。

リンナイ エラーコード別の原因と対処法

リンナイ給湯器でよく見られるエラーコードとその原因、対処法の一部を以下に示します。

エラーコード 内容 考えられる原因 自分でできる対処法
111 燃焼異常(点火不良) ガス供給の問題、給水不足、燃焼系の部品異常 ガス栓・給水栓の確認、他のガス機器の確認、リモコンリセット
14 残火安全装置作動 不完全燃焼、機器内部の異常過熱 換気口の確認、リモコンリセット
161 高温検知 機器内部の異常高温、循環不良 機器を冷ます、リモコンリセット、風呂給湯器は循環確認
432 浴槽混合弁異常 混合弁の故障、配線異常(風呂給湯器) リモコンリセット
610 ファンモーター異常 ファンモーター故障、制御基板異常、排気・給気経路の詰まり 排気口・給気口の確認、リモコンリセット
888 点検時期お知らせ 使用期間約10年経過 メーカーや業者に点検・交換を相談

リンナイ エラーコード14

リンナイの「14」エラーは、残火安全装置が作動したことを示します。これは、本来燃焼が停止しているはずなのに、火が残り続けている(不完全燃焼など)と判断された場合に、安全のためにガス供給を遮断するエラーです。

原因:

  • 燃焼状態の異常(不完全燃焼しやすい状態)
  • 機器内部の部品(電極、燃焼検出器など)の不具合
  • 換気不足

対処法:

機器周辺の換気が十分に行われているか確認してください。給湯器本体の設置場所や排気筒の周りに物が置かれていないかなどもチェックします。問題がなければ、リモコンリセットを試みてください。頻繁に出る場合は、内部部品の劣化が考えられます。

リンナイ エラーコード888

リンナイの「888」エラーは、先述した通り、使用開始から約10年が経過したことを知らせる「点検時期のお知らせ」表示です。故障ではありませんが、安全のために点検や交換を検討すべき時期に来ているサインです。

原因:

  • 給湯器の累積使用時間がメーカーの定めた点検目安時期に達した

対処法:

このエラーは、リモコン操作で一時的に消せる機種もありますが、基本的にメーカーに点検・修理を依頼するか、機器を交換するまで表示され続けます。給湯器は内部の劣化が進むと、安全性が低下したり故障しやすくなったりしますので、この機会に専門業者に相談することをおすすめします。

ノーリツ 給湯器 エラーコード一覧

ノーリツのエラーコードも、リンナイと同様に数字で表示されることが多いです。こちらもエラーの種類によって分類があります。

ノーリツ エラーコード別の原因と対処法

ノーリツ給湯器でよく見られるエラーコードとその原因、対処法の一部を以下に示します。

エラーコード 内容 考えられる原因 自分でできる対処法
111 燃焼異常(点火不良) ガス供給の問題、給水不足、燃焼系の部品異常 ガス栓・給水栓の確認、他のガス機器の確認、リモコンリセット
121 燃焼異常(途中消火) 不完全燃焼、排気不良、炎を検出できない 換気口・排気口の確認、リモコンリセット
140 温度過昇安全装置作動 機器内部の異常過熱、循環不良、配管の詰まりや凍結 機器を冷ます、リモコンリセット、風呂給湯器は循環確認
290 中和器異常 排水不良、中和器の劣化(エコジョーズなど) 排水経路の確認(詰まりなど)、リモコンリセット
710 電装基板異常 基板の故障、結露や浸水、落雷など リモコンリセット、ブレーカー確認
888 点検時期お知らせ 使用期間約10年経過 メーカーや業者に点検・交換を相談

ノーリツ エラーコード140

ノーリツの「140」エラーは、温度過昇安全装置が作動したことを示します。リンナイの140エラーと同様に、機器内部で異常な温度上昇を検知した場合に表示され、安全のために運転を停止します。

原因:

  • 熱交換器やその他の部品の異常過熱
  • 給水量の不足や循環ポンプの不具合による水の流れの低下
  • 配管内の詰まりや凍結
  • 温度センサーの故障

対処法:

