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マンション給湯器が故障!誰が費用負担?賃貸・分譲別の対処法と費用相場

マンションの給湯器が突然故障してお湯が出なくなると、日常生活に大きな支障が出て困ってしまいますよね。「誰に連絡すればいいの?」「修理や交換の費用は誰が払うの?」「一体いくらかかるの?」など、不安なことも多いでしょう。特にマンションの場合、賃貸なのか分譲なのかによって対応や費用負担のルールが異なります。この記事では、マンションで給湯器が故障した際にまず確認すべきこと、賃貸・分譲それぞれの費用負担の原則、連絡先や手順、交換にかかる費用相場、寿命、業者選びのポイントまで、あなたの疑問を解決するために必要な情報を網羅的に解説します。落ち着いて状況を確認し、この記事を参考に適切な対応を進めましょう。

目次

マンション給湯器の故障、まずは確認すること

給湯器の故障かな?と思ったら、慌てずまずは以下の2点を確認しましょう。これらの情報は、後の手続きを進める上で非常に重要になります。

賃貸か分譲かを確認する

マンションにお住まいの場合、その物件が賃貸物件なのか、それともご自身が区分所有者である分譲物件なのかによって、給湯器の所有者や管理責任、そして故障時の費用負担の原則が大きく異なります。

  • 賃貸マンションの場合: 給湯器は通常、建物の設備の一部として貸主(大家さんや管理会社)の所有物です。故障時の修理や交換の責任は原則として貸主にあります。
  • 分譲マンションの場合: 給湯器は通常、専有部分に設置された設備として、区分所有者(ご自身)の所有物となります。故障時の修理や交換の責任と費用負担は原則として区分所有者にあります。ただし、管理規約によって異なる場合もあります。

どちらに該当するかを確認することは、次に「誰に連絡すべきか」「費用を誰が負担するのか」を判断するための第一歩です。

故障の状態(症状、エラーコード)を確認する

給湯器が故障した際、どのような状態なのかを具体的に確認しましょう。

  • 症状: 「お湯が出ない」「お湯の温度が安定しない」「追い焚きができない」「変な音がする(爆発音、金属音など)」「異臭がする」「給湯器本体から水漏れしている」など、具体的な症状を確認します。
  • エラーコード: リモコンがある場合、エラーコードが表示されていることが多いです。このエラーコードは故障の原因を特定する上で非常に重要な情報となります。取扱説明書にエラーコードの意味が記載されている場合があるので、確認しておきましょう。取扱説明書が見当たらない場合は、給湯器メーカーのウェブサイトで型番を検索するとエラーコード一覧が見られることがあります。

これらの情報を控えておくことで、修理業者や管理会社への連絡がスムーズに進み、状況を正確に伝えることができます。

賃貸マンション給湯器の故障:誰が費用を負担する?

賃貸マンションで給湯器が故障した場合、費用負担についてトラブルになることも少なくありません。原則と例外ケース、そして重要な賃貸契約書の確認について解説します。

原則は貸主(大家さん・管理会社)負担

賃貸物件の給湯器は、通常、建物に備え付けられた設備とみなされます。民法第606条では、賃貸人は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負うと定められています。

したがって、給湯器が通常の使用や経年劣化によって故障した場合の修理・交換費用は、原則として貸主(大家さんまたは管理会社)が負担します。これは、入居者が適切な使用をしていても、時間の経過と共に設備が劣化し、最終的に故障するのは避けられないためです。

まずは契約書に記載されている連絡先(管理会社または大家さん)に連絡し、給湯器が故障した旨と具体的な状況(症状、エラーコードなど)を伝えましょう。貸主側で修理業者を手配し、費用を負担してくれるのが一般的です。

入居者負担となるケース

原則は貸主負担ですが、例外的に入居者(借主)が費用を負担しなければならないケースも存在します。主なケースは以下の通りです。

  • 入居者の故意または過失による故障:
    • 給湯器に物理的な衝撃を与えて破損させた。
    • 誤った操作方法を繰り返し、故障させてしまった。
    • 給湯器の近くで引火しやすいものを扱うなど、不注意によって火災などを引き起こし給湯器が破損した。
  • 善管注意義務違反による故障:
    • 通常求められる注意を怠ったことによる故障です。例えば、寒い地域で給湯器の凍結防止対策を行わなかったために、凍結して破損した場合などがこれに該当する可能性があります。賃貸借契約には、借主が借りたものを善良な管理者の注意をもって使用・保管する「善管注意義務」があります。
  • 不適切な使い方による故障:
    • 給湯器の取扱説明書に記載されている禁止事項を行った場合。
    • 改造や分解を行った場合。