給湯器が冷えるのを待ち、リモコンまたは給湯器本体の電源を抜いてリセットを試みてください。特に風呂給湯器の場合は、浴槽の循環口周辺に物がないか、水量が十分か確認しましょう。冬場に発生した場合は、配管の凍結の可能性も考慮する必要があります。

パロマ 給湯器 エラーコード一覧

パロマのエラーコードも数字で表示されるのが一般的です。エコジョーズなど機種によって表示内容や対処法が異なる場合があります。

パロマ エラーコード別の原因と対処法

パロマ給湯器でよく見られるエラーコードとその原因、対処法の一部を以下に示します。

エラーコード 内容 考えられる原因 自分でできる対処法
111 燃焼異常(点火不良) ガス供給の問題、給水不足、燃焼系の部品異常 ガス栓・給水栓の確認、他のガス機器の確認、リモコンリセット
14 過熱防止装置作動 機器内部の異常過熱 機器を冷ます、リモコンリセット
610 ファンモーター異常 ファンモーター故障、制御基板異常、排気・給気経路の詰まり 排気口・給気口の確認、リモコンリセット
710 電装基板異常 基板の故障、結露や浸水、落雷など リモコンリセット、ブレーカー確認
88 点検時期お知らせ 使用期間約10年経過 メーカーや業者に点検・交換を相談

その他のメーカー(パーパス・コロナ・Chofuなど)給湯器エラーコード

パーパス、コロナ、Chofu(長府製作所)などのメーカーも、それぞれ独自のエラーコード体系を持っています。基本的な考え方(数字による分類など)は似ている場合が多いですが、コードの内容や具体的な意味は異なります。

例えば、

  • パーパス: 3桁の数字コードが一般的。
  • コロナ: 石油給湯器や電気温水器も製造しており、それぞれ独自のエラーコードがあります。
  • Chofu: 3桁の数字コードが一般的。

これらのメーカーの給湯器をお使いの場合は、必ずお手元の取扱説明書やメーカー公式サイトでエラーコードの意味を確認してください。公式サイトでは、型番を入力してエラーコードを検索できるサービスを提供している場合もあります。

メーカーごとの詳細なエラーコード一覧は、膨大な量になるためこの記事ですべてを掲載することはできません。しかし、上記の主要メーカーの例や一般的なエラーコードの説明を参考に、まずはご自宅の給湯器のリモコンに表示されたコードを控え、取扱説明書で確認することから始めましょう。

給湯器のエラーコードは自分で直せる?対処方法

エラーコードが表示されたからといって、すぐに専門業者を呼ばなければならないわけではありません。エラーの内容によっては、ユーザー自身で簡単な確認やリセットを行うことで解決する場合があります。

給湯器エラーコードのリセット方法(一般的な手順)

最も一般的な自己対処法は、給湯器のリセットです。給湯器は精密機器であり、一時的なシステムの誤作動や、外部環境(強風、寒波など)の影響でエラーが発生することがあります。リセットによってシステムを再起動させることで、これらの軽微な問題が解消されることがあります。

リモコンでのリセット方法

多くの給湯器リモコンには、リセットボタンがついています。

一般的な手順:

  • エラーコードが表示されているリモコンを探します(台所、浴室など)。
  • リモコンの「運転」ボタンを一度押して、給湯器の運転を停止します。
  • リモコンに「リセット」ボタンがあるか確認します。メーカーや機種によっては、リセットボタンがカバーの中に隠れていたり、「リセット」以外の名称(例:「表示」ボタンを長押しなど)だったりする場合があります。取扱説明書で確認してください。
  • リセットボタンを押します。多くの場合、数秒間長押しする必要があります。
  • エラー表示が消えたことを確認します。
  • 再び「運転」ボタンを押して、給湯器の運転を開始します。
  • お湯が出るか確認します。

電源プラグの抜き差しによるリセット方法

リモコンにリセットボタンがない場合や、リモコン操作でリセットできない場合は、給湯器本体の電源を一度切って再起動させる方法があります。これは、パソコンやスマートフォンがフリーズした際に再起動するのと同じような効果があります。

一般的な手順:

  • 安全のため、給湯器のリモコンで運転を停止します。
  • 給湯器本体の近くにある電源プラグ(コンセント)を探します。屋外に設置されている給湯器の場合、給湯器の下部や側面に差し込み口があることが多いです。
  • 電源プラグをコンセントから抜きます。
  • 最低でも10秒以上、可能であれば数分間(5分程度推奨)そのまま待ちます。これにより、給湯器内部の電気が完全に放電され、リセットが効果的に行われます。
  • 電源プラグを再びコンセントにしっかりと差し込みます。
  • リモコンの電源が入り、エラー表示が消えていることを確認します。
  • リモコンで「運転」を開始し、お湯が出るか確認します。

注意点:

  • 屋外の給湯器の電源プラグは、雨や雪で濡れないように保護されていることが多いです。カバーなどを外す際は注意してください。
  • 電源プラグを抜く前に、安全のため必ずリモコンの運転を停止してください。
  • 冬場の凍結リスクがある時期は、電源を切ると凍結防止機能も停止する場合があります。短時間(数分程度)のリセットにとどめ、凍結の懸念がある場合は安易に電源を切らない方が良い場合もあります。

自分で対処できる可能性のあるエラーコードと具体的な方法

先述の「よく出るエラーコードとその原因・対処法」の表で示したように、エラーコードの中には、給湯器本体の故障ではなく、外部要因や単純な操作ミスが原因で発生するものがあります。

冬場の凍結が原因の場合の対処法

特に寒冷地や強い冷え込みがあった日の朝などに発生しやすいのが、配管の凍結によるエラーです。凍結が原因のエラーコード(例:140など)が表示されたり、お湯が出なくなったりします。

対処法:

  1. 給湯器のリモコンで運転を停止します。
  2. 凍結している可能性のある配管を探します。給湯器本体から壁に向かって伸びる配管や、風呂給湯器の場合は浴槽への往き戻りの配管などが凍結しやすい箇所です。
  3. 凍結していると思われる箇所に、タオルなどを巻き付け、30℃~40℃程度のぬるま湯をゆっくりとかけて溶かします。
    • 絶対に熱湯をかけないでください。配管や給湯器本体の破損につながる可能性があります。
    • ドライヤーの熱風も、配管の一部だけを急激に温めて傷める可能性があるため、避けるのが無難です。
  4. 凍結が解消されるまでしばらく待ちます。蛇口から水が出るようになれば凍結は解消されています。
  5. リモコンまたは本体の電源プラグで給湯器をリセットします。
  6. 給湯器の運転を開始し、お湯が出るか確認します。

凍結予防:

凍結を防ぐためには、外気温が氷点下になる予報が出ている夜間などに、浴槽の水を循環アダプターより5cm以上上まで張っておく、または少量の水を出しっぱなしにしておくなどの対策が有効です。最近の給湯器には凍結防止機能が内蔵されていますが、長期間留守にする場合などは注意が必要です。

給水栓・ガス栓の確認

エラーコード111(点火不良)や、お湯が出ないといった症状の場合、単純に給水栓やガス栓が閉まっていることが原因であることが意外と多いです。

対処法:

  1. 給湯器の本体下部や周辺にある給水栓とガス栓が、しっかりと開いているか確認します。多くの場合、レバーやハンドルを配管と平行にすれば開いている状態です。
  2. ガス栓は、ガスメーターのそばにも元栓があります。こちらも開いているか確認しましょう。
  3. マンションなどでガスメーターに安全装置がついている場合、震度5程度の地震や長時間ガスを使いすぎた際にガス供給が自動で止まることがあります。その場合、ガスメーターの復旧ボタンを押すことで供給が再開されることがあります。
  4. これらに問題がなければ、リモコンや本体でリセットを試みてください。

上記以外にも、エラーコードによっては、フィルターの清掃や浴槽アダプターの掃除などが自分でできる対処法として有効な場合があります。具体的なエラーコードと対処法については、必ず取扱説明書を参照してください。

エラーコードが出たら修理?交換?判断の目安

自分でできる簡単な対処法(リセットや凍結解消など)を試してもエラーが解消しない場合や、同じエラーコードが頻繁に表示される場合は、給湯器本体の故障の可能性が高くなります。その際、修理で直るのか、それとも新しい給湯器に交換すべきなのかを判断する必要があります。