このようなケースでは、貸主から入居者に対して損害賠償請求が行われ、修理・交換費用を負担することになる可能性があります。ただし、故障原因の特定は専門的な判断が必要な場合が多く、貸主と借主の間で意見が対立することもあります。

賃貸契約書の確認の重要性

賃貸契約書には、設備の修繕に関する特約が記載されている場合があります。必ずご自身の賃貸契約書を確認しましょう。

特約の例としては、以下のようなものがあります。

  • 「居室内の軽微な修繕費用は借主の負担とする」といった修繕範囲に関する特約。
  • 「設備の故障に関する免責事項」など。

ただし、消費者契約法により、入居者にとって一方的に不利な特約は無効となる場合があります。例えば、どんな状況であっても給湯器の故障費用は全て借主負担とする、といった特約は無効と判断される可能性が高いです。

契約書の内容が不明確な場合や、費用負担について貸主と意見が対立する場合は、消費者センターや弁護士などの専門機関に相談することも検討しましょう。

分譲マンション給湯器の故障:誰が費用を負担する?

分譲マンションの場合、賃貸とは異なり、給湯器の費用負担の考え方が異なります。

区分所有者負担が原則

分譲マンションにおいて、給湯器は通常、各住戸の専有部分に設置されている設備とみなされます。専有部分の設備に関する修繕や維持管理の責任は、原則としてその住戸の区分所有者(居住者)にあります

したがって、給湯器が故障した場合の修理・交換費用は、原則としてその住戸にお住まいの区分所有者が自己負担することになります。ご自身で修理業者を選び、依頼し、費用を支払うのが基本的な流れです。

管理組合が負担するケース(規約による)

例外的に、給湯器の故障費用を管理組合が負担するケースも存在します。これは主に以下のいずれかに該当する場合です。

  • 管理規約で給湯器が共用部分と定められている場合: 非常に稀ですが、マンションの管理規約によっては、給湯器が建物の共用設備の一部(共用部分)と定義されている場合があります。この場合は、共用部分の修繕責任は管理組合にあるため、費用も管理組合が負担します。
  • 大規模修繕工事の一環として交換される場合: マンション全体の大規模修繕工事で、共用部分の配管更新などと併せて、全戸の給湯器をまとめて交換する計画が立てられることがあります。この場合、工事費用は管理組合が負担し、修繕積立金が充当されます。ただし、機能向上を目的としたグレードアップ分などは自己負担となる場合もあります。
  • 設置場所が共用部分に当たる場合: 給湯器本体は専有部分の設備でも、設置場所が共用部分(例:共用廊下に面したPS(パイプシャフト)内など)であり、その場所に起因する故障の場合など、管理規約やこれまでの事例に基づき管理組合が負担するケースも考えられます。

このように、分譲マンションでは原則自己負担ですが、管理規約の内容によっては管理組合が負担する可能性もあります。

修繕積立金との関係

分譲マンションの所有者は、毎月修繕積立金を管理組合に支払っています。この修繕積立金は、将来的な大規模修繕工事や、マンション全体の共用部分の修繕のために積み立てられるものです。

もし管理規約に基づき給湯器の交換費用を管理組合が負担する場合、その費用は修繕積立金から支出されることになります。個別の給湯器故障で修繕積立金が使われることは稀ですが、前述のような大規模修繕での一括交換などでは重要な財源となります。

管理規約の確認の重要性

分譲マンションにお住まいの方は、ご自身のマンションの管理規約を必ず確認しましょう。管理規約には、専有部分と共用部分の範囲、設備の修繕に関する取り決め、大規模修繕計画などが詳細に記載されています。

給湯器に関する記載がないか、修繕の費用負担に関する特別な定めがないかを確認することで、故障時の対応や費用負担について正確に理解することができます。管理規約は通常、入居時に配布されるか、管理組合の理事長や管理会社に問い合わせることで入手できます。

マンション給湯器故障時の連絡先と手順

給湯器が故障した際の具体的な連絡先と、その後の手順について解説します。

賃貸の場合の連絡先

賃貸マンションにお住まいの場合は、まず管理会社または大家さんに連絡します。

  1. 賃貸契約書で連絡先を確認: 賃貸契約書に記載されている管理会社や大家さんの連絡先(電話番号、メールアドレスなど)を確認します。
  2. 連絡手段: 電話で連絡するのが最も早く確実です。営業時間外の場合は、緊急連絡先が指定されているか確認し、指示に従います。メールや管理会社のウェブサイトの問い合わせフォームなども利用できる場合があります。
  3. 伝えるべき情報:
    • お名前、部屋番号
    • 給湯器が故障したこと
    • 具体的な症状(お湯が出ない、エラーコード「XXX」が出ている、水漏れしているなど)
    • いつから故障しているか
    • 給湯器の設置場所(ベランダ、玄関横など)
    • 給湯器のメーカー、可能であれば型番(給湯器本体に貼付されているラベルで確認できます)
    • 日中連絡が取れる電話番号や時間帯
  4. 管理会社の指示に従う: 連絡を受けた管理会社または大家さんが、提携している修理業者に手配してくれるのが一般的です。自分で勝手に修理業者を手配したり、修理したりしないようにしましょう。費用負担を巡るトラブルの原因になることがあります。

分譲の場合の連絡先(管理会社、専門業者)

分譲マンションにお住まいの場合は、原則として区分所有者の自己負担となりますので、ご自身で修理業者を手配するのが基本的な流れです。ただし、状況によっては管理会社に連絡すべきケースもあります。

  • 管理会社に連絡すべきケース:
    • 給湯器の設置場所が共用部分に当たる可能性があり、その場所に起因する故障の疑いがある場合(例:共用部分の配管の問題など)。
    • 給湯器本体ではなく、マンション全体の設備(共有部の給水・給湯システムなど)に問題がある可能性が考えられる場合。
    • 管理規約で給湯器の修繕に関する特別な定めがある場合。
    • 大規模修繕工事での一括交換など、管理組合の計画に関わる場合。まずは管理会社に連絡し、状況を説明して指示を仰ぎましょう。
  • 専門業者に直接依頼する場合:
    • 専有部分に設置された給湯器本体の故障が明らかな場合。
    • 管理規約で区分所有者の自己負担が明確な場合。この場合は、ご自身で給湯器の専門業者を探して修理または交換を依頼します。
      1. 業者探し: インターネット検索(「マンション 給湯器 交換 ○○市」「給湯器 修理 マンション対応」など)や、マンションの居住者間の口コミ、管理会社からの紹介(紹介制度がある場合)などで業者を探します。複数の業者から見積もりを取ることをお勧めします。
      2. 連絡: 業者に連絡し、故障の状況、給湯器の情報(メーカー、型番、年式)、設置場所などを伝えます。
      3. 伝えるべき情報:
        • お名前、部屋番号
        • 居住している建物の種類がマンションであること
        • 給湯器の設置場所(例:ベランダ、玄関横のパイプシャフト(PS)内など)
        • 故障の具体的な症状(例:お湯が出ない、エラーコード「XXX」が表示されている、水漏れ、異音、異臭など)
        • いつから症状が出ているか
        • 給湯器のメーカー、型番、年式(給湯器本体のラベルや取扱説明書で確認)
        • 建物の種類がマンションであること(重要!マンションの設置基準に詳しい業者を選ぶため)
      4. 見積もりと依頼: 業者に現地調査を依頼し、修理または交換の見積もりを取ります。内容を比較検討し、信頼できる業者に作業を依頼します。

いずれの場合も、故障の状態や給湯器の情報を正確に伝えることが、スムーズな対応につながります。

連絡時に伝えるべき情報(まとめ)

賃貸・分譲どちらの場合でも、連絡時には以下の情報をまとめておくとスムーズです。

  • お名前、部屋番号
  • 居住している建物の種類がマンションであること
  • 給湯器の設置場所(例:ベランダ、玄関横のパイプシャフト(PS)内など)
  • 故障の具体的な症状(例:お湯が出ない、エラーコード「XXX」が表示されている、水漏れ、異音、異臭など)
  • いつから症状が出ているか
  • 給湯器のメーカー、型番、可能であれば製造年(給湯器本体に貼られている銘板シールで確認できます)
  • 賃貸の場合は管理会社/大家さん、分譲の場合は管理会社または自己手配の業者への連絡であること