自分で対処できないエラーコード

以下のようなエラーコードが表示された場合は、自分で対処することが難しく、専門業者による点検・修理が必要です。

  • 内部部品の故障を示すコード: 燃焼部の異常、ファンモーター異常、基板異常など、機器内部の部品の故障や制御の異常を示すコード。これらの修理には専門知識と技術が必要です。
  • 安全装置に関わるコード: 温度過昇防止装置、不完全燃焼防止装置などの安全装置が作動したことを示すコード。これらのエラーは安全に関わるため、自己判断での使用再開は危険を伴う場合があります。
  • 重度の異常を示すコード: 999など、機器全体の深刻な異常を示すコード。

これらのエラーが表示された場合は、無理に運転を続けず、直ちに専門業者に連絡し、点検・修理を依頼してください。特に、ガス漏れや不完全燃焼の可能性がある場合は、危険ですので換気を十分に行い、ガスの元栓を閉めるなどの対応も検討してください。

業者への修理・交換を検討すべきケース

エラーコードが出た場合、以下の状況に当てはまる場合は、修理や新しい給湯器への交換を専門業者に依頼することを検討しましょう。

応急処置で改善しない場合

リモコンリセットや電源プラグの抜き差し、給水栓・ガス栓の確認など、自分でできる簡単な対処法を試してもエラーが解消しない、またはすぐに再び表示される場合は、機器本体の故障である可能性が高いため、専門業者に診断してもらう必要があります。

同じエラーコードを繰り返す場合

一度リセットして一時的にエラーが消えても、お湯を使うたびに同じエラーコードが頻繁に表示される場合は、機器内部の部品が劣化しているか、根本的な不具合を抱えている可能性が高いです。だましだまし使うと、完全に故障したり、より大きなトラブルにつながったりする可能性があります。

使用年数が10年を超えている場合(エラーコード88など)

多くの給湯器の設計上の標準使用期間は約10年とされています。エラーコード888(または88など)が表示される機種はこの時期を知らせてくれます。使用年数が10年を超えると、内部部品の劣化が進んでおり、いつ故障してもおかしくない状態になります。

この時期にエラーが出た場合、たとえ修理できたとしても、他の箇所がすぐに故障する可能性が高いです。結果的に何度も修理費用がかさんだり、急に給湯器が使えなくなったりするリスクが高まります。経済性や安心感を考えると、使用年数10年を目安に、エラーが出たことを機に交換を検討するのが賢明と言えます。

異音や異臭がする場合

エラーコードの表示に関わらず、給湯器から「ボンッ」という爆発音に近い音、ガスの臭い、焦げ臭い臭いなどがする場合は、非常に危険な状態である可能性があります。直ちに使用を中止し、給湯器の電源とガスの元栓を閉め、換気を十分に行い、契約しているガス会社または専門業者に緊急で連絡してください。

給湯器の修理・交換を業者に依頼する際の注意点

給湯器の修理や交換を業者に依頼する際は、安心して任せられる信頼できる業者を選ぶことが重要です。費用や工事の質、アフターサービスなどが業者によって異なります。

信頼できる給湯器業者の選び方

  • 実績と評判: 給湯器の修理・交換の実績が豊富で、インターネット上の口コミや評判が良い業者を選びましょう。公式サイトで施工事例を確認できると参考になります。
  • 資格・許可: ガス機器の設置・修理を行うためには専門的な資格(ガス機器設置スペシャリストなど)が必要です。これらの資格を保有しているか、または資格を持つスタッフが在籍しているか確認しましょう。
  • 見積もりの明確さ: 事前にしっかりと現場調査を行い、修理内容や交換する給湯器、工事費用、追加費用の可能性などを明確に提示してくれる業者を選びましょう。見積もりが曖昧だったり、内訳が不明瞭だったりする業者は避けた方が無難です。複数の業者から相見積もりを取ることも有効です。
  • 対応の速さ: エラーが出てお湯が使えない状況は緊急性が高いため、問い合わせへの対応が迅速で、希望する日時での工事が可能かどうかも重要なポイントです。
  • 保証とアフターサービス: 修理箇所の保証期間や、新しい給湯器本体のメーカー保証、工事保証などがしっかりしているか確認しましょう。万が一、再発や不具合があった場合にスムーズに対応してもらえるかどうかも大切です。
  • 地元の業者か全国対応業者か: 地元の業者であれば地域密着でスピーディーな対応が期待できる場合があります。全国対応の大手業者であれば、価格競争力や豊富な在庫、統一されたサービス品質に強みがある場合があります。どちらが良いかは、ご自身の状況や重視する点によります。