これらの情報をあらかじめ整理しておくと、最初の連絡時にスムーズに状況を伝えられます。

マンション給湯器の交換にかかる費用相場

給湯器の修理や交換には費用がかかります。「一体いくらくらいかかるの?」と不安に思う方も多いでしょう。費用相場について解説します。

修理か交換かの判断目安

故障した場合、修理で済むのか、それとも交換が必要なのかは悩ましいところです。判断の一つの目安は、給湯器の使用年数(寿命)です。

  • 使用年数8年未満: 比較的新しい給湯器であれば、部品交換などの修理で直る可能性が高いです。修理費用は部品代や工賃によって異なりますが、数千円〜数万円程度で済む場合が多いでしょう。メーカー保証期間内であれば無償修理となることもあります。
  • 使用年数8年~10年: 修理も可能ですが、他の部品も劣化している可能性が高く、近い将来別の箇所が故障するリスクがあります。修理費用が高額になる場合や、複数回の修理が必要になることも考えられます。この時期になると交換を検討する方が増えます。
  • 使用年数10年以上: 一般的な給湯器の寿命は10年程度とされています。この時期以降に故障した場合、修理部品の供給が終わっていることもあり、修理自体が難しくなる場合があります。修理できたとしても、すぐに別の箇所が故障する可能性が高く、結果的に交換費用よりも高くつくこともあります。10年以上使用している場合は、交換を強く検討する方が良いでしょう。

最終的な判断は、専門業者に見てもらい、修理費用と交換費用、そして残りの寿命見込みを聞いてから行うのが賢明です。

交換費用を構成する要素(本体、工事費)

給湯器の交換にかかる費用は、大きく分けて以下の2つの要素で構成されます。

  1. 給湯器本体価格: 給湯器の種類、機能(追い焚き機能の有無、エコジョーズなど)、号数(給湯能力)、メーカーなどによって価格が大きく異なります。
  2. 工事費用: 既存の給湯器の取り外し、新しい給湯器の設置、配管・配線の接続、試運転などにかかる費用です。設置場所の状況(配管の劣化具合など)や、特殊な工事が必要な場合は追加費用が発生することもあります。

これに加えて、古い給湯器の処分費用、出張費用などがかかる場合もあります。

給湯器の種類別費用目安

マンションで主に使われる給湯器の種類と、それぞれの交換費用の目安を以下の表にまとめました。費用は給湯器の号数(16号、20号、24号など)や機能、業者によって変動します。あくまで一般的な相場として参考にしてください。

給湯器の種類 主な機能 特徴 本体価格目安(税込) 工事費用目安(税込) 交換費用合計目安(税込)
一般的なガス給湯器 給湯、追い焚き(タイプによる) 最も一般的なタイプ。比較的安価。 5万円~20万円 3万円~6万円 8万円~26万円
エコジョーズ 給湯、追い焚き(タイプによる) 排熱を有効活用し高効率で省エネ。ガス代の節約になる。本体価格はやや高め。 10万円~35万円 3万円~6万円 13万円~41万円
高機能タイプ エコジョーズ+床暖房、浴室乾燥、IoT連携など 多様な機能を持ち、快適性を追求できる。本体価格は高め。 20万円~50万円以上 4万円~7万円以上 24万円~57万円以上

※上記はあくまで目安であり、給湯器のメーカー、号数、機能、工事の難易度、依頼する業者によって大きく異なります。
※マンションの設置場所(PS設置型など)によっては、専用の給湯器が必要な場合があり、費用が変動することがあります。
※複数の業者から相見積もりを取り、詳細な内訳を確認することが重要です。

マンション給湯器の寿命と交換時期

給湯器は永久に使えるものではありません。寿命を知っておくことで、計画的な交換や故障時の判断に役立ちます。

一般的な給湯器の寿命

ガス給湯器の一般的な設計標準利用期間(寿命)は10年とされています。これは、メーカーが安全上問題なく使用できる目安として定めている期間です。

ただし、これはあくまで目安であり、使用頻度、設置環境(潮風が当たるなど)、メンテナンス状況などによって寿命は前後します。丁寧に使っていても10年を過ぎた頃から、部品の劣化によるトラブルが増える傾向にあります。

寿命が近いサイン

給湯器が寿命に近づくと、以下のようなサインが現れることがあります。これらのサインが見られたら、故障する前に交換を検討することをお勧めします。

  • お湯の温度が不安定になる: 設定温度にならない、急に熱くなったり冷たくなったりする。
  • お湯が出るまで時間がかかるようになる: 以前よりお湯が出るまでの時間が長くなったと感じる。
  • 変な音がする: 運転中にこれまで聞いたことのない異音(「ボン」という着火音がおかしい、「ゴーッ」という大きな燃焼音、モーター音、金属音など)がする。
  • リモコンにエラーコードが頻繁に出る: 一度エラーコードが出た後、リセットすれば使えるが、頻繁に表示されるようになる。
  • 給湯器本体から水漏れしている: 特に冬場の凍結時期以外で水漏れが見られる場合。
  • 排気口から黒い煙が出る、異常な臭いがする: 不完全燃焼を起こしている可能性があり危険です。すぐに使用を中止し、専門業者に連絡しましょう。
  • 製造から10年以上経過している: 特に目立った症状がなくても、内部部品は劣化しています。突然の故障を避けるためにも交換を検討する時期です。

これらのサインを見逃さず、早めに専門業者に点検や相談を依頼することが、急な故障によるお湯が出ないトラブルを防ぐことにつながります。

マンション給湯器交換業者の選び方

マンションの給湯器交換は、戸建て住宅とは異なる点があるため、業者選びも重要です。

マンションの特殊性を理解しているか

マンションに設置されている給湯器は、その設置場所(パイプシャフト内やベランダ壁掛けなど)や配管、消防法やマンションの管理規約による設置基準など、戸建てとは異なる特殊な事情があります。

  • PS設置型給湯器: パイプシャフト内に設置されるタイプで、扉内に収まる特殊な形状や排気方向が決められている場合があります。マンション用のPS設置型給湯器の取り扱いや設置に慣れている業者を選びましょう。
  • ベランダ設置型: 集合住宅の場合、排気ガスが隣戸に影響しないような配慮や、設置スペースの制限がある場合があります。
  • 管理規約: マンションによっては、特定のメーカーや型番の給湯器しか認められていない、工事時間や騒音に関する規定があるなど、管理規約による制約がある場合があります。これらのマンション特有の事情を理解し、適切な工事を行える業者を選ぶことが重要です。

マンションでの施工実績が豊富にあるか、事前にしっかりと確認しましょう。

見積もりの比較

給湯器交換費用は、業者によって価格設定が異なります。必ず複数の業者から相見積もりを取り、比較検討することをお勧めします。

見積もりを比較する際は、単に最終的な価格だけでなく、以下の点も確認しましょう。

  • 見積もり内容の詳細: 給湯器本体価格、工事費(基本工事、追加工事)、処分費、出張費などが明確に区分されているか。
  • 追加工事の可能性と費用: 既存の配管の劣化などで追加工事が発生する可能性があるか、その場合の費用はどのくらいか。
  • 保証内容: 工事保証や製品保証について、期間や内容を確認する。
  • 支払い方法: 利用できる支払い方法を確認する。

安さだけで選ぶのではなく、見積もり内容が明確で、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

実績と評判

依頼する業者の施工実績評判も重要な判断材料です。

  • 施工実績: マンションでの給湯器交換の実績がどれくらいあるか、ホームページなどで確認します。マンションタイプ(PS設置型など)の交換実績が豊富な業者は、マンション特有の設置基準や注意点を理解している可能性が高いです。
  • 評判: インターネット上の口コミサイトやGoogleマップの評価、SNSなどで、実際にその業者を利用した人の評判を調べてみましょう。良い評判が多いか、悪い評判に誠実に対応しているかなどを参考にします。
  • 許可・資格: ガス機器設置工事には資格が必要です。また、給湯器交換業として必要な許認可を得ているかどうかも確認ポイントです。

実績があり、評判の良い業者は、安心して任せられる可能性が高いと言えるでしょう。

給湯器の故障を予防するには

給湯器は消耗品ですが、日頃の心がけや適切なメンテナンスで寿命を延ばしたり、突然の故障リスクを減らしたりすることができます。

定期的な点検・メンテナンス

給湯器を安全に長く使うためには、定期的な点検やメンテナンスが有効です。

  • メーカーや専門業者による点検: 給湯器メーカーや専門業者は、有償で定期点検サービスを提供している場合があります。プロによる点検では、内部部品の劣化状況や異常がないかなどを詳細に確認してもらえるため、早期に不具合を発見し、大きな故障を防ぐことにつながります。設置から5年〜8年程度経過した頃に一度点検を依頼するのも良いでしょう。
  • 簡単なセルフチェック: 以下の点を日頃からご自身で確認するだけでも、異常の早期発見につながります。
    • 給湯器本体や配管からの水漏れがないか
    • 排気口周辺に異常な汚れや詰まりがないか
    • 運転中に異音や異臭がしないか
    • リモコンにエラーコードが表示されていないか