修理費用・交換費用の目安

給湯器の修理費用や交換費用は、エラーコードの内容、故障箇所、必要な部品、給湯器の種類(号数、機能など)、設置状況などによって大きく異なります。あくまで目安となりますが、一般的な相場は以下のようになります。

内容 費用の目安(工事費込み) 備考
簡単な修理 1万円~5万円程度 部品交換が不要な調整、簡単な部品交換など
主要部品の交換 5万円~15万円程度 基板、ファンモーター、熱交換器などの交換
給湯器本体交換 15万円~40万円以上 本体価格+標準工事費。機能や号数で大きく変動する

表:給湯器本体交換費用の目安例

給湯器の種類(号数・機能) 本体価格目安(工事費別) 標準工事費目安 合計目安
20号 給湯専用 7万円~15万円 5万円~8万円 12万円~23万円
24号 オート(追い焚き付) 10万円~20万円 5万円~8万円 15万円~28万円
24号 フルオート(エコジョーズ) 15万円~30万円 6万円~10万円 21万円~40万円

上記の金額はあくまで一般的な目安であり、メーカーや機種、設置場所、追加工事の有無などによって大きく変動します。

修理費用が高額になる場合や、使用年数が長い場合は、修理ではなく新しい給湯器への交換を検討した方が、長期的に見て経済的でおすすめです。交換であれば、最新の高効率な機種(エコジョーズなど)を選べば、ガス代の節約にもつながります。信頼できる業者であれば、修理と交換、それぞれのメリット・デメリットや費用を分かりやすく説明してくれるはずです。

給湯器のエラーコードに関するよくある質問

給湯器のエラーコードについて、ユーザーからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

給湯器のエラーコードの直し方は?

給湯器のエラーコードの「直し方」は、エラーコードの種類と原因によって異なります。

1. 自分で直せる可能性のある場合:

  • リモコンや給湯器本体の電源リセットを試す(一時的な誤作動の解消)。
  • ガス栓、給水栓が閉まっていないか確認する。
  • 冬場であれば、配管の凍結をぬるま湯で溶かす。
  • 排気口や給気口が塞がれていないか確認する。
  • フィルターなど、取扱説明書に記載されている自分で清掃できる箇所を確認・清掃する。

これらの方法で改善する場合は、機器本体の故障ではない可能性が高いです。

2. 専門業者による修理が必要な場合:

  • 機器内部の部品(基板、モーター、センサーなど)の故障や劣化が原因の場合。
  • 安全装置に関わる重大なエラーの場合。
  • 自分でできる対処法を試しても改善しない、または繰り返される場合。

これらの場合は、ご自身で無理に分解・修理しようとせず、必ず専門知識を持つ給湯器業者に依頼してください。ガスや電気に関わる作業は危険を伴います。

まずはエラーコードを正確に把握し、取扱説明書でその意味と推奨される対処法を確認することが最初のステップです。

給湯器の888の消し方は?

給湯器のエラーコード「888」(または「88」など)は、多くのメーカーで「標準使用期間(約10年)が経過したことによる点検時期のお知らせ」を示すコードです。これは故障表示ではないため、根本的に消すにはメーカーによる点検を受けるか、新しい給湯器に交換する必要があります。

一時的に表示を消せる機種もありますが、その方法はメーカーや機種によって異なります。多くの場合、リモコンの特定のボタン(例:「運転」「リセット」「表示」などを複数同時に押す、または長押し)を操作することで一時的に表示を解除できます。具体的な操作方法は、お手元の給湯器の取扱説明書またはリモコンのパネルに記載されている場合がありますので確認してください。

ただし、これはあくまで表示を一時的に消すだけであり、給湯器の劣化が進んでいるという事実は変わりません。安全に長く使い続けるためにも、888が表示されたら点検や交換の相談を真剣に検討しましょう。

給湯器が10年で点滅するのはなぜですか?