長く使うための注意点

日頃の使い方で、給湯器の負担を減らし、寿命を延ばすことができます。

  • 取扱説明書通りの正しい使い方: 給湯器の機能や操作方法を正しく理解し、取扱説明書に記載されている使用上の注意や禁止事項を守りましょう。
  • 冬場の凍結対策: 外に設置されている給湯器は、気温が氷点下になると配管内の水が凍結し、破損するリスクがあります。多くの給湯器には自動凍結防止機能が搭載されていますが、特に寒冷地にお住まいの場合や、長期間留守にする場合は、取扱説明書に従って水抜きをするなどの凍結対策を行いましょう。
  • フィルターの清掃: 浴槽のお湯を循環させる追い焚き機能付き給湯器の場合、浴槽側の循環アダプターにあるフィルターが汚れると、給湯器に負担がかかることがあります。定期的にフィルターを掃除しましょう。
  • 必要以上に高温設定にしない: 必要以上に高温設定にすると、給湯器に大きな負担がかかります。お湯を使う量や目的(シャワー、洗い物、給湯など)に合わせて適切な温度設定を心がけましょう。
  • 浴槽に残り湯を残しすぎない: 追い焚き配管内の劣化を早める可能性があります。

これらの点に注意することで、給湯器をより安全に長く使用することを目指せます。

マンション給湯器故障に関するよくある質問

マンションの給湯器故障に関して、多くの方が抱える疑問とその回答をまとめました。

マンションの給湯器が故障したら誰が払うの?

賃貸マンションの場合:原則として貸主(大家さん・管理会社)が費用を負担します。ただし、入居者の故意や過失、善管注意義務違反による故障の場合は入居者負担となる可能性があります。賃貸契約書を確認しましょう。

分譲マンションの場合:原則として区分所有者(居住者)が費用を自己負担します。ただし、管理規約で給湯器が共用部分と定められている場合や、大規模修繕工事の一環として交換される場合などは管理組合が負担することもあります。管理規約を確認しましょう。

マンションの給湯器の交換費用は誰が負担するのですか?

故障時の修理と同様に、賃貸の場合は原則貸主負担分譲の場合は原則区分所有者負担となります。例外ケースや管理規約による定めについては、上記「賃貸マンション給湯器の故障:誰が費用を負担する?」「分譲マンション給湯器の故障:誰が費用を負担する?」の項目をご確認ください。

マンションで給湯器が故障したらどこに連絡すればいいですか?

賃貸マンションの場合:まずは賃貸契約書に記載されている管理会社または大家さんに連絡してください。自分で勝手に修理業者を手配するのは避けましょう。

分譲マンションの場合:原則としてご自身で給湯器の専門業者を探して依頼します。ただし、管理規約で定めがある場合や、マンション全体の設備に問題がある可能性が考えられる場合は、まず管理会社に連絡して指示を仰ぎましょう。

マンション 給湯器 何年 もつ?

一般的なガス給湯器の設計標準利用期間(寿命)は10年とされています。使用状況や設置環境によって前後しますが、10年を過ぎた頃から故障が増える傾向にあります。

マンション給湯器のトラブルは専門業者へご相談ください

マンションで給湯器が故障すると、日常生活に大きな影響が出ます。誰が費用を負担するのか、どこに連絡すべきか、いくら費用がかかるのかなど、様々な不安があるかと思います。

まずは落ち着いて、ご自身がお住まいのマンションが賃貸か分譲か、そして給湯器の故障状況(症状やエラーコード)を確認しましょう。

賃貸の場合は管理会社や大家さんへ、分譲の場合は原則ご自身で専門業者へ、それぞれ適切な連絡先に速やかに相談することが解決への第一歩です。特に分譲マンションで業者を選ぶ際は、マンションでの施工実績が豊富で、設置基準や規約に詳しい業者を選ぶことが重要です。複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することをお勧めします。

給湯器は決して安い設備ではありません。突然の故障でお困りの際は、この記事で解説した内容を参考に、信頼できる専門業者に相談し、適切な対応を進めてください。

【免責事項】
本記事の情報は一般的な内容であり、個別の契約内容やマンションの管理規約、給湯器の状況によっては対応が異なる場合があります。実際の対応にあたっては、必ずご自身の賃貸借契約書や管理規約をご確認の上、管理会社、大家さん、または専門業者に直接ご相談ください。本記事の内容に基づいくいかなる損害についても、筆者および公開者は一切の責任を負いかねます。

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