給湯器が使用開始から約10年でリモコン表示が点滅したり、エラーコード888(または88)が表示されたりするのは、多くの給湯器の「設計上の標準使用期間」が約10年と定められているためです。

この期間を過ぎると、機器内部の部品が経年劣化し、思わぬ故障や事故につながる可能性が高まります。メーカーは、この目安時期になったことをユーザーに知らせ、安全点検や機器の交換を促すために、点検時期お知らせ機能としてこの表示を出しています。

車に例えるなら、定期点検や車検の時期が来たことを知らせるサインのようなものです。すぐに動かなくなるわけではありませんが、安全に乗り続けるためには点検や部品交換が必要になる、あるいは新しい車への買い替えを検討する時期、ということになります。

給湯器から急にお湯が出なくなった原因は何ですか?

給湯器から急にお湯が出なくなった場合、様々な原因が考えられます。エラーコードが表示されていれば、そのコードから原因を特定する手がかりが得られますが、エラーコードが表示されない場合もあります。

エラーコードが表示されている場合:

表示されたエラーコードの意味を確認し、この記事で解説したような原因や対処法を参考にします。燃焼異常(111)、温度異常(140)、ファンモーター異常(610)、電装基板異常(710)などが考えられます。

エラーコードが表示されていない場合:

  • ガスの供給停止: ガスの元栓が閉まっている、ガスメーターの安全装置が作動した、ガス切れなどが考えられます。他のガス機器が使えるか確認しましょう。
  • 水の供給停止: 給水栓が閉まっている、断水、凍結などが考えられます。水道の他の蛇口から水が出るか確認しましょう。
  • 電源供給の停止: 給湯器の電源プラグが抜けている、ブレーカーが落ちているなどが考えられます。
  • リモコンの電源が切れている: リモコンの運転ボタンがオフになっている、リモコン自体が故障しているなどが考えられます。
  • フィルターの詰まり: 給水フィルターなどにゴミが詰まり、水量が確保できず運転できない場合があります。
  • 機器本体の軽微な不具合: 一時的な誤作動であれば、電源リセットで復旧することがあります。

自分で確認できる範囲で原因を特定し、簡単な対処法を試しても改善しない場合は、専門業者に連絡して点検してもらいましょう。

まとめ:給湯器エラーコードが表示されたら専門業者へ相談を

給湯器にエラーコードが表示されたときは、慌てずにまずリモコンの表示を確認し、エラーコードをメモしましょう。そして、お手持ちの給湯器の取扱説明書やメーカーの公式サイトで、そのエラーコードが示す内容、考えられる原因、そして自分でできる対処法を確認することが重要です。

簡単なリセットや、ガス栓・給水栓の確認、冬場の凍結対処などで改善する場合も多くあります。しかし、これらの自分でできる応急処置を試してもエラーが解消しない場合や、同じエラーコードが頻繁に繰り返される場合、あるいは異音や異臭といった危険な症状がある場合は、給湯器本体の故障の可能性が高く、専門知識と技術を持った給湯器業者による点検・修理が必要です。

特に、給湯器の使用年数が10年を超えている場合は、エラー表示を機に本体の交換を検討することをおすすめします。複数の業者から見積もりを取り、修理か交換か、ご自身の状況にとって最適な選択をするために、信頼できる専門業者に相談しましょう。給湯器は生活に欠かせない機器であり、安全に関わる機器でもあります。適切な対応で、安心して快適な給湯環境を維持しましょう。

免責事項:

この記事の情報は、一般的な給湯器のエラーコードに関する知識を提供するものであり、全てのエラーコードや給湯器の状況に対応するものではありません。個別の給湯器の状況やエラーコードの意味については、必ずお手持ちの給湯器の取扱説明書およびメーカーの公式情報を参照してください。ガスや電気に関わる作業、機器内部の修理は危険を伴います。安全のため、専門知識を持たない方が給湯器本体を分解・修理することは絶対に行わないでください。この記事の情報によって生じたいかなる損害についても、弊社は責任を負いかねます。

